一将功成りて万骨枯る
「...この魚団子はあまりにも食べにくいですね。」
「そうですね、なぜこんな店が営業できるのか分かりません。」
「そうですね...あ、もうすぐ授業が始まるから、早く食べ終わって戻りましょう。陳先生は厳しいですからね。」
「そうだ、次の授業は中国語の授業だ...ダメだ、先生に怒られちゃう。」
私はスチロール製のコンテナに入った魚団子を一気に飲み込みました。
「え...?」
「家豪!家豪、どうしたの!」
家豪が詰まったのを見て、志明は迷わず人工呼吸を始めました。
彼は家豪の上着のボタンを外し、リズミカルに胸を押しつぶしました。
「頑張れ...このバカみたいに死ぬわけにはいかないだろう。」
「え...」
「...クソ、学校で携帯電話を持参させないなんて。この時に救急車も呼べないなんて。」
意識が薄れていく親友を見て、志明は力を込めていきます。
「くそっ!」
「まったく、この時に食堂の人間はどこに行ったんだ...」
「誰か助けてください!」と彼は叫びました。
「志明、どうしたの?」
「黄先生!家豪が詰まっているんです!私は人工呼吸の仕方がわからないので、助けてください。」
「...ああ、救急車を呼んでから様子を見ましょう。」
「ありがとうございます。」
「119番ですか。ここは元朗基督教中学校、元朗庸園路333番地です。
学生が食べ物で詰まっていて、呼吸困難です。早急に来てください。」
「家豪、大丈夫、私が助けるから。」
黄先生も家豪の胸を押し続けて、食べ物を出させようとしていましたが、
二人とも応急処置の訓練がなかったため、全く効果はありませんでした...
救急車が到着したときには、家豪の心拍はほとんど止まっていました。
病院では除細動器を使いましたが、結局助けることはできませんでした。
「う...ぐ...はぁ...はぁ...はぁ...」
「ここはどこ...?魚団子で詰まったはずなのに、ここは病院ではないようだ...」
四方を見渡すと、まるで地下牢のような暗い空間が広がっていました。
濃い茶色のレンガで作られたこの不可解な場所は、重圧感を感じさせます。
そして、目の前には誰かが立っているのが見えました。
「'@#$&+)@$_-(またやられたか、師匠?)'"
「'&&@($++/+(そうだな。しかし陛下、急がれるな。聖人を探すのは急ぐものではない。'"
彼らは私には分からない言語で話していました。
「異世界に来てしまったのか?そうなら、何か特殊な能力でもあるんだろうか?なくても天才なんかになっているだろう!」
その小さな男は、手下に水を持ってきて呪文を唱え、それを私の頭上に浴びせかけました。
「...何をしているんですか?」
「すみません、魔法をかけるのを忘れていました。」豪華な服装の男が言いました。
「私たちがあなたを呼び寄せた者です。私は宮廷魔法師のミカラ。
そしてこの国の王、エイコワカです。」
「戦場に?ここが本当に異世界なのか。古代中国だとしたら、こんな名前は存在し得ないはずだ。」
「その通り。ここはあなたの元の世界ではありません。
あなたはその世界で既に死んでいたのです。私がこの冥界から呼び寄せたのです。
その理由は、邪悪なチョウ帝国に対抗するためです。」
「でも...私はこの国の人間ではありません。なぜ私があなたたちのために戦わなければならないのですか?
