33 一家に1匹のスライム
急に始まるスライムとの同居生活。
きりこが申し訳なさそうに帰宅し、現実を突き付けられている。
来週異世界に行った時に箱の形を変えられないか相談してみる事になったが、ひとまず1週間はうちで様子をみる事になった…。
一応魔力補給の為に木箱に薬草と魔石を少し与えたほうが良いらしくそれはきりこから預かったので1日1回あげれば良いみたいだ。
万が一弱ったときはポーションをかけるらしくそれも渡された。
そして乾燥対策の水やりがこまめに必要らしいが、仕事をしているので難しい。
丁度年末年始で今日から5日間は休みなので3日まではお世話が出来るが4日からは仕事が忙しく日中に家に帰れないため、きりこに合鍵を渡す事にした。
仕事の合間に抜け出して水やりに来る事に。
きりこはオーナー店長なのでそれが出来る。
いや出来てしまうからスライムを飼おうとなってしまったんだ。
はあー。
とりあえず水やりもしないといけないし、一緒にシャワーを浴びるか。
何でも食べるとの事なのでシャンプー等の風呂場に置いてあるものを出し、風呂場に何もない状態にした。
とりあえず浴槽に入れ、自分を洗っていくが思っているよりもスライムが活発でポヨンポヨンと跳ねながら移動している。
チラッと見ると泡をくっつけたスライムがポヨポヨと跳ねていて、なんとなく可愛く思えてしまった。
全身を洗い終え、スライムにもシャワーを当て、着替える為にスライムを残し風呂場を出る。
頭にバスタオルでターバンを巻き顔にパックを貼ってスライムを箱に戻そうと風呂のドアを開けるといつもより壁が白い気がした。気のせいかな?
スライムを箱に戻し、排水溝の掃除をしようとしたら排水溝に髪の毛1本も無い。
ロングヘアーの髪の毛が1本も無いことなんてありえない。
…。
もしやスライムが食べたのか?
あ!
きりことタイミングが合わず自分で髪を染めた時に床にカラー剤がついて、洗っても落ちずシミになっていたのも無くなっている!
何でも食べる…。汚れも食べるのか!
スライムはお掃除が出来る魔物だったのか。
確かに一家に1匹居たら便利かも。
…換気扇も掃除して欲しいけど、キレイになるかな?
明日試してみよう。丁度大晦日の大掃除だしね。
翌朝、7時に起床。
毎年大晦日は目覚ましもセットせず起きたら朝(昼)なんだけど、今日はスライムちゃんと大掃除なので気合いを入れての起床だ。
特にキッチン回りをキレイにするつもり。
今までは料理もほとんどせず汚れもあまり無かったが、マジックバッグをゲットして料理にハマったので、換気扇やコンロが汚れている。
何でも食べるらしいのでバラした換気扇ごと食べられてしまうと困るので、まずはバラさずに両手でスライムちゃんを持って汚れに当ててみることに。
当てているとシュワシュワと音がし半透明のスライムちゃんから空気が出ているのが見える。
あまり長く当てても換気扇ごと食べられてしまうかもなので、当てたり離したりを繰り返す。
短時間だといい感じにこびりついた汚れだけを食べている。
こんなに換気扇って白かったんだ…。
汚れが蓄積され黄ばんでいた様でその汚れが取れた部分は新品の様にピカピカだ。
スラちゃんのおかげで大きな汚れが取れたのでバラして自分で洗ったが、自分で洗った所はやはり黄ばみが残り、まだらになってしまった。
そうだよね…。
黄ばみが残ってしまったところにスラちゃんを当てたいが、うっかり食べられたら困るのでまだらになっているのを無視する事に。
意思疎通が取れて指示が出来ればいいのにな…。
シンクは表面をスーちゃんでゆっくりなぞり、水垢汚れも落ちピカピカになった。
コンロも同じ様にしてピカピカだ。
バラせる部分は自分で洗ったが黒いコンロなので換気扇の様にまだらにはならず一安心だ。
キッチンの掃除が終わり、次は部屋の壁全体をスーちゃんで当ててみよう。
これはキッチンの掃除よりも大変だった。
天井や高い位置は両手でスーちゃんを掲げているので二の腕が痛い。
筋肉痛確定だと思われる。
しかし壁や天井はキレイになり部屋全体が明るく感じ大満足だ。
床も同じ様にしたが、今度は中腰だった為腰が痛い。
それと床はスーちゃんでの掃除は微妙だった。
凄くキレイになったがキレイになりすぎて、ワックス塗りたての様に滑る様になってしまった。
そこまでキレイにならなくても良かったかな。
後は絨毯のシミ抜きに大活躍した。
ワインを零したり、醤油がハネたシミ。
買い換えればいいやと見て見ぬふりをしていたがそれもキレイに落とすことが出来た。
いやマジで、一家に1匹スライム必要だと思う。
この子がどうなるかは分からないが、うちで引き取りたいよね。
もう愛着も湧いちゃっているし。
きりこがスライムを諦めないようなら新しい子にしてもらわなきゃ。
スーちゃんはもううちのコ!
これは決定事項である!!
きりこに相談しなきゃだ。




