46 受講生の話
《受講生視点》
私はウノ。平民だ。
このハーフムーン王国では平民でも王城で働くことが出来る。
他の国だと王城で平民が働けない事もあると知った時はこの国で産まれて良かったと思った。
ハーフムーン王国では採用試験というものがあり、試験を受けて受かれば身分関係なく働くことが出来る。
平民だけではなく孤児院出身だろうと平等にチャンスがある。
その試験では魔法、家事、文字の読み書き、算術、武術の5項目と面接があり、それによって受かった場合の配属先が決まる。
私は武術が出来ないが魔法が少しと家事が出来たので受かることが出来た。
一般メイドでの合格だった。
その一般メイドでも担当が色々とあるが私は洗濯の担当になった。
洗濯担当は水魔法か風魔法が使える人が配属されるようだ。
そして毎日洗濯物を乾かしていると魔法研究所の所長が若い人を集めているという噂が流れた。
ヤバい実験をするに違いないとメイド全体が不安に包まれていたある日、私を含めた20人がメイド長によって部屋に集められた。
まさかクビになったのかと思っていると所長が部屋に入ってきて、爪に色を付けると魔力が上がると言う話をされた。
途中話が難しく何を言っているのか分からなかったが、爪に色を塗ったり装飾するネイリストになる為の講習が始まるから参加するようにと言われた。
それもよく分からなかったが、毎週月曜日に講習があるそうで、その日は来客用の別館に行く事になった。
全員魔力測定と魔法の披露をし、先生が来るのを待つ。
先生が来たら、教えられた事をやる。
毎回同じ事をし、練習させられるがいつもの仕事よりは楽かもしれない。
ある日その先生が練習用の材料を沢山置いて帰って行ったが、日々の仕事があって練習する時間は無いのにと思った翌週、練習してきた受講生がいたみたい。
色を塗った後の魔力測定では10も上がっていた。
私は0だったのに。
その10を出した2人は、午後に先生のお手伝いと言う事でプレパレーションを担当する事になった。
近衛師団のトップの人達だ。
普通は近くに居ることもありえない人達だ。
そんな人達が勢揃いでこの場所に来ていることにも驚きだが、アンナとイザベルはその人達に触れるだなんて…。
…羨ましすぎる。
自分も頑張って練習していたらそんなチャンスが巡ってきたのかもしれないと思うと悔しくて仕方がない。
仕事が忙しいと言い訳して練習しなかった自分が憎い。
今から頑張っても間に合うのかな…。
こんなチャンスが巡ってくるかな…。
頑張っていればチャンスが来ると信じこれからは頑張るしかない。
先生が帰った後、受講生全員がジェイソン所長によって集められた。
来週から試験を行うとの発表があった。
試験に受けるかどうかは自由との事だ。
受ける場合は前日までにこの部屋に置いてある紙に自分の名前を書いておけば良いらしい。
また来週が試験初回と言う事で詳しい内容は当日に発表になるらしいがその後は決まった試験の内容になり希望すれば毎週試験を受けることが出来るそうだ。
試験は複数あるらしいがそれも来週に発表されるそう。
またその試験に受かると、この場所でネイリスト見習いとしてネイルの施術をする事が出来るそう。
通常のメイドの仕事から配属先が代わり、研究所の所属となりネイルをするそうだ。
そうなった場合給料も上がるらしい。
まだ試験の内容などは決まっていないらしいが複数の試験に合格すれば給料も少しずつ上がって行くシステムになる予定との事だ。
詳細は告げられなかったが、その話が出たという事は確実に上がると思う。
王城で働く人の給料は基本給+報酬+特別報酬で支給される。
メイドだと基本給のみとすごく稀に特別報酬が出るだけだ。
どれぐらい上がるのかは分からないが研究所の職員は給料が高いと聞くので楽しみだ。
来週には試験内容の発表もあるし、その後に金額が決まると予想する。
すぐには試験に受からないかもしれないが、今日から練習を頑張ろう。
◇余談◇
メイドの給料は年数や役職で変わるがほとんど基本給のみ。メイド長になれば役職手当として報酬が付く。
軍部は基本給+報酬となり報酬には危険手当などが含まれる。
研究所も基本給のみの事が多いが成果を出すと莫大な特別報酬が支払われる。所長は役職手当として報酬付き。
きららときりこは基本給は無く、常に報酬のみが支払われている。