あなたが言ったように、私は元の世界に戻れないのですね。」
「こいつ...なかなか頭いいな。」と小さな男は小さく呟きました。
「君をここに召喚した魔法は、どんな世界への物質や魂の移動も可能な法術なのか。私の魂をこちらの世界に送り込めたのなら、今の肉体ごと元の宇宙に送り返すことができるのですね。」
「そうだ、本当だ。」
「つまり、私は家族や友人たちと再会できるということですね?」
「その通りだ。彼らは現在あなたが死んだと考えているだろうが、単純に面会することは可能だ。もちろん、別の世界に行きたければそれも構わない。」
「いいえ、私は元の世界に戻りたいです。」
「しかし、元の世界に戻るには代価を払わなければならない。戦功のあった者にのみその待遇が与えられる。私もそのような者を顧みないわけではない。功績に応じて爵位を与え、国家の力の及ぶ限りの特典を授けるのだ。最高位の爵位さえ得られば、皇位以外は何でも得られるのだ。」
「本当ですか?」
「一言を発した君子は、四匹の馬も追いつくことはできない。」
「しかし...なぜ、あなたがわざわざ私にこのことを話すのですか?なぜ国王自らがこの地牢にまで来たというのですか?」
「...国のために戦う士兵のことを、皇帝としてがどうして気にかけないはずがありましょうか。」
「ここは古代の異世界なのでしょうか?古代の皇帝にも、この程度の仁慈さがあったのですか?」
「さて、そろそろ訓練の時間だ。」と彼は私の肩に手を置いた。
「最後に、この国の名前を教えていただけますか?」
「ああ、もちろん。ここは清国だ。」そう言って、さっと袖を振って立ち去っていった。
「清国がルツァンと戦っているのか...間違いなく異世界だ。ただ、翻訳の魔法で『秦』が『清』になったのかもしれない。」
「...いや、無意味な推測はやめよう。」
「老師、すべて順調に進んでいるようですね。」
「ん。私はいつも研究に夢中になっているが...ただあの召喚された者があまりにも賢明すぎる。私たちが設計した呪文を一瞬で見抜かれてしまったからな。」
「そうですね...実際、それ以上に賢明な者たちの報告もあります。あのような人間は普通は欺くことができません。彼らは我々の世界と比べられないほど先進的な世界から来ているのですから。そのような人間を一人でも残しておけば、我々の世界に脅威となる可能性があります。たとえ一つの発明だけでも、我々の社会を根底から覆してしまうかもしれません。」
「仮に魔法を使って漁網から絹を作り出せるようになったら、我が国の経済は完全に崩壊してしまうだろうな。」
「彼らの技術と魔法は異なる...いや、むしろ魔法を遥かに超越しているといっていいかもしれません。我々の数千倍も先進的な世界からの者たちは、まさに今の例のように非常に賢明です。」
「そうだな。あの者もなんだか15歳くらいに見えるが、本当にやせ細った体つきだ。私が15歳のころは、子供がすでに2歳になっていたというのに。」
「彼らの世界ではそれが普通なのだろう。しかし、そのような者を一般の兵士にするのは適切ではない。むしろ農業に従事させて食糧供給をしてもらうのが賢明かもしれない。」
「そうではない。あの者を一般の者たちと交流させてはいけない。もし異世界から奇怪な考えを持ち込まれては大変だ。」
「人と人が交流するのは言葉だけではない。もし言語が通じないなら、社会に溶け込めずに物乞いや野良犬になってしまうだろう。それよりは戦場で数発の矢を受けた方がマシだ。」
「仰せのとおりです。それでは失礼いたします。」
皇帝はゆっくりと研究室を退出していった。
「...陛下はまだ若すぎるのだ。」
「私にはあの者を殺す方法が100万通りはあるが、そうする気はない。」
「しかし、それこそが私がこの国に尽くそうと決めた理由でもある。疑うことなく信頼してくれる。その恩義に報いるためにも、私は100%この国のために働き続けるつもりだ。」
彼は原稿用紙に何かを書き書きしているようだ。
「よし、完璧だ。伝送装置の問題もなく、肉体構築の呪文術式も問題ない。」
「もしやその魂の力を別の用途に使えば、この戦争は既に終わっただろう。肉体再構築にだけ使うのは勿体ない。」
そう言いながら、彼はノートに更に書き込みを続けている。
廊下を歩く人々の様々な姿に目を向ける。人間、亜人、骸骨...なんだかここは異世界の集合体のようだ。まさに平行世界からの存在たちが集まっているのだろう。
「どうも今ひとつ期待が外れる感じがするな。あまりにも神秘的なはずが、意外と地に足がついている。まあいいか。こうした存在たちが召喚されてきたのは、きっと何かしらの目的のために戦いに参加してもらうためだろう。翻訳魔法もきっと付与されているはずだ。」
「兄弟、あなたはなぜここに来て戦うことになったの?」
「...他に選択肢はないでしょう。」
「そうか。爵位を手に入れたら、何をしたいですか?」
「特には...この世界で豊かに暮らすことですかね。」
「なぜそうなの?」
「なぜって...あなたは平和な国からきたんでしょう。私の国は絶えず戦争と飢饉に苛まれていて、私もそのために死にそうになっていたのです。もう皆に食べられてしまったかもしれません。自分も他人の死体を食べていたからね。皮と骨しかない、あまり美味しくないものばかりだったけど。」
「だから、私はもっと考えることなんてできません。ただ平穏に暮らせれば充分なんです。ただ、この世界のどこかでも、人喰いがあるのかもしれませんね。」
