浮気者のあなたへ
拝啓
浮気者のあなたへ
お疲れ様です。仕事だと言われて家を出て、もう三日目。今日も女性のお尻を追いかけるお仕事に、精を出されているのでしょう。頭が下がりませんわ。
さて、唐突ではありますが、そろそろ本題に参らせていただきたいと思います。私、この度実家に戻ることにいたしました。――つまり、直接的な言葉を使用させていただくとすれば、離婚しましょうと言っているのです。
もしかしたらよく家を空けているガルーダ様にとっては、寝耳に水なお話かも知れませんが(正直知ったことじゃありませんが)、離婚自体は実家も合意済みのお話です。
理由は我が――離婚したので「我が」ではありませんね。あなたの伯爵家が危機に陥っているからです。
……初耳ですって?俺がいない間に何をしたのかですって?そんな被害者面しないでください。全てはあなたが原因なのですから。
しっかり思い出してください。去年の秋頃、若い金髪の青い目をした女性に手を出されましたよね?おそらくあなたは特に何も考えていなかったのでしょうが、彼女、どこの家の者だとお思いでしたか?……そんなこと考えていなかった?まぁそうでしょう。正体を知っていたら手を出すことなどありませんので。彼女は隣国のレンブレン帝国公爵家から人質として一時的にやってきたお嬢様ですから。
そう、あの宿敵レンブレン帝国です。
もちろん、レンブレンは宿敵ですがとても大きな国。人質である彼女の扱いはとても丁寧で慎重でなければなりません。そのためストレスを与えぬよう、日々の食事は豪華に、そして定期的に舞踏会に参加させていたそうです。その舞踏会であなたは手を出してしまった、ということです。舞踏館内部で問題が発生するとは警護の者達も思っていなかったのと、ここ十年ほど問題が起こっていなかったのとで油断していたようで。当日警護を行っていた者は、皆首になったと聞きました。
そう、それで何が問題かという話ですけれど、彼女妊娠いたしました。――あなたとの子供です。
おめでとうございます、と言いたいところですけれど、これは大きな問題です。人と人の問題ではなく、国家の問題なのです。あなたの伯爵家は、我が国の敵レンブレン帝国との間に、関係を持ってしまったのですから。それも無事に帰すと約束したお嬢様に。
これが判明したのが先日の出来事です。そろそろ国王に呼び出される事でしょう。私は大きな動乱に巻き込まれる前にさっさとこの家から離れることにいたします。
では、自業自得ではありますが、対処の程頑張ってくださいね。
あぁ、そうそう。もう一点。レンブレンの彼女、あなたに無理矢理されたと主張しているようです。――もし彼女が協力的ならそこまで大きな問題になりませんからね。
現在我が国は戦争出来る状態にありませんから……もしかしたらあなたを処刑することで決着がつくかもしれません。
誠に残念ではありますが、そのときは処刑場まで足を運ばせていただきますわ。――もちろん、最前列で見守りますわね。
それでは、失礼いたします。
最後まで読んでいただきありがとうございます!少しでも面白いと思ってくださったら、ブックマークと下の☆で評価をしてくださると嬉しいです!
応援宜しくお願いいたします!




