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第25章 砕かれる仮面


 銃撃戦の余韻がまだ残るバーの薄暗い室内で、藤森は血に染まった手をじっと見つめていた。拳に込められた痛みが、彼の心の葛藤を映し出しているかのようだった。

 真希は隣で無言で傷の手当てをしながらも、冷静さを失わなかった。彼女の目は先を見据え、決して揺らぐことはなかった。


 「奴らは一体、何者なんだ?」藤森が低く呟く。

 「ただのヤクザではない。政治家、医療界、裏社会の連携だ。表も裏も混ざり合い、巨大な組織を形成している」


 真希の言葉は重く、部屋の空気を締めつけた。彼らは今まで見えなかったものを目の当たりにしていた。


 数日後、警察の特別捜査室では、新たな動きがあった。真希が独自に解析した通信データから、裏社会の首領がついに浮かび上がってきたのだ。


 「ついに、仮面が剥がれる時が来た」真希は資料を机に叩きつけた。

 「この男が全てを操っている。名前は……神崎」


 神崎は表向きは有力な実業家だが、その背後で闇の巨大組織を掌握している。彼の冷酷な手腕は、数々の事件の黒幕として疑われていた。


 その頃、藤森は密かに神崎の動向を探るため、情報屋と接触していた。

 「神崎の正体は巧妙だ。影から手を伸ばし、誰もその実態を掴めない」情報屋は低い声で語る。


 藤森は拳を握り締めた。

 「必ず暴いてやる」


 一方、真希は裏社会に潜入した際に知り合った元ヤクザの協力者から、神崎の計画の一端を知らされていた。

 「奴は人体改変の研究を国家レベルで進めている。被験者は障害者や社会的弱者だ」


 真希の顔には怒りと悲しみが交錯していた。

 「犠牲者は増え続けている。止めなければ……」


 二人は再び手を取り合い、今度こそ全ての闇を暴く決意を固めていた。

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