そう言って獣人の兄弟は、私の肩を軽く叩いて早足で去っていった。これが戦争か...私は小さい頃から喧嘩すらしたことがない。学校でもいじめられっ子だったから、遠くから警戒するしかしていなかった。こんな残虐な世界があるなんて...。私もその残虐さに加担しなければならないのか。
しかし、今の私には上層部を説得するチャンスはないだろう。私はただの兵士にすぎない。皇帝や宮廷の魔術師たちが丁寧に状況を説明してくれたし、皇帝自体も良い人物なようだが、ここまで簡単に戦争を収めることができるはずがない。決めた。もし私が爵位を手に入れられたら、必ず皇帝に平和を進言する。最高位まで昇っても戦争が続いているならば、自ら和平交渉に乗り出すつもりだ。
...格好良い台詞だと思う。でも現実的にはきっと実行できないだろう。私の消極的な性格じゃ、そこまでの勇気は出せないかもしれない。とりあえず、戦場に立つことから始めよう。
「新兵の皆さん!なぜあなた方は戦うのか?!この国はきっとあなた方にとっては魅力的ではないかもしれませんが、私たちの戦いは、この国を守るための生命を賭けた戦いなのです。勝利を収められば、爵位が得られ、この世界の領地や戦利品を手にできるでしょう。ただし、一歩でも後退すれば、死あるのみ。戦死した者は英雄として国家のために栄光を得る。しかし、逃げ出した臆病者は、千の脚に踏み付けられ、永遠に名誉を取り戻せることはないのです。 名誉と富のために戦うのだ!」
周りの人々やさまざまな亜人たちが雷鳴のような声援を上げる中、ぼんやりと「私たちには選択肢がないのです」という呟きが聞こえた気がする。
さて、私たちの訓練は30日間と短いらしい。重機の操縦を学ばなければならないそうだ。
台湾の兵役は4ヶ月くらいだったが、台湾は戦争していないからゆっくり訓練できる。でも早く戦場に立って軍功を立てて早く帰れるのが一番いい。どうせ死ぬならさっさと死んで輪廻に行きたい。
この時代、破傷風や風邪など、何気ない怪我や病気でも簡単に死ぬ。家族と迷子になれば、もう葬儀の準備をするしかない。古代人にとっては当たり前のことかもしれないが、私にはあまりにも馬鹿げている。
私はひとたび死んでしまった。無意味な死に方をもう二度としたくない。家に帰る道中で死ぬのが一番いいだろう。
まあ、とりあえず明日の訓練に備えて早く寝よう。
家族の皆さん、私は必ず帰ってきます。何か特産品でも持ってこようかな。この世界にはどんな特産品があるのかさっぱりわかりませんが。
あの、百夫長さん。
「ああ、どうしたんだい?」
「まあ、私もそうだよ。あの小老人に呼び出されたんだ。」
「この世界の魔法については、詳しいことはよくわからないんだけど...魔法は神様から与えられた能力で、神様に選ばれた者たちにだけ使えるんだ。そういった魔力を使って動く道具がある、というのはこんな感じだよ。」
「道具?」
「ああ、例えば君を呼び出した機械なんかもそういった魔法の道具の一種なんだ。」
「なるほど、だからあなた方は日常生活に魔法を使わないわけだ。」
「そうだね。正直に言うと、私もそこまで考えたことはなかった。君のような異世界から来た人間がいるからこそ、そういったことを考えるようになったんだ。」
「他の世界ってどんなところなんだい?」
「ああ...魔法がまったく存在しない世界もあれば、非常に発達した世界もあるらしい。月まで行けるそうだよ。でも、大抵の世界が戦争に呑み込まれているらしい。君のような純真な眼差しを持つ人は平和な世界から来たんだろう。もし帰れるなら、何か戦争を阻止する方法を見つけてくれるといいなあ。...まあ、君のような小兵ではそこまでできまいがな。」
「どうして、そこまで詳しく知っているのですか?」
「うん、私はこの仕事をずいぶんやってきたからねえ。頑張って頑張って、もし貴族になれたら、私でも少し引き立ててくれるかな?」
そう言って、百夫長は木陰に歩いていった。
私たちの軍服は質素な普通の服装だ。まるで囚人服のようだ。でも別にそれほど気にもかからない。ここは軍の施設なのだから、変わった服は着られまい。
でも、食事のことが気になる。PTTで台湾人は三色豆がまずいって言っていたけど、私は結構好きだったんだけどな。でも、ここの三色豆はまるで泥団子のようだ。しかも、なぜか玉蜀黍や人参、豌豆が入っている。これが古代の異世界の料理なのか。
厨房の兵士がゴツゴツした手で、その坂を皿に重ねて投げつけてきたとき、気絶しそうになった。まるで豚の給餌よりも劣悪だ。
しかし、よく考えれば、ここはまだ戦時中の古代世界なのだ。こうした料理が出せるなんて、結構進んでいるほうだろう。そう考えると、不平を言う資格はないな。食べ物さえあれば、それでいい。
それで私も(仕方なく)座り込んで、心から感謝しながら、この糊状の料理を食べ始めた。うん...正直に言えば、悪くはない。確かに美味しいとは言えないが、口に入らないわけでもない。米も通常の玄米だった。現代の玄米よりは美味しくないが、それでも受け入れられない程ではない。ただ...なぜか冷たい。
どうしよう...私の胃腸はもともと弱く、昔の軍営の衛生状態があまりよくないと考えるとわかる。そのため、その後の午後中、トイレで過ごすことになった。ああ...家に帰りたい...熱々のご飯とカレーやジャージャー麺など、たくさんの食事が恋しい...
