16 密談。いや食事会。
『緊急! 時間があったらすぐに連絡ちょうだい!!』
震える手で購入を確定した後すぐに友達にメッセージを送る。
開業以来の高額購入にドキドキソワソワ。
居ても立ってもいられない状態に。
少しでも時間があると返信が無いかの確認をしてしまう。
その状態でも次のお客様の元へ行き、忘れるようにネイルの施術をする。
お互いに仕事が忙しい為連絡がついたのは夜だった。
異世界話をする時は私の自宅と言うのが定番になり今日も友達がやって来る。
徒歩5分ぐらいの近場に住んでいて良かった…!
そのせいで割と良く呼び出される友達。
そしてすぐに友達がやって来る。
中へ案内し、夕食を並べ早速本題へ。
講習をするにあたって材料費がかかりそれの最低限の金額が100万円だったと言うこと、今は貯金を切り崩すが今後も現実世界でのお金が手に入らない場合いつか詰むという事を話し、異世界硬貨を現金化しないといけなくなった事を相談する。
「やっぱりそうだよね。売上が無い以上材料費分はマイナスになるしね…。今必要なら少しは貸せるけど…」
「ありがとう。借りるほどではないから大丈夫なんだけど、このままだといずれ無くなるし、そこまでして異世界に行かなくてもっていう感じだし…」
「いや、後々の事を考えたら現金化はした方が良いけど、異世界なんて普通の人が経験できないことをお金の事で手放すのは勿体ないよ!」
「そうだよね…」
そして話し合い、貴金属の買取は万が一違う成分だったりが出た場合困るし、ネットオークション等も同じ理由で無しとなり、いっそ国に言うのはどうかと言う話になった。
「…相談できる政治家は居ないの…?」
「…。ここだけの話、居るよ…」
「その人は信用できる人?」
「どうだろう。付き合いで言うと1年ちょっとぐらいの人。でも仲良くはさせて貰っているかな? そういえば、ポーション美容液の変化に気付いた人ですっごく食いつかれたからポーションからの異世界の話は出来そうかも」
話し合った結果、その政治家に打ち明ける事となった。
どうなるかは分からないが、監禁拘束される事は無いだろうし、殺されることも無いと信じる事にした。
翌朝早急に政治家に連絡を入れることに。
『先日はありがとうございました。その時に顔のマッサージの話をしましたが、本当はちょっと秘密の美容液でして、興味があればプレゼント出来ますがいかがでしょうか?』
いきなり異世界の事は言えず美容液ポーションの事から連絡を入れた。
するとすぐに返信があり、夜に会うこととなった。
仕事も終わらせた夜9時。
待ち合わせの会員制のバーへと向かう。もちろん私が会員では無い。同行者側だ。
個室を予約しているという事だったので、その政治家の名前と自分の名前を伝えると確認が取れたようで案内された。
個室で待っていると彼女が案内され、挨拶そこそこに本題へ。
「ちょっと! この間会った時より若返ってない? その秘密を教えてくれるんでしょう?」
テレビでは真面目な方だがプライベートでは軽い感じの女性だ。
「こちらなのですが…」
そう言いながらまずはポーションを出す。
まじまじと見つめられるポーション。
「これ…何も表記ないけど…違法なもの?」
「化粧品登録されていないという意味ならそうなるのかもしれませんが、別世界の物だった場合は…?」
「別世界? 他の国って事?」
「いや、絶対地球上に存在しない国。つまり異世界です」
「ちょ、ちょっと待って! 落ち着かせて」
深呼吸をする彼女を待ち、落ち着いたかは分からないが目が合ったので説明を続ける。
全ては話さないが異世界から予約が入り行く事になった事とその報酬に金貨やポーションを貰ったことを伝えた。
また、自分の意思ではその世界に行けないことも。
そして金貨を数枚出しながらこの金貨を現金化したい事も相談する。
「分かった。まずはこのポーションを試して効果を見るのと、極秘で研究所にポーションや硬貨の成分を調べて貰う。話はそれからになるけれど、何か分かったらすぐに連絡入れるわ。政治家の協力してくれそうな人もこっちで探しておくわね! …ちなみに数本貰えないかしら?」
そっと5本カバンの中に隠しているマジックバッグから取り出しテーブルに置く。
受け取られると、そっと封筒を渡され、つい厚みにギョッとしていると「これは買った訳ではなくいつもありがとうのチップだからそのまま仕舞って頂戴」とにっこりされ、そっと仕舞う。
美容液ポーションの使い方も説明し、前回会った時が私がポーションをつけ始めて3日目だった事を伝え、約1週間使うとご覧の通りの−10歳肌になる事を伝えた。
また1週間以降は目に見えた変化は無いことも伝える。
付け始めた時はバレないように数日で辞めようと思っていたが、どんどん見た目が若返る事に止められなくなった事も注意点として伝えた。
美に対しての追求心なのかポーションに対しての依存心なのかは分からない事も。
和やかに密談、いや食事会が終わった。




