表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/6

ナーギにたかろう



「僕は北の大陸から来たイヴァン。僕は先月Aクラスになったばかりなんだ」


「北のイヴァンさんが何ようで?」


ギルドに国境は関係ない。北の大陸の人間も何人か知り合いがいる。総じて色白のがっちりした体格のものだ。


「辞令で王都付きのAランク者になったので先輩に御挨拶と思ってね」



おもむろに立ちあがり私の近くによる。

イヴァンは北のあいさつをしようと思ったのだろう、私は寸前のところでよける事に成功し、私を抱きしめようとした腕は、目標を捉えることなく空振りすることとなった。



「ちょっと!北の挨拶はここでやったら犯罪よ!?」

「小僧、かみ殺されたいか?」


なんど北の者とあってきただろう。

女性からのならまだ耐えられるが、初対面の男となんて無理だ!


「ええー。異文化交流しようよ?」

「わかっていてやるなんて立ちの悪い……。要件それだけなら帰れば?」


私は突き放すように言うが年下らしい彼は空気を読んではくれない。




「機密任務があたえられたんだ。これが少し厄介で、ギルドマスターにクレームをつけたら君を紹介された。運命が許せばナーギに会えるだろうとね」


「内容は?」


纏う空気が変わる。この空気は嫌いではないが、あまりご一緒したくない。


「ネズミになって反逆者のあぶり出し、期間は3カ月後のカーニバルまで」


「どこの?」


「この街で一番大きな建物だよ」


イヴァンは参ったと言わんばかりに眉を下げる。


「あなた、なにしたの?殺されなきゃいけないミスでもした?」


これは不味い。

この任務は彼の命なんてちっとも考慮されていない最低の任務だ。




これはSランクの任務だろ。しかも隠密専門の。

拒否権はどうやら取り上げられているらしい。だから私の所に来て、僅かな望みを私に賭けようとしている。

この街で一番大きな建物。「王城」

王を狙う反逆者など、何をしでかすかわからない。


「だから、お願い僕に君の愛を分けて?」




まず私とイヴァンの課題は信頼を築くこと。

Aランクの彼につり合いが取れるモンスター。それを狩ることの出来る場所は限られている。



深淵の森

荒野のダンジョン

深海の遺跡


よし、深淵の森に行こう。


「私の言う事聞けるのなら、協力しよう」


「命のためならなんでもするよ」


こうして私とイヴァンは深淵の森へと行くことになった。




「私の事を頼りにしてきたってことは、どこまでの情報が与えられているの?」

まず、私の話せる限界を確認しなければならない。

しゃべり過ぎはどこに行っても生きのこれないのだ。


「閲覧ランクAまで」


「ふむ、そこまでなら問題ないでしょう。まず、私の支援を3日間受けられるように信頼関係を結ぶ。その後に潜入開始する。3日たったら危険を承知で一端離脱し支援魔法の掛けなおしで行きましょう」


「ダー、どうしても帰還できない場合は?」


「それは自分でなんとかなさい。Aランクになる実力を持っているんでしょ?」


とんだ甘ちゃんだ。彼は渋々といった感じで頷いた。


「じゃあ、深淵の森に行きます。私に捕まって」


イヴァンはおもむろに私の後ろに立ち、抱きしめる様に腕をまわした。

ジルバが思いっきり睨んでいる。

戦闘系でない私は殺気が嫌いなのに。


「イヴァン、移動魔法は初めて?」


陣にいるだけでも十分なのだがこの密着のしよう。素人さん?


「そうなんだ。バラけたらこわいじゃん?」


私に限ってバラけさせるとも思えないが、初心者の恐怖というものはどうしようも出来ない。


「そう、じゃあこのままでイイ。行くよ」


行きたい場所を強くイメージし私とイヴァンの魔力を合わせ転移を行う。


「気をつけろ」


ジルバの声が消えると共に私たちは転移した。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