神は差別しない
魔力を持たぬ者も、ありとあらゆる生き物にも。
愛を持って接してくださる。
「お見合いの場で知り合いになられたって事ですか...。ミュージーさんとマイン様の御知人がお見合いされていたのかしら? 」。
セブンスが怪訝そうな表情を浮かべながら続けてそう問いかけると、ミュージーは首を横に振りながら話を続けた。
「いえ、僕とマイン様のお見合いがこの間あったんですよ」。
「え...? 」。
ミュージーの言葉を聞いたブリッジは驚いた表情を浮かべて絶句した。
「ミュージーさんとマイン様がお見合いを...? 」。
セブンスも驚いた様子でそう聞き返すと、ミュージーとマインは恥ずかしそうに小さく頷いた。
「ええ、そうなんです。いやぁ~、参りましたよぉ~。ははは...」。
ミュージーは苦笑したまま自身の頭を掻いた。
「...」。
ブリッジはやや暗い表情を浮かべて黙ったままその場でうつむいていた。
「まぁ、ミュージーさんも身を固める時期が来たのね...」。
セブンスが神妙な表情を浮かべながら感慨深げにそう言うと、ミュージーは慌てた様子で首を横に振った。
「いえいえっ! お見合いは上司に頼まれていた事で僕は...」。
「ちょっと今日は疲れたので、やっぱり部屋に戻って休みま~す! それじゃあね~! ミュージーとマインさんっ! 」。
ブリッジはミュージーの言葉を遮りつつ二人にそう別れを告げると、すぐさまその場から駆け出していった。
「あ、サインと握手してもらおうと思ったのに...」。
マインは残念そうな様子で小さくなっていくブリッジの背中を見送った。
「...何だ? アイツ? 」。
そして、ミュージーは怪訝そうな表情を浮かべて小首を傾げた。
「本当に、ミュージーさんったら...」。
ミュージーのそんな様子を見て、セブンスは半ば呆れ気味に肩をすくめて溜息をついた。




