魔力に信念を込めよ
魔力は貴方に応じて魔法として新たな力に変化し、人生を助けてくれるであろう。
ミュージーとマインは墓地内のベンチに腰かけていた。
「ヒック...グスッ...」。
マインは嗚咽を漏らしながらハンカチで自身の顔に滴っている涙を拭っていた。
「マ、マイン御嬢様...。だ、大丈夫ですか? 」。
「はい、すいません...。取り乱してしまって...大丈夫です」。
マインは涙を拭いながらミュージに頭を下げた。
「な、何か飲み物でも...」。
ミュージがそう言うと、マインは慌てて手を横に振った。
「い、いえっ! 大丈夫ですっ! 御構いなくっ! 」。
「そ、そうですか...」。
「...」。
「...」。
そして、二人の間にしばらく沈黙が流れた。
「...」。
「...」。
墓地の周囲は風のそよぐ音と小鳥のさえずりだけが聞こえていた。
「...」。
「...王国の平和を護るという思いに偽りはありません」。
「...! 」。
ミュージが話を切り出すと、マインは黙ったまま耳を傾けていた。
「僕の父も母も、生まれて早くに亡くなってしまったので思い出はありませんが、二人共王国のために戦った一兵士として一軍人として心から尊敬しています。そして、僕は決して諸国への敵討ちのために軍人なったわけでありません。そうですね、言語化するのは難しいですけど...両親が王国兵士として歩んできた道に大切な事を置いてきてくれた。そんな気がするんです」。
「大切な...事」。
マインが神妙な表情を浮かべてそう呟くと、ミュージは照れ臭そうに人差し指で自身の鼻頭を擦った。
「すいません、なんかあやふやな言葉で...。でも、僕は信じているんですよ。その大切な事も、何時かきっと父と母が教えてくれるって」。
「...」。
マインは神妙な面持ちまま、真っ直ぐな瞳で空を見上げるミュージーの横顔をじっと見つめていた。




