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魔力は神の愛の中に~白い螺旋階段、紫の回廊~  作者: 田宮 謙二


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30/61

怒りは自身を滅ぼす


怒りは魔力を多く消費し、いずれは身を滅ぼす。


怒りの連鎖は自身だけでなく、他人を不幸に陥れる事となる。




日が沈んだ夜のポンズ王国、ミュージーとシアターを乗せた馬車は街中にある高層ホテルの前に停車した。


「コメズ市のホテル、メトロポリタン=コメズに着きました。会場は三十三階にあるレストラン”ウィナーズ”です。仲人(なこうど)の方は既に到着されています」。


シアターがミュージーと馬車から降りながらそう説明をしていた時、ホテルの入り口から軍服を着用している一人の男が武装している兵士達を引き連れて姿を現した。


「...! カノー団長! 」。


「はっはっは~! 御機嫌よう~! 今を時めく期待の王国兵士、ミュージ=フェルナンデス少尉~! 」。


カノー団長は高笑いをしながらミュージーの方に歩み寄った。


「君のお見合いの世話人はこの私! ポンズ王国が誇る騎士団“AT05”の指揮を執る第四代目サクラダ子爵カノー=サンジンジャ三九世さ! 」。


「お見合いの仲人を務められるのはカノー団長でしたか...」。


「うむ、話は大方パルス長官から聞いているよ~。まぁ、巻き込まれた君も災難だね~」。


「は、はぁ...」。


「長官は今まで代役を立てたりしてお見合いを回避していたのは、我々の間でも結構有名な話だったのだが...。今回のお見合い相手はトミー=クッキン議長の御令嬢だから、さすがに長官はもう観念するだろうと思ったんだけど...。そんな時、君は長官と出会ってしまったというわけさ。まぁ、お見合いといっても貴族の間ではコンパとかちょっとしたカジュアルな交流会みたいなもんさ。最近のお見合いなんて付き添いは両親じゃなくて友人なのが主流さ。今日だって相手側の付添人は彼女が通っている大学の友人で、両親は同席しないからね~。だから、そんな身構える必要は無いさ~」。


「は、はぁ...。しかし、お見合い相手が急遽変わるっていうのは大丈夫なんですかね~? 」。


「それも問題無いさ~。先程も言ったがお見合いといっても、貴族や上流階級の人間にとっては付添人や他者を介した異性との食事会のようなものだ。もし、相手側が本気だったら自分の館へディナーに誘っているはずさ~。それに、初対面だしお見合い相手が変わったって、相手側はそんなに深くは考えてないはずだよ。まぁ、君は普段から王城内でずっと勤務しているわけだし、たまにはレディと食事や会話を楽しんでリフレッシュしたまえ~」。


「は、はぁ...」。


「それでは、こんなとこでずっと立ち話をしているのもなんだしそろそろ向かおうではないか~」。


「は、はい...」。


ミュージーは気乗りしない様子ではあったものの、カノー団長や他の人間達と共にお見合い会場のレストランへ足を運ぶのであった。




編集後記


挿絵(By みてみん)


毎度、御愛読ありがとうございます。


作者の田宮謙二です。


またまた暇つぶしに書いた鉛筆画(というか落書き)が出てきました。


挿絵(By みてみん)


見て御分かりの通り、大仏ですね~。


田宮 謙二



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