表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/61

神は貴方の味方だ


人生とは常に戦いの連続である。


私達は悪,時代,自分自身と一日中戦い続けなければいけない。


そして、神は常に我々のために寄り添っている。


神はいつまでも我々の味方である。




聖堂内にある食堂には既に複数の修道女達が席に着いていた。


「あっ! ブリッジちゃんっ! 」。


ブリッジが食堂に姿を現すと数人の修道女達が歩み寄ってきた。


「おはよ~! みんな~! ごめんね~! 」。


ブリッジは申し訳なさそうな様子で修道女達に両手を合わせた。


「しょうがないよ~! 昨日は夜遅くまで演劇の稽古だったんだし、お休みの日もずっと無かったでしょう? 一応、お部屋まで行って声は掛けたんだけど、無理矢理起こしちゃうのもなんか可哀想だったから...」。


「ブリッジちゃん、今日は休んだら? 無理しちゃうと倒れちゃうよ? 」。


「そうだよ~! 心配だよ~! 」。


修道女達は先程のセブンスと同様に、心配そうな表情を浮かべてブリッジにそう言った。


「ありがと~! でも大丈夫だよ~! 久々にぐっすり眠れたから! 」。


「...それでしっかり寝坊もしたと」。


皆の前で気丈に振る舞っているブリッジに対し、遅れて食堂内に入ってきたミュージーは微笑を浮かべながらそう横槍を入れた。


「...」。


ブリッジは頬を膨らませながらしかめっ面でミュージーを睨み付けた。


「あっ! ミュージーさんっ! 」。


「キャ~! ミュージーさんよ~! 」。


「ミュージーさぁ~ん! 」。


ミュージーが姿を現すと席に着いていた他の修道女達も立ち上がり、目を輝かせながら歩み寄ってきた。


「やぁ、おはよう」。


ミュージーは笑みを浮かべながら修道女達に挨拶をした。


「おはようございま~す! 」。


「ミュージーさんっ! 今日もかっこいいですねっ! 」。


「ホント、背が高くて凛々しいわ~! 」。


「こらこらっ! 皆さんっ! はしたないですよぉ~! 」。


セブンスは苦笑交じりで修道女達にそうたしなめた。


「はっはっは~! 何やら賑やかですな~! 」。


アングリー神官長は満面の笑みを浮かべてそう言いながら食堂に姿を現した。


「あっ! アングリー神官長っ! 」。


修道女達はアングリー神官長の姿を確認すると、慌てながらもその場で姿勢を正しくした。


「ほっほっほ~! おはようございます、皆さん。今日も元気そうで何よりですな~」。


「お、おはようございます...」。


先程まではしゃいでいた修道女達は、恥ずかしそうにうつむきながらアングリー神官長に挨拶を返した。


「さぁ、皆さん。席に着きましょう。配膳の方がそろそろ食事を運んできますわ」。


セブンスがそう促すと、修道女達は続々と席についた。


「ミュージーさんも久々に私達と朝食はいかがですかな? 」。


アングリー神官長がそう食事を勧めると、ミュージーは苦笑いをしながら人差し指でポリポリと自身の頬を掻いた。


「あ、いや...。僕は城へ戻らなくてはいけないので、この辺で失礼します」。


「そうですか、兵士としての御仕事は大変だと思いますが御自愛くださいね」。


「ありがとうございます」。


「えぇ~!? ミュージーさん御一緒に食事しましょうよぉ~! 」。


「ミュージーさぁ~ん! 」。


「はははっ! すまないね、みんな。また今度ね」。


ミュージーは修道女達に微笑みながらそう言い残して食堂から出ていった。


「はぁ~! 今日はミュージーさんに会えて幸せな日だわぁ~! 」。


「ミュージーさん優しいしかっこいいし、背が高くて素敵よねぇ~! 」。


「王様直属である特殊治安部隊として活躍している優秀な兵士様ですもの~! 噂では騎士団の方へ転勤されるみたいですわよ~? 」。


「ホントォ~? 馬族魔獣に乗馬していらっしゃるミュージーさんを御目にかかりたいわぁ~! 」。


「...」。


嬉々とした様子でそう話していた修道女達を余所に、ブリッジはミュージーが去っていた食堂の出入口を神妙な面持ちで見つめていた。






編集後記


挿絵(By みてみん)


毎度、御愛読ありがとうございます。


作者の田宮謙二です。


今作や過去作の感想も歓迎しております。


よろしかったらご感想、御意見いただけると幸いです。


今後の創作への励みとなりますので、是非よろしくお願いします。



田宮 謙二


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