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第四話 属性

 

 僕が来た時とは逆の方向に街を出て、目的地へと向かう。


 川沿いに広がる草原地帯で魔物が目撃されるとのことで、まずは川の近くを目指す。

 風もよく吹き抜け、非常に心地が良い。

 空気も澄んでいて、いつもであれば気分も晴れやかだ。


「ねぇねぇ、ルカちゃん! オレのことは、ヴァルって呼んでよ♪」

「断る」

「えーー、ひどーーい」

「うるさい」


 こんな調子でヴァルハイトは、とにかく絡んでくる。


 ただでさえ組みたくない剣士と組んだ上、初対面で色々と話しかけられれば気分が晴れないのも無理はない。

 どうせ話してくるのだからと、僕は建設的な話題に変えた。


「ヴァルハイト…………さんは、剣以外にも武器を扱ったりするのか?」

「ぶはっ。さんとか付けなくてイイッて! ルカちゃん面白いな。……そうだなぁ、一番しっくりきたのが剣だったから使ってるけど……。他のを試したことないからなぁ」


 なぜか面白い評価を得てしまった。

 セネルのような、年齢を気に掛ける人物かもしれないと念のため呼んでみたのだが。

 彼は気にしないタイプのようだ。


「そうか、なら先ほども言った通り、僕はサポートと敵意を集めるのに徹する。ヴァルハイトは油断している奴からどんどん倒してくれて構わない」

「おーー。どっかの誰かとはちがって勇ましい魔術師だ」

「?」

「いや、こっちの話~」


 笑みを浮かべながら、何やら楽しそうに言う。

 誰と比べてるんだ一体。


「魔術師ってさぁ、やっぱ守られるのが当たり前? って思ってる人もいるんだけど……。ルカちゃんは違うんだなぁって」

「当たり前だろう。いつもそうしているのは効率が良いというだけで、何も前衛の者だけに敵を押し付ける必要はない。今回のように敵に魔法が通りづらいことだってあるんだ」

「それはやっぱ、あれじゃん? ルカちゃんがソロでもやれちゃう系魔術師様だから。普通はペアなりパーティー組んでやってると思うし、体力もそんなないと思うよ?」

「そういうものか?」

「そうだよ~~」


 魔術師といえど、魔法を完全に通さない魔物だっているかもしれない。

 そういうことも想定しながら旅をしていると、自ずと体力や身のこなしも鍛えるようになる。


 事実、僕の腰には鞄の他に、ヴァルハイトの剣より半分以下の刃を持つ短剣を携えている。


 おまけに風魔法を支援の魔法として使うことも開発した。

 まぁ、色々と試してみるという僕の性格も起因しているかもしれないが。


「そういうルカちゃんは、魔力を高める杖のような魔道具(マジック・アイテム)、使わないんだね~~?」


 何かを探るような視線を向けられた。

 それもそのはずだ。


 通常、魔物から獲れる属性付与ずみの魔石や、自然からとれた純度の高い鉱物に魔術師が魔力を込めた魔石など、己の魔力だけでなく、外的要因からも魔法を使うことが出来る。


 生まれながらに人は必ず、火・水・風・土のいずれかの魔力を持って生まれる。


 先天属性と呼ばれるそれは便宜上、単属性(シングル)とも呼ばれている。


 そして、人々の中には二属性(ダブル)、さらに希少な三属性(トリプル)を持つ人も存在する。


 大多数の魔術師は、二属性以上の者が多い。

 自身が持ち合わせない属性は、属性付与済みの魔石を加工した魔道具で補うのが一般的だ。

 もしくは、高価な魔道具の代わりにバランスのとれたパーティー構成をする。


 四属性の魔法以外にも、土の眷属である緑の魔法や、二属性以上の者だけが扱える光や闇の魔法などもある。


 そして全ての、四属性の先天属性持ちを全属性(マスター)と呼ぶ。


 人の魔力の程度は個々によるが、なるべく属性をバランス良くする。

 それが、冒険者の基本でもあった。


 そして今、僕は風魔法が得意だとヴァルハイトに明かしているが、魔道具を明かしてはいない。


 つまり、僕は彼に、魔術師かつソロでギルドに来ていたのに、単属性なのかと疑いを持たれているところだ。


 おまけに黒持ちである。


 答えはノーであるが、わざわざ明かす程でもない。


「そうだな……。少しは魔物の知識もある。必要に応じて、というやつだな」

「あーーなるほどね、魔道具高いもんなぁ」

「そういうことだ」



 

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