11 ポーションは美容液
ポーションを顔に塗り始めて3日。
遂に出張ネイルのお客様に気付かれた。
「なんか若返った? お肌がツヤツヤじゃないの。何かいい美容液でも見つけた? それともエステかしら?」
「最近顔のマッサージしているからですかね?」
誤魔化すしかなく焦る。
美容液って言ったらどこのメーカー? ってなるだろうし、エステって言ったらどこのサロン? ってなりそうでとりあえず自分でマッサージという事にしたけれど、大丈夫かな…?
確かにちょっとシミや小ジワが減った様な気がしたが、誰かに気付かれる程では無いと思っていた。
もう数日使ったらたまに使う程度にした方が良いのかな…?
ポーションを顔に塗り始めて5日目の土曜日の夕方。
今日の出張ネイルの仕事はいつもより早い終わりの16時まで。
明日は推しのイベントがある為、異世界物を読む友達に髪を染めてもらいに行くからだ。そうその友達は美容師だ。
その友達は自分で美容室の経営もしているオーナー兼店長だ。
予約時間に店に行くと、目が合い駆け寄ってきて両肩を掴まれた。
「どうしたの? 何したの? 整形? 10歳は若返ってない!?」
毎日顔を見ていたので自分では気付かなかったが、それぐらいの変化があったみたいだ。
「…夜に説明するよ…」
友達は凄く気になっていたようだが、それを伝えると察してくれたようで、私の髪を染めるという仕事をしてくれた。
そして施術が終わる。
いつも友達に髪をやってもらう日はその後ご飯を食べに行くが、今日は周りに聞かれたらまずい話なので私の家に行く事に。
着いて早々、友達に先程のテンションで何したの!? と聞かれたがまずは夕飯を作ってから落ち着いて話そうと伝えキッチンに行く。
今日は簡単な夕飯にしようと思いマジックバッグから牛肉っぽい物を取り出す。
それを塩コショウで焼き、ステーキの完成。
付け合せはじゃがバターにしようと思い、マジックバッグからカラフルなじゃがいもを取り出して、レンジで簡単じゃがバターの完成だ。バターは日本産を使用。
そして最後に赤ワインを出すだけだ。これはイタリア産。
料理を運びテーブルに置く。
「このカラフルなの何!?」
「じゃがバターだよ。美味しいよ?」
「そうじゃなくて!! せ、つ、め、い!!」
全くヤレヤレのリアクションをしたらゴツンと殴られた。
「痛い!!」
マジックバッグからポーションを出し、コインサイズぐらいにタラリと手のひらにポーションを出し殴られたおでこにポーションを塗る。…ドヤ顔で。
「え? え? えええええぇぇぇぇえ!」
「ふう。無事に治ったわ!」
「いやいや、ケガするほどの力で叩いていないでしょ! そんな茶番はいいから説明してよ!」
全くもう。せっかちなんだから。
しょうがないので説明をする事に。
現物支給で食材やポーションとマジックバッグに交換して貰った事やポーションの効果等を説明する。
そしてお土産として木箱10箱分の大きさで時間停止の無いマジックバッグとポーションを2本あげる。
「ええええ! いいの? 流石に代金払うよ!」
「それはお土産だから貰ってよ! 次は販売にするからさ」
「あ、ありがとう。次の誕生日プレゼントは期待してて!」
無事にお土産として受け取って貰えた。
そしてポーションの効果がヤバすぎて、どう誤魔化すかについての相談だ。
2人で考えるが良い案が無い。
見た目が10歳程若返り、シミもシワもクマも無くたるみの無いプルンとした若々しい肌。
これを誤魔化す方法…。
真剣に話し合った結果、田舎のばあちゃん特製の化粧水を貰い使ったという事にした。
化粧水は自作した物を自分で使う分には問題なく、販売は許可が必要なので身内が作ったものを使うのは問題は無い。
しかし販売は許可が無いから出来ないとすれば問題無いんじゃないかと。
それで誤魔化す事に決定した。
そして日曜日。
お肌も見た目も完璧なコンディションで推しのイベントへ。
推しのメンバーカラーの赤色を毛先に入れた茶色から赤になるようなグラデーションの髪型。
イベントはもちろん最高で終わった。
翌日月曜日その赤く染めた髪型のままハーフムーン王国への出張ネイルだ。




