この幸せと苦しみは神によるものである
ポンズ神は時に幸せを、時に痛みを民に捧げる。
この苦楽は神による愛である。
そして、その痛みで民を殺す事は無い。
「あっ! アングリー神官長! 」。
ミュージー達が礼拝堂を出た時、廊下から一人の修道女が近づいてきた。
「ああ、セブンス主任。おはようございます」。
「おはようございま~す! 」。
主任のセブンスは朗らかな笑顔でアングリー神官長と挨拶を交わすと、含み笑いをしながらブリッジに視線を向けた。
「ブリッジちゃんもおはよ~! 昨日は遅くまでお疲れ様でした~! 」。
「お、おはようございます...」。
主任のセブンスは察した様子でクスクスと笑みを浮かべながら、気まずそうにしているブリッジに視線を向けた。
「ブリッジちゃん、ずっと舞台のお稽古やお仕事でずっと忙しかったでしょう~。今日は自室で休んだ方が良いわよ~? 」。
「あ、ありがとうございますっ! 大丈夫ですっ! 」。
ブリッジは満面の笑みを浮かべながらそう答えると、セブンスは心配そうな表情で自身の両手をブリッジの肩に置いた。
「ブリッジちゃん、無理は禁物よ? 身体を壊したら大変よ? 」。
「すいません、朝の礼拝に出れなくて...。でも、しっかり眠れたので大丈夫ですっ! 」。
ブリッジはセブンスにそう気丈に振る舞った。
「でもね、私もそうだけどみんなも心配しているわよ? 辛い時はちゃんと言わなきゃダメよ? 」。
セブンスは神妙な表情を浮かべながら静かな口調でブリッジの事を気にかけていた。
「主任、本当に大丈夫ですよっ! 」。
ブリッジも笑顔を絶やさずセブンスの事を気遣った。
「そう...? 」。
セブンスは心配そうな表情を浮かべてそう言いながらブリッジを見つめていた。
「さて、それでは皆さんがいる食堂へ行きましょうか 」。
アングリー神官長がそう促し、ミューズ達は食堂へ足を運ぶ事にした。