軍事訓練、特に古代の軍事訓練は、反復性が重視される。
特に昔は識字率が高くなく、私のような臨時入隊者には十分な訓練の時間がない。精鋭部隊でもない以上、そこまでの訓練は必要ない。
その結果、今の状況になっている。
毎日の生活がほとんど同じだ。
まず武器の訓練。剣の使い方を教えられる。前方への スラッシュ、背後への格納、前方への突き刺しなど。
工兵ではあるが、最低限の戦闘能力は必要だ。敵が工事現場に攻めてきたら、そのまま降伏するわけにはいかない。
ただ、金属不足のため、訓練用の武器は木の枝である。工兵にとっては重要ではないが、実際の武器との重量感や手触りが異なるため、習熟するのが難しい。
武器の訓練には、工事機械の扱いの習熟も含まれる。主な工事機械には、石弩がある。これは巨大な弓で、火器に勝るほどの射程と破壊力がある。敵将や重要人物を遠くから正確に狙うことができる。
投石機もある。重力エネルギーを利用して、石を城壁に撃ち込む。この重力エネルギーの源は、私たち兵士が大変な思いをしながら、クランクを回し続けることだ。
ちなみに、「重力エネルギー」という言葉は彼が使ったのではなく、私が中学校の物理の知識から付け加えたものだ。
付け加えると、石も少し改造されているようだ。純粋な自然の石ではなく、空気力学的な工夫がなされているらしい。
梯子も使う。大きな木製の梯子で、台座付きのものだ。一般のイメージとは違い、この梯子は底部がしっかりしているので倒れにくい。そして、防火塗料も塗られているので、燃えにくい。これらの説明は訓練の際に教えられた。
ただし、実際の攻城では、先頭の兵士は防火措置がないため、主な防御手段は火油の浴びせかけや、さらに酷いものとして高温の糞汚物の投下だという。火傷と細菌感染が恐ろしい。
しかし、後半の科学的な説明は彼が言ったものではない。糞汚物の話に皆が難色を示したためだ。
次は陣形の訓練だ。様々な陣形があるが、私たち下級兵には関係ない。自分たちや装備品がどこに位置するか、敵が攻めてきたらどう動くかなどを教わるだけで、基本的な陣形の名称すら教えてくれない。
耐久力の訓練もある。戦場を走り回ったり、重い攻城器械を引っ張ったりするのだ。爆発的な力ではなく、持久力が重要だ。
攻城槌もある。巨大な振り子のような仕組みで、一撃で城門を破壊する。一般の攻城槌とは異なり、これは工兵が担当する。
日々の労働の中で、最初の愛国心と同情心は、体力とともに薄れていく。自分の世話もできないのに、他人のことなど考えられない。まずは自分の功績を立てないといけない。
彼らに、工兵が功績を立てにくいと尋ねたところ、百人隊長も認めていた。それが、彼がまだ百人隊長しかなれていない理由だ。
ただし、工兵には生き残りやすいという利点もある。巨大な工事機械が守ってくれるからだ。激しい戦闘になれば、やはり死ぬが、一般兵士に比べれば生存率は格段に高い。それが、彼が中年まで生きられた理由でもある。
...功績は立てにくいが、生き残れる可能性が高いのは、幸運なのか不運なのか。
家に帰れるまでの時間は長くなるが、生き残れるチャンスが増えた。死んでしまえば、この世界に戻ることはできない。
あの魔法使いに、死後の行き先を聞いておけばよかった。死人を召喚できるのだから、確かに答えてくれたはずだ。
でも今は、彼を見つけるのは無理だ。
両親に会える機会は短期的に減るが、長期的には増えた。
これは...良い方向なのかもしれない。
粤語の諺にも「長命功夫長命做」というのがある。青山が残っていれば、薪が足りないことはない。
ゆっくりでいい。急ぐ必要はない。
選択の余地はないが。
お父さん、お母さん...あなた方が恋しいです...
