20 帰宅
手を繋ぎ自宅へと帰る。
「あははは! マジだったわ!」
きりこが壊れたように大爆笑。
営業モードからこちらに帰ってきて気が抜けたのかもしれない。
ひとまず荷物を置き、まだ笑っているきりこを放置し、多分食べていくだろう夕飯を準備しておこうと思う。
マジックバッグのおかげで食事の予備は沢山ある。
お金の事を考えて鍋やフライパンや食器はまだ買えず後回しとなっているが、自宅にあった鍋に作り置きはしてある。
それらの中から1番沢山あったカレーが入っている鍋といつでも炊き立て状態のお釜を取り出し、よそうだけでカレーライスの準備OK。
そして30歳になり健康を意識しだしたので切った野菜を入れているボウルを取り出し、これまたよそうだけでサラダも準備OK。
時間停止機能もあるおかげで、賞味期限を気にしなくて良くなり一人暮らしでも余ることが無くなったドレッシングは複数の種類を用意している。
それらを並べて、飲み物を準備したら夕食の準備は終わり。
さて、笑い終わったと思ったら立ち尽くしている彼女の目の前で手を振り声もかけ、正気に戻そう。
「おーい! 落ち着いた? 大丈夫そう?」
「っは! 大丈夫! さっきのことが現実だったと思ったらテンション上がりすぎちゃって!」
テヘへと笑うきりこに席に着いてもらう。
そして夕飯を食べながらどんな打ち合わせだったのかや今後について聞くことに。
聞いてみると、まずきりこは転移する為の波長が合わないらしくきりこ1人での召喚は出来ない様で、私に触れていないとあちらの世界には行けないそうだ。
その為行くのは私と同じ月曜日になったそう。
打ち合わせではまず仕事で使う機材等を持って行って試す事になったらしい。
シャンプー台は工事も出来ないし向こうで使えるかが分からず、ディーラーさんに問い合わせて購入では無くレンタルを出来ないか相談し、出来るようならマジックバッグに入れて持って行くそう。
ドライヤーは店で使っているものを持って行って、使えるかの確認をするそうだ。
セット面は置くだけだから1つ新しく買って持って行くだけでOKだそう。
一応シャンプーもドライヤーも使えない場合に備えて、代用出来そうな魔法も相談してきたそうだ。
ドライヤー代わりの風魔法、シャンプー代わりの水魔法等なんとかなりそうではあるらしい。
ただ、美容師の仕事を魔法ありきでやった事はもちろん無いので、次回行く時は問題ないかの確認をする事が目的となるらしい。
練習モデルさんもメイドさんから出してくれるらしく、カットやカラーを一通りやるみたいだ。
パーマに関してはその技術の事は言っていないらしく、やるとしてもカットやカラーの後にするつもりの様だ。
ヘアセットをする為のアイロンやコテ等は使えるかどうか試してからだそう。無理そうだったら風魔法で乾かすだけになりそうとの事。
そんな感じで決まったらしいが次回に関しては準備が間に合うか分からないらしく、間に合えば来週で間に合わなかったら再来週に行く事になっているそうだ。
現実世界と異世界での連絡を取り合う事が出来ない為曖昧な約束となっている。
そしてきりこは前に異世界に行くか聞いた後、常に月曜日を休みにしたらしくスケジュールは空けてあるそうだ。行く気満々である。
報酬については、私と同じく日給となる予定らしいが、金額は下がるとの事だ。
一応ネイルは魔力アップに繋がっているため研究も込みの高額だがヘアは美容目的なのでそんなに高く無いかもしれないとの事だそう。
ただ興味を持ったのが王族になるのでそれなりに支給されるかもしれないが、現状は細かい金額などは決まっていないそう。
ちなみに私同様に貰ったお金をその場で物に変えるのもOKだそう。
準備費用に関してはしっかりと出るらしく、掛かった費用を報告し貰うことになっているそうだ。
また機材が大きいことから複数入れても余裕があるように木箱50箱分の大容量のマジックバッグを前払い金代わりとして貰ったそうだ。ここでは必要なさそうだが時間停止機能付きをくれたそう。
きりこ的にはお金よりも異世界に行けることが重要らしく凄く楽しみにしているみたい。
打ち合わせや今後の事をある程度聞き、次の日も普通に仕事なので夕飯を食べすぐに解散となった。




