ナーギは脛かじり?
ほぼ会話文で、世界観も厚くはありません。
手軽に読んで30秒後には忘れそうな話を書いていくつもりです。
気楽に読んでください。
タグは適当でーす。
こんにちは
わたくし猫のナーギと申します。
実はわたくし獣人でして、まあ、有体に言いますと今はやる気がないので猫の姿をいています。
ふふふ。
この世界には加護というものが誰しも与えられておりまして、私は月夜猫の加護を頂いております。
月夜様の加護は大変ありがたいんですよ。
なんたって、直感力・幸運・逃げ足マックスです。
何もしなくても生きていける代物ですよ?
ただ、ぼけーっとしていても幸運でお金を稼ぎ簡単な仕事で生きていけるんです。
それに、悪い人が来ても直感や逃げ足で、自分でも把握する前に逃げています。
様は、グータラな月夜様に気にいられているんです。
いいでしょ?
まあ、良い事ばかりではないですけど。
今日は行きつけのバーでグダグダと過ごします。
「ナー」
カリカリカリ。
わたくしは、扉を傷つけないようにマスターに来店を告げます。
がちゃん。
「ナー」 ご飯ください。
「ミルク?肉?魚?」
「ニャ!」 肉!
まだ若いマスターは言葉短くわたしの欲求を理解してくれます。
良い人なんです。
私はいつもの席。様はカウンターの隅に上げてもらいます。
「今日はどうした?嫌な事でもあったの?」
そうですね。幸運があっても嫌なことからは回避できません。
良い事がいーぱい起こるだけのスキルですから。
直感や逃げ足が発動するほどでなければ、私だって嫌なめにもあうのです。
「うにゃー」 近衛兵に追いかけまわされたの……。
「ああ……、今祭りの警備配置の確認中と通達があった」
「ナーア」 人型だと逃げ切れそうになかったから服をあきらめて猫型に。
私はしょんぼりと耳を伏せ尻尾もペタンとたらす。
気に入っていた黒いワンピース。白い髪留め。別に大したことではないのだけれど。
「ほら、猫のままで食べるの?着替える?」
「ナ!」 このまま!
「じゃあ、細かく切るから」
「にゃーん」 愛してる!
「人型の時に言ってくれないか?」
私は尻尾を振ってこたえます。
マスターは慣れた様子で私をなで、openの看板を掲げに外に出ていく。
「ナーギ、絡まれたんだって?マスター、ウォッカを」
うるさいのがやってきましたね。
ふん。と、そっぽうを向きます。
「怪我はない?」
狐の耳と尻尾を持った男は真面目な顔で聞いてきます。
狐の獣人なのに垂れ目です。
紫の瞳に銀の髪。
真っ白で真っ黒な私はいつも羨ましく思います。
この目はちょっと苦手です。
マスターのように甘やかせてはくれません。
「なーあ」 別に?
私は顔を洗う動作をしながら答えます。
「嘘つき猫はお仕置きだー」
と言って私を抱えます。
「ニャーア!!」 嫌!触らないで!
抜け出そうとジタバタしますが離してはくれません。
「お客さん、ウチの猫はお触り禁止です?なんども申していますよね?」
ウォッカを狐男に渡し、マスターは私を奪い返してカウンターに戻します。
「ちぇー、猫の癖に番犬付き」
狐男はいつもどおりマスターに止められます。
ちなみに、マスターは犬ではありませんよ?
こんな私たちの自己紹介。
なんで、消えてしまうん……。