3話
「来た来た来た~!!」
「あるじ~、なにがきたの~」
朝から騒がしい【ナイスバディ娘】の店主に従業員の美少年B。
「新作のインスピレーションが来たんだ!」
「しんさく?」
「そうだ新作だ、何せ開業以来ビキニアーマーしか作ってこなかったからな。」
「ということはもしかしてあるじ~…」
「ふっふっふっ、なんと新作はボディコンだよ ボ・ディ・コ・ン♡」
「あるじ~、ぼでぃこんてなに~?」
「ボディーコンシャス、略してボディコン…だったかな?合ってるよね?何せあっちの世界離れて結構経つからな~」
端から見たら少年相手になんの説明してるんだだって店主に、店の奥から出て来た従業員の美少年Aが厳しい口調で問いかける。
「昨日の冒険者(♀)さん、あの後もなんやかんやの擦った揉んだの末、結局ご注文されてますよね。
もう作られたのですか?
さすがは店長!仕事が早い!」
しかし店主は事も無げに
「いやアレねぇ、店の素材に在庫もあるし作ろうと思えばいつでも作れるよ。
でもねぇ、気が乗らないんだよね。
それにほら、1ヶ月っていってあるからさ。」
そんなこと言う店主にジト目の美少年A。
「そんなことより新作だよ新作!
せっかくのインスピレーション形にしないとねっ!」
「あるじあるじ~、そのぼでぃこん?は売っていいの?
たしかこのこのお店ビキニアーマーいがい売らないってあるじにおしえてもらったよ~」
と、何やらゆる~くツッコむ美少年B。
「ああ確かに【ナイスバディ娘】オーブンするときそんなこと言ってたな。」
「あるじ~ちゃんおぼえてるよ~」
「そりゃビキニアーマーじゃない装備求めて来る人多かったから。で、てんちょう~どういう事ですか?」
店主の新作発言の意味を問い質す美少年A。
「あれは正しくは
当店はビキニアーマー以外の鎧を扱ってません
だ!」
「??」
「てんちょう~、ぼでぃこん?というのは鎧じゃ無いんですか?」
「そうだぞ美少年A。」
「あるじ~ほんとに~?」
「ほんとに本当だ美少年B。
新作のボディコンを導入する事により、今まで取りこぼしていたちっぱいさんや普通のおっぱいも包括的に取り込める、サイズ感的に非常に汎用性の高い装備だ!
しかもボディコンには武器もセットだぞ!」
「!!あるじあるじ~、武器ってどんなの~?」
「はっはっはっ 慌てるでない美少年Bよ。」
どや顔で悦に入ってる店主が空のトルソーと何やら各種素材をどこからともなく取り出し大きな布を被せる。
「だららら……らっ、ジャーン!」
……古いよ、センス古いよこの店主
まあボディコンの時点でわかっちゃいたけど
「これがボディコンを叩き台にした新作の武器防具+アイテムバッグのセットだあっ!」
言葉と同時に店主が手品師のごとく布を取り去るとそこには
「あるじ~」
「てんちょう~?」
「驚いたかね美少年達よ。
これがボディコンだ。
足には60デールの黒パンスト、まあ個人的にはガーター&ストッキング好きなんだけど、あの頃的にはパンストかなって事で。
そして足下にはハイヒール!
女性の脚を綺麗に見せるのはハイヒールだからねっ。
んで当店初の武器が今回のボディコンセットなのですが、なんとそれは鞭です。
一部の男性諸氏なら なんでセットにバタフライマスクが無いんだ とお嘆きあそばすかもしれませんが、それは鞭が乗馬鞭じゃなくて若い頃宇宙船で旅してたんだけどおじさんになったら洞窟で大きな丸い石に追いかけるような冒険をしていた人が使ってたような長い鞭だからなんです、はい…
今回付けたアイテムバッグなんですが、ビキニアーマーユーザーから アイテムバッグ機能がビキニアーマーに付いてて普段使い出来なくて困ってる との事をふまえ、あの頃のハナコ女子御用達バッグ的な黒を基調に金をあしらったデザインにしてみました。
最後に鞭とアイテムバッグは成長がコンセプトです。
そんなに成長条件は難しく設定して無いので自分で確かめてね。
って感じだ、どうだ美少年達よ。」
「あるじ~すごーい!」
「すごーいじゃ無いでしょ美少年B!
店長っ!これのどこが「これまで取りこぼして層がうんたらかんたら」ですか!?
なんで鞭なんてセットにしたんですか?
鞭なんてメインウエポンにしてる冒険者なんてどれだけいるんですか?
いや、ていうか鞭が無くても売れませんよ!
このぼでぃこん?に比べたら娼婦のおねえさん方が清楚に見えますよ。」
店主に激しく抗議する美少年A。
「何を興奮してるんだ美少年Aよ。たしかにバディのラインがバッチリ、チューブトップでちょっとジャンプしようもんなら……みたいな危うさも表現してあるけども、膝上15cmってわりと現実的なミニ丈の何が問題なんだい?」
「全部ですよ店長!」
「仕方ないなぁ、じゃあアレ足すよあれ。」
すると今度はトルソーのボディコン肩に光沢はあるが向こうが透けて見えるショールが現れる。
「あるじ~、ちょっと見えにくくなったけどなんかドキドキする~」
「おお、わかるか美少年Bよ。」
……いろいろツッコミどころのある二人のやりとりだが……