貴方の命は天に還る
そして、神によってまた復活を遂げるのだ。
「あの...」。
「あ、あのっ! 」。
沈黙が流れていた時、ミュージーとマインは同時に話を切り出した。
「あっ! いや、どうぞ」。
「いえいえっ! どうぞっ! 」。
「いえいえ! どうぞ! 」。
「いえいえ、そんな...」。
そして、二人の間に譲り合いが始まり、自分から話しかけるタイミングをすっかり失ってしまった両者は再び黙り込んでしまった。
「...」。
「...」。
「あ、いや...聖堂内での活動はいかがですか? 」。
ミュージーは気まずそうな表情を浮かべつつも、マインにそう話を切り出した。
「え、ええ...。教団の皆様も非常に御優しくて施設の子供達も良い子達ですし、実家にいる時よりもゆったりとできるような場所だと思っています」。
「ははは、御実家よりもですか~。たしかに、ここは環境的にものほほんとしてますからね~。伸び伸びとして過ごすには持ってこいの場所ですからね~。んん~! 」。
ミュージーはそう言いながらベンチから立ち上がって背伸びをした。
「私、このユズポン大聖堂が好きなんです。みんな温かい人達ばかりで、ここへ来て手伝いをさせていただく事が楽しくてしょうがないんです」。
「マイン御嬢様にそうおっしゃっていただけて光栄です。親も実家も無い僕にとってはここが実家みたいなもんですからね」。
「...」。
神妙な表情をしたマインは笑みを浮かべながら施設を眺めるミュージーを横から見つめ、ゆっくりと口を開いた。
「あの、ミュージーさん。一つ御聞きしてよろしいですか? 」。
「はい、どうぞ」。
ミュージーはマインの方に向き直ってそう答えた。
「どうして軍人の道に進まれたのですか? 」。
「...」。
マインの問いに、ミュージーも神妙な表情を浮かべて空を見上げた。




