愛と情熱
愛があるから情熱が燃え上がる。
情熱が燃え盛る程、愛は育まれる。
しかし、情熱はコントロールしなければいけない。
情熱は炎と同じで自身が焼かれて自滅する恐れもある。
愛もまた情熱と同じで、周囲が見えなくなれば奈落の底へ落ちていく事となる。
愛も情熱も自分自身がコントロールし、支配しなければいけない。
だからこそ、常に我々は神に耳を傾けるのだ。
「うぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッ!!! 女神様ぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああッッッ!!! 」。
「ブリッジ様ぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああッッッ!!! 」。
「うわぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああッッッ!!! ありがたやぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああッッッ!!! 」。
「救世主よぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッ!!! 」。
「ぬぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッ!?!? 」。
「尊いブリッジ様ぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああッッッ!!! 我を救いたまえぇぇぇぇえええええええええええええええええええええッッッ!!! 」。
「うわぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああッッッ!!! 世界が救われるぅぅぅぅうううううううううううううううううううぞぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッ!!! 」。
ブリッジが舞台に立つと、客席から歓声...というよりは断末魔の叫び声が沸き起こった。
「何だこれは...」。
「ブリッジちゃんが舞台に上がると毎回あんな感じになるで~。なんせ、ブリッジちゃんを神としたブリッジ教なんて新興宗教もあるくらいやからな~」。
舞台袖からミュージーとコブシは舞台と客席の様子をうかがっていた。
「ああ、ブリッジ教の事は軍の方でも聞いてましたけどね。凄いというか...おぞましいというか...。あ、そういえばコブシさんに一つ聞きたいんですけど」。
「何? プロポーズ? 」。
コブシが怪しい笑みを浮かべながらそう言うと、ミュージーは思わず顔を強張らせた。
「い、いや...。そうじゃなくて、今日コンサートに出演した修道女のポン...何とかさんでしたっけ? 」。
「ポンダちゃん? 」。
「はい、ポンダさんです。彼女の事は全然知らないんですけど、最近修道院に入ってきたんですか? 」。
「せやで~、一年前に入ってきた子でな~。ポンダちゃんは歌手と女優の活動もしてて、ブリッジちゃんと同じく人気な修道女なんや~」。
「そうだったんですか…」。
「何? ミュージー君はポンダちゃんみたいな子がタイプなん? 」。
「い、いや...。そういうわけじゃ...あっ!! 」。
その時、チェーングローブを装着したミュージーの手の甲から青白く輝く魔法陣が浮かび上がってきた。
「こちら第一特殊治安部隊のミュージーッ!! 」。
ミュージーは手の甲を自身の口に近づけて応答した。
『こちら第一特殊治安部隊ブースッ!! 王国騎士団“AT05”のカノー団長が所用のため、本ブースにおられますッ!! どうぞッ!! 』。
「了解ッ!! 至急、本ブースに戻るッ!! アウトッ!! ...それでは、僕はこれで! ブリッジにはよろしくと伝えておいてください! 」。
ミュージーは部隊との通信を切り上げ、早々にその場から離れていった。
「気ぃ付けてなぁ~! 」。
コブシはそう言いながらミュージーの背中を見送った。




