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2話

『』は心の声です。

「何で断るんだ、何が不服だ!金なら払うって言ってるだろうが!!」


「てんちょう~」

「あるじ~」


従業員の美少年Aと美少年Bが店の奥に向かって呼びかける。


「こらっ、オレのことはオーナーと呼べといつも言ってるだろう!

でなんだ、店の奥まで怒鳴り声が聞こえてたけど。

ゆっくり茶も飲めやしない。」

と、あまり商売熱心ではなさそうな男が出てきた。


「あんたがこの店のオーナーかい、俺は「ちょっと待て、オレは店主だ!」」


「はあ?あんたが自分でオーナーって」


「どうも前話でオレのことを店主と紹介していたみたいでな。ブレると色々あるんだよ。」


「なんだよそれ、ていうか前話ってナニ?!」


「まあ所謂一つの大人の事情ってやつさ、あんま気にすんな。

で、なんだい。あんたの連れにウチのビキニアーマーが売れない理由かい?」


「この野郎、露骨に話題逸らしやがって、

て、そうだよそうだよ何で相方に売れ無いんだよ」


と、かなり出来そうな冒険者(♂)が店主に詰め寄る。


「そりゃウチのビキニアーマーはお胸の幸薄い女性には装備不可だからです!!」(どや顔)


と、婉曲に表現してるがそれでも関係各所に喧嘩売るような説明をする店主。


「なんだそりゃ!それなら調整…」


その時冒険者(♂)の視線がビキニアーマーの胸部装甲と相方さんの胸元を彷徨うと、まるでここは八寒地獄かよって錯覚しそうな冷気を放つ女の声が


「なに見てやがる、何が言いたいんだい、

ようく言葉を選ぶんだよ、でないと当分の間禁欲生活してもらうよ!」


「爆発しろ!!」

と店主が叫ぶが


「「えっ?!」」

と美少年A・Bが何かに驚く。


色々と複雑な表情を浮かべた冒険者(♂)が


「えーと、そのなんだ、アレだよアレ。

……

s

sa

サイズの調整っていうのか?そういうのは出来ないのか?

ん?

いやいやちょっと待て思い出したぞ!

ここでビキニアーマー買ったって教えてくれたオッパイさんはサイズ自動調整って言ってたぞ。

どうなってだよ!」


滝のような汗を顔中から流しながら冒険者(♂)は言葉をひねり出す。


「10日間の禁欲生活で勘弁してやるよ」

と相方さん。


「何でだよ!オレ何も言ってないよな!?」

と店主にすがるような目を向けてくる冒険者(♂)


「爆発しろっ!!

てか昼の日中に生々しいんだよ!

営業中だよ、精通前の美少年二人いるよ、わかってる?!」

と言ってる店主も大概だろ。



「確かに当店のビキニアーマーはサイズ自動調整機能付きデース。


しかぁし!!


オッパイさんを護る胸部装甲はフルカップではなく2/3カップというデザインとなっており、必然的に胸の谷間が強調されるのです。

そう、()()

例えるならお姫様や令嬢のドレス姿をイメージして下さい。」


「遠目にも見たことねえよ」


「ビスチェでウエストを無理矢理引き絞り、お腹のお肉も背中のお肉も本当はみーんなオッパイなのよ!

という謎呪文と超絶的手技により偽装されたであろうこぼれそうなオッパイと深い谷間。

……


オレはあの谷間で隠遁したい。」


「あるじ~、ボクもオッパイ好き~」

「てんちょう、冒険者(♂)さんのツッコミ無視したらダメです。そして最後に脱線してます」

美少年Bは可愛らしいのに美少年Aはやけに事務的だ。


「うおっほん!」


「ごまかしてるよ」

「ごまかしてるね」


「うるさいぞぉ そこぉ!


ええとですねぇ、ようは男児から老人までもが二度見三度見当たり前!

思春期のボーイ達なら鼻血が吹き出そう or うっかり海老のモノマネしちゃいそう(笑)


というオッパイバディーでないと装備不可能な仕様です!!」


しかし納得出来ない冒険者(♂)

「何でそんな仕様なんだよ、誰が作ってんだよ!」


「オレだよオレ」


と言う店主に勢い込んで冒険者(♂)が


「なら胸ぺったんな俎板ばおううう」


「禁欲生活1ヶ月延長だからね」


そう宣言した冒険者(♀)を見て店主は

『超ヤベーよ、なに今の?鎧の上からだけど、確かに水月辺りだけど、あの鎧ドラゴン系だよね、なんで打撃が透るの?浸透勁?浸透勁なの??マンガやん!小説やん!アニメ?!香港映画?!さすがファンタジー世界やな、科学極振り発展ワールド出身者にはまだまだ驚きに溢れてるわぁ』などと若干現実逃避気味。


そんな店主に冒険者(♀)が

「私に合わせて作ってよ!」と迫るが


「リームー」


「なんでよ、そんなおっぱいの何たらかんたらみたいな事しない方が作りやすいはずよ!」


しかしそんな冒険者(♀)に店主は えっ、こいつバカなの?! という表情で


「気が乗らない 作ってて楽しくない」


「はあ?仕事選ぶんじゃないわよ!!」

とお怒りの冒険者(♀)


「えっ?仕事?なにそれ美味しいの??

当店【ナイスバディ娘】はオレが趣味で開いてるんだ。

だから仕事は選~ぶのは当たり前。」


「何それ信じられない、どうやって生活してるの?!」


「資産は持ってるからな

なんなら大国相手に傭兵雇って3年くらいなら戦争やってもビクともしない程度にはあるぞ。

だから趣味全開のショップをオープンしてるんだ!

はつはつはっは!」


『えっ、なに?何言ってるの?

大国相手にしてビクともしない資産てなに?

普通そこは小国相手にする程度って、いやいやそれでもおかしいからね。

えっ、もしかしてもしかすると超優良物件!?

腹パン一発でダウンしてる男なんて捨てようかしら……』

等々心の中で色々叫んだり思案してる冒険者(♀)


「それでだ。

当店のビキニアーマーには“加護”を与えてる。

絶対物理防御と絶対魔法防御に絶対呪詛返送という3つの“加護”をな。」


「……」


「ここまで言えばわかるだろう。

ノリノリ気分じゃなきゃ“加護”は与えられない。」


「……」


「とはいえ常日頃おっぱいの大小に貴賎は無い!と言ってるオレとしてはだな、今回に限り装備を作るのは吝かではないのだよ。


何せ貴女の貧乳はステータスだからね。

だよねっ彼氏!」


『何が「ねっ、彼氏!」だ、オレを巻き込むんじゃねえ!オレは全力でダウンしてんだよ!』

「……⚓︎」


「とうわけで装備作成はは請け負ってもいい。

だがしかし!


ビキニアーマーは作れない。


そして“加護”はおそら各耐性(大)だろう。


ただぁし!

絶対呪詛返送は付けてやる。

コソコソ根暗く呪うってのが嫌いだからな。


それでいなら1ヶ月後に来てくれ。

ちょっとドキドキセクシーなの作ってるから期待しとけよ。」


「……⚓︎⚓︎」



姫…………未婚の王族女子や帝室女子

令嬢……未婚の貴族女子

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