深夜のカップラーメン
鬱というものは厄介で、回復の鍵は自分が持っているのに、それがどのポケットに入っているか探せずにいる状態です。この話は、鬱の状態を比喩して書いたものです。
午前3時、目が覚めた。食欲ってのは、昼も夜も関係ないんだなぁと思いつつ、カップラーメンを手に取った。かやくの袋がカサカサと響いた。
リビングは暗かったが、電気をつける気も起こらず、暗い中で箸を割った。昔キャンプでランタンだけの光のなか食事をしたことがあった。その時は妙に気分が高揚し、特別感があったのを覚えている。その記憶があったため、暗い中で食事をするのも悪くないと思っていた。しかし人間とは不思議なもので、色が分からないと味がしないのだ。この場所にはあのランタンのような暖かい光はない。携帯の画面に冷たい光があるだけであった。しかし今更立ち上がって電気をつけるのも、今の自分には億劫で、まぁ、味はしないこともない、と自分を騙しながら箸を進めた。いつもなら麺がふやけないうちに早く食べきるのだが、自暴自棄な気持ちのままだらだらと、いつもの何倍もの時間をかけた。結局最後まで電気はつけなかった。
本来あんなに味の濃いカップラーメンだが、今日は味がしないも同然だったためか、はたまた時間をかけすぎて麺がふやけてしまったせいか食べた気がせず、少し損した気分になった。少しの後悔をしつつ、部屋に戻った。
明かりをつければいいのに、つけることができないのです。




