8話
「おぅふ、いらっしゃいませキャンディーさん、本日は何用で御座いますか?」
いつになくあらたまった口調の店主はさりげなく片手を腰の辺りに客から隠し、 しっし と美少年二人に合図する。
「あるじ~休憩はいりま~す」
「てんちよう~お使い行ってきま~す」
「店主さん⚓︎なんでキャンディーが来ると美少年達はお店からいなくなるのかしら?」かなり不機嫌な顔をしてるキャンディーさん。
「あんたには売れる鎧は無いとキッパリ断っているはずだが何かご不満でも?」とこちらも不機嫌さを隠さない店主。
「ビキニアーマーは女の子専用装備なら心は女の子のキャンディーには資格得るじゃない⚓︎」
「キャンディーさんはムキムキマッソーな男の身体だからダメです。」
「なんでよ!イジメられてるワタシを助けて“キャンディー”ってソウルネームまでくれたのは店主さんじゃい、ずっと味方だと思ってるのにヒドいわよ~、おろろーんおろろーん」
「おろろーんて壺から出て来る魔王かっ、なんちゅう泣き方や!
あんときは冒険者ギルドの頭の痛々しいランキングシステムの改変したろとギルド本部訪れたら、テンプレもなく気分の悪いもん見せられイラッときたから介入しただけやん。
それにアレや、ムキムキゴリマッチョなくせにエリザベスってなんなん?、筋肉信仰してるカマッチョなら“キャンディー”だろってツッコミしただけやん。」キモいからあっち行けとかこっち見るな目を潰すぞとか自分達から絡んでふっかけてタコ殴りって頭おかしいやろ、って事で介入して事情聴取しながら説教かましたろってしてたら逆ギレしよるし、しゃあないから威圧強めてさらに肉体言語の教育にって……、どこの世界も自分と違うから始まって自分達と違う、しかもそれが理解できないとかだったら無理矢理排除しようとする。
なんで自分からは積極的に関わらないっていう無難な事が出来ないんだろう。
民度?民度の問題?どうやったら民度って上がるの?戦後日本の教育って良く々く考えたら民度には直結してないよね?アベチャンが弄おうとしてた道徳教育?オレが知ってる道徳の時間で差別はしたらダメですよ~とか同和差別はいけません、とはいうけどそもそもの同和って何?には全く触れず先生はアンタッチャブルな空気をガンガンに出すだけ。そりゃ日本人空気読むの上手くなるわ。あとはあの時間アニメ観せられた。戦国末期にとあるカリスマ武将にイジメられた、いやあれば弾圧だ、そうだ差別だ!的な内容だったけど、あの宗派幹部の門徒のアジり方って、オレが異世界間パトロールする前の世界のテロと被るねんな。厭離穢土欣求浄土を門徒衆に 死んだら穢れた現世から解き放たれ西方浄土に行ける、だから安心して聖戦に参加しなさい。どうせなら死ぬならアイツ道連れに死んできなさい。それが出来たら阿弥陀様のめっちゃ近くに行けるかもよ って曲解させるんやもんな。こわいなー。
ん?なんか思考の迷路にはまってる?!
そんな道徳の時間て民度育てるのに……は、……貢献してる?
「ふん、まあいいわ。
今日はね、お友達のストロベリーちゃんを紹介しようと思って連れてきたのよん。」
「なーにがストロベリーちゃん♡やっ!
たしかに著てる物の上からでもわかる隠しきれない筋肉。しかしやな、キャンディーさんとお友達はジャンル違うやろ。程々に男色色気を放出してるけど普段あまりオネエ言葉は使わんはず。そんで生え際がM字型に後退してるし、さらに揉み上げの下から始まる青い青い髭剃り跡プラス口髭あり。見えないから推測やけど……ベルトやなくてサスペンダー派。」
「なぜサスペンダーを」
「やっぱフレディーやん!
長生きしたかったら感染症に気いつけるんやで。」
「えっ、どういう事?キャンディーさん?この店主さん何を言ってるの?」
「キャンディーにもわからないわよ。気を付けろって言ってるんだから気を付けてればいいのよ。」
「君のソウルネームはフレディー、ほんで店の名前は“水星”。異論は認めん。」
そらそうやん、日本のマンガやアニメシーンに多大な影響を残しててテンプレ化してるキャラクターなんやからフレディーに“水星”は当たり前やろ。
もう面倒やな、ステータスにソウルネーム欄を増設してカキカキっと。
「「あぁぁぁっ!」」
「?」
「キャンディーのステータスにソウルネームがっ!?」
「なんですかこのソウルネーム欄ってっ!てワタシのソウルネームがフレディーになってるぅぅぅ、所属“水星”ってなんなの?」
「ソウルネーム欄は別にゲイ専用じゃなくて、以前から同好の士と呼ばれる程度の濃ゆい趣味の方々に発現していた物だ。今回その適用範囲が広がったって事だな。」
「えっ?今回ってなに?」
「さあ仕事仕事!キャンディーさん?フレディー氏を連れてきたのは顔見せだけかい?」
続く
※店主は北大阪出身。
話し言葉をテレビで覚える。
小学校にあがるまでテレビ的標準語を使用。
徐々に関西弁のイントネーションに染まりますが、店主の育った場所や時期は転勤族が多くベッドタウンということもあり、日本全国からの転校生も多く毎年のように各学年・各組は異動の時期に最低でも2~3人が入れ替わるように転校がある環境。(ちなみに秋の異動時期に転出がなくて転入だけだったりするとクラスメートが60人超えることもありました。)
そういう環境的要素もあり店主の関西弁は単語や表現は標準的な言葉が多めになっていたりする。
いわゆるコテコテの大阪弁ではない。(店主は幼少時いんじゃんと坊さんが屁をこいたをしたことない。だるまさんが転んだをしなくなるでに坊さんが屁をこいたに出会わず、高校生になるまでジャンケンしてたりする。
結構な環境にいた店主です。)
そして一部(多分?もしかしたら大半?)の大阪市民は大阪府民が大阪人的な発言すると お前らがオオサカ言うな! と罵ってくる。
それやったら廃藩置県のとき大阪府にすんなよ!
そっからなんぼでも時間はあったんやから府名変更でもなんでもしたら良かってん。
そんな活動もしてへんくせに五月蠅いねん。
と常々思ってる店主。