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でくのぼうを失する前に

作者: 夏木

周りの全てがキラキラしていました。宝石のように魅力的でどんな小さく些細なことも素晴らしいと思っていました。

雨も雪も、強い風も、カミナリも、その全てが素晴らしいものでした。

人間は優しくて、世界の全てが私の味方で、だから私もそうなりたいと思っていました。

こんにちは、ありがとう、どういたしまして、がんばって、だいすき、だいじょうぶ、りっぱになったね、


日にちが変わり、じぶんは大きくなっていきました。


でも自分は違いました、手のない自分は世界につめたくなっていきました。


自分に生えるものが、嫌いでした。

自分を押す言葉も、嫌いでした。

抱えるような視線も、嫌いでした。

頭に針を刺すような全てが、自分を冷たく変えていきます。

変わりゆくことに耐えられなかったのでした。


気づけばタイルの床にいました。

固まった自分を擦り、暖かくしようとしました。


ダメでした。熱い、熱い、熱い。


熱いので、汗が止まりませんでした。

流れる汗が顔を伝って気持ち悪いのでした。それから段々と熱いのに慣れてくると、わたしはでくのぼうになりました。

だからといって特に、変わったことはないですが汗は出なくなりました。代わりに口が膨らみました。


隣にカカシが立っていたので話をしました。

「どうしてここに立っているの?」

カカシが答えます。

「なんで君は立てないの?」


折れちゃいました、パキッ、ポキッ、クシャッ。


_________。


何もかもが消えたあとに、私は亡くしたの。

でも私は生きていて、続くそうなの。

何も言われず、雨に撃たれて、雪に埋もれて、刺されて、

がんばれず、きらわれて、危険で、折れてても、


私は私なの。




お目通しありがとうございます。


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