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1分で読める物語

函館

作者: ゆい

1分で読める物語

1話完結

毎週土日更新


第25話「函館」

かなりアグレッシブな立ち直り方

失恋には ひとり旅

先人達は そう言った


11月に破局だなんて

もはや怖いものなど 

何もない


すっかり気楽な ひとり身で

果てさて 何処へ行こうかな


リゾートパークは

どうかしら?


いやいや

ひとりで行って どうするの

ますます心が ささくれそう


静かな温泉旅館は

どうだろう?


いやいや

思考時間が ありすぎて

精神的に 詰んでしまう


失恋の痛手から

手っ取り早く 

立ち直るには

 

よく食べ 

よく寝て 

よく歩く


そうだ 

美味しいものを食べに行こう

函館行こう

海鮮食べよう


いつか行こうね 

シーツの上 指を絡めて

交わした約束 思い出す


ついでに

怒りも思い出す

ひとりで満喫してやるんだから


いざ 函館の地へ

北の大地を

これでもかと踏みしめる


目についた 食堂突撃

カフェに露店 

ホテルのビュッフェ


どこも美味しくご満悦


そうだ

五稜郭にも行ってみよう

そのままトコトコ 

歩き続ける


すぐ横で 市電が並走

どうして私は 

歩いているのか


五稜郭

あり得ない距離

足跡残す


謎の達成感に 包まれながら

お膝ガクガク 帰りは市電


その日の夜

部屋に帰ってからの

記憶がなかった


2泊3日のひとり旅

何だかスッキリ 

空気も美味しい


単純な 自分の性格

大好きだ


次の恋にはまだ遠く

だけどきっと大丈夫


夜のフライト

星と見紛う 夜景を見下ろす


元気をいっぱい 

ありがとう

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― 新着の感想 ―
前向きですね!かなり嫌な事があって結構落ち込んでたのですが、ちょっと元気になりました。 見習わねば。ありがとうございました。 そうですね。良く食べて飲んで動いて寝れば大抵吹っ切れますよね。
2024/12/01 18:48 みーちゃん
前書きに惹き込まれ、冒頭から印象的です。 食堂突撃や、並走する市電に向けた一言も、実感がとても伝わってきました。 函館の夜景、綺麗ですよね。飛行機の窓から見る、星空のような夜の街並みが、瞼に浮かんで…
主人公が素敵ですね。  本人が「単純な 自分の性格 大好きだ」と言ってるとこが特に私も好きです。  ありがとうございました。
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