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魔力は神の愛の中に~白い螺旋階段、紫の回廊~  作者: 田宮 謙二


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20/61

止まない雨は無い


どんなに長くとも。


どんなに強く降り注ごうとも。


雨は止む。


貴方の心の雨も止み、そこに光が降り注ぐ。


その時は必ず来る。




サカモト教官の研究室を出たミュージーは、浮かない顔で通路を歩きながら深い溜め息をついていた。


「今回の試験、こうなる事は見直して分かってはいたんだけど…。実際に結果を目の当たりにすると、結構ショックだな…。まぁ、特級魔術師の認定試験はそんな甘くないよな」。


ミュージーがそう呟きながら背中を丸めて歩いていると…。


「ミュージー少尉っ! 」。


何者かに声をかけられたミュージーが後ろを振り向くと、スプリングという研究室にいた若い女性が追いかけてきた。


挿絵(By みてみん)


「ああ、スプリングさん。サカモト教官への用事は済んだのかい? 」。


「ええ、私も模擬結果の報告を聞きに来ただけだったから…」。


「そうか…」。


「ところで、ミュージー少尉はこの後は王城へ戻られるのかしら? 」。


「あ〜、そうだね。王城へ戻って夕食済ませて、それで部隊の方へ戻るって感じだね」。


「あら、じゃあ夕食はまだなのね? 」。


「うん、まだ食べてないんだ。もう、お腹ぺこぺこでね〜」。


苦笑しながら腹を摩るミュージーの様子を見たスプリングは、微笑を浮かべながら片眉を吊り上げて口をすぼめた。


「ふ〜ん、そうなんだ。実は私もまだ食べてないのよ」。


「え? そうなのかい? 」。


ミュージーがそう問いかけると、スプリングはゆっくりと頷きながら満面の笑みを浮かべた。


「ええ、もし宜しかったら、一緒に食事をしながら今回の模擬試験の見直しをしない? 」。


「え? 良いのかい? スプリングさんも研究とかで忙しいんじゃないのかい? 」。


「ううん、私の方はひと段落着いたから…。ミュージー少尉がもし…宜しかったら」。


スプリングの言葉を聞くと、ミュージーの表情が一気に明るくなった。


「本当かいっ!? 是非、宜しく頼むよ! 」。


「え、ええ…」。


ミュージーの嬉々とした表情を見たスプリングは、自身の頬を赤く染めながら口ごもりつつもそう答えた。





編集後記


挿絵(By みてみん)


毎度、御愛読ありがとうございます。


作者の田宮謙二です。


最近私は体調崩し気味ですが、皆様は大丈夫でしょうか?


まさか、コンディションに気を付けると言っておきながら、その後体調を崩すとは思いませんでした。


何か、本末転倒というか…因果応報というべきか…。



田宮 謙二






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