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生まれ変わったら曹昂だった。 前世の知識を活かして宛城の戦いで戦死しないで天寿を全うします  作者: 雪国竜
第二十章

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来ると言っていたからな

 間者の報告を聞いた数日後。


 政務を終えた曹昂は犬鷲の重明の相手をしていた。

 自分用の止まり木に乗りながら、羽づくろいをしていた。 

「お前とも長い付き合いだな。そろそろ番いでも作らないのか?」

 子供の頃から飼っている愛鳥なので、何時までも一人というのも寂しいのではと思い呟いた。

 その曹昂の呟きに、重明は分かっているのか分かってないのか首を傾げるだけであった。

「・・・・・・その内探してみるか」

 方々に声を掛ければ、雌の犬鷲を用意してくれるから問題ないだろうと思った曹昂は重明の腹を撫でてていた。

 すると、部屋の外に控えている趙雲が部屋越しに声を掛けて来た。

「殿。先ほど、丞相からの使者が参りました」

「使者が。では、その者がいる部屋に案内を」

「いえ、先触れとして来ただけで口頭で報告すると、直ぐに返っていきました」

「そうか。それで使者はなんと?」

「丞相が後数日で陳留に来るので、出迎えの準備をとの事です」

「・・・思っていたよりも時が掛ったな」

 曹昂は許昌を後にして陳留に着いてからの日数を指折りで数えたが、思っていたよりも許昌に居たと分かった。

 恐らく、劉備の件で対応に追われたのだろうと予想した。

「では、父上の出迎えの準備をするとしようか」

 曹昂は重明を一頻り撫でた後、部屋を後にし家臣達に出迎えの用意をさせた。

 と同時に、もてなす料理の準備をさせた。


 数日後。


 曹操が正室の丁薔と側室の卞蓮と共に陳留に訪れた。

 曹昂は城外に出て出迎えると、車に乗って来た曹操は車外に出て挨拶を交わし、そのまま城内に入って行った。

 城内に入ると、屋敷に通されそのまま用意されている部屋に通された。

「ふふふ、孫は良いものだな」

 曹操は椅子に座りながら、曹昂の子である曹叡を抱いていた。

 孫に会えるのが嬉しいのか顔を緩ませていた。

 隣に居る丁薔も微笑んでいた。

「父上と義母上に会えて叡も喜んでