しーん2
ふう・・・全く困ったことだ・・・
・・・おや失礼いたしました。お客様。お茶は如何ですか?いえいえ、そんな大層なものでは・・・どうぞ。お口に合いましたか、それは良かった。茶菓子の一つもあれば良かったのでしょうが、生憎きらしておりまして。
はい?あぁ、あの方は、所謂、神様という方ですよ。ええ、その通りです。お造りになった世界で勇者が必要になったものの、その世界には適性のある方がおられず、ここにいらっしゃったのですね。
なぜ?なぜとは?
ふむ、なんと言えばよいのでしょうか・・・ここは、現存する世界すべての中間地点なのです。例え神であっても、ここを通過しなければ世界を越えることは出来ませんし、ここを通過するには門番である私の印が必要になってくるからだ、と、こんな答えでご納得いただけますか?
!?はっはっは、いえ、まさかそんな。
私が神様方より高位なはずはないでしょう。私はただの門番でしかないのですから。
印を与える・・・確かに、そんな表現でそれだけを聞くとそういう印象ですね・・・はは、ふふふふふ・・・
「門番。来たぞ」
あぁ、地球の神様が一人おいで下さったようです。
・・・・・ふう・・・
いえ、つい。申し訳ありません。今からのことを考えると、どうしても・・・。
お客様には、まだ少々時間がお有りのようです。お茶のお代わりはどうぞご自由に。
お手洗いはあちらの扉ですので。
どうぞ、ごゆるりとお過ごし下さい。