あなた方はどうしているのでしょうか?私の葬式が終わってから、普通の生活に戻れましたか?
あんな形で亡くなって本当に申し訳ありませんでした。でも、必ず戻ってきます。あなた方と再会できるよう。
数年、あるいは数十年かかるかもしれません。その間、勝手に死ぬなよ...
ああ、そうだ。魔法使いに、あなた方の魂を呼び寄せてもらえばいいじゃないか。
でも、やめておこう。
死者を甦らせることはできないのだろうか。
...できないようだ。そうでなければ、すでに亡霊軍団を集めていただろう。わざわざこの異世界に兵士を探す必要もないはずだ。
...でも、なぜ異世界から人を呼び寄せられるのに、蘇生できないのだろうか。
...まあいいや。考えても仕方がない。
志明...お前は、春嬌にいい子にできたか?
俺が帰ってきたら、お前たちの子供...いや、孫を見せてくれよ。
冗談だ。
本当に、生き残れるかどうかが問題だが。
あー、もう考えるのはやめた。自分の気力を削ぐだけだ。
必ず戻ってくる。どんなに時間がかかろうと、必ず戻ってくる。
「陛下の命令!今、戦場の兵力不足のため、すぐに出動せよとのことです。午後、中央広場に集合するよう。」
ついに、この地獄のような日々が終わるのか...。
集合後、皇帝の任命した将軍とともに、我々は壮大な行進を始めました。遥か彼方まで進んでいきますが、高い山々や荒れ狂う大河を越えなければならず、到着時には完全に疲れ果てていました。戦況があまり芳しくないようですが、これ以上の遅延は許されないようです。
準備も整わぬまま、そのまま前線に向かうことにしました。私は巨大な弩を操り、遠くへ矢を放ちます。戦士たちの叫び声、殉教者の悲鳴、刃の音が耳を突きます。まるで地獄のような光景です。
しかし、ふと後ろを振り返ると、そこには巨大な翼を広げた龍の姿が。まさかドラゴンが...!? 龍の一撃に巻き込まれ、私たちは一瞬にして吹き飛ばされました。
そして次の瞬間、とてつもない勢いで山が投げ付けられてきます。龍は避けられたものの、私たちは直撃を免れられません。
一瞬の激痛の後、意識が遠のいていきます。父上...母上...志明...
ごめん。。。
「皇帝陛下、戦況はまさに飛躍的な進展を遂げました!楚国の君士堡を攻略し、敵軍は約1万3千人も死者を出しましたが、我々は僅か5千人の死傷者で済んだのです!」
「ふむ、結構だ。ミカラ大師よ、この勝利の陰には汝の功績が大きいと言えよう。龍という生物を発見し、馴致する術を編み出したからこそ、このような戦果が上がったのは間違いない」
「いえいえ、たまたまその生物を見つけただけで。しかもあの生物の魂は通常の人間よりも強靭で、あっけないほど早く散ってはいかない。捕獲も割と容易だったのです。馴致の方法は、あの世界の人間から教えてもらったものです」
「そうか、では早速その人間を私の前に召し出せ!」
「はい、ただちに」
そんな折、戦場では...
「...なんで私たちは耳で戦功を数えなければならないんだ?」
「昔は頭蓋骨を使っていたらしいが、重すぎるらしい」
「なるほど、それで私たちの多くが耳に穴開けているワケか」
「そうだな。仲間を全部殺っちまえば一番早いだろ?」
白骨に覆われた小山を前に、二人は軽々しくつぶやく。
「で、爵位を手に入れたら何するんだ?」
「何って、田畑を手に入れて、三妻四姫ぐらい娶って、気ままに暮らしたいさ」
すると、突然鼓の音が響いた。伝令鼓の音だ。これはつまり...
「さ、飯でも食いに行くか。腹減って仕方ない」
「で、これらは?」
「ま、後でいいだろ。死んだ奴らのことなんて、俺の飯の種にはならない」
そして二人は去っていった。
詩曰:
澤國江山入戰圖,生民何計樂樵蘇。
憑君莫話封侯事,一將功成萬骨枯。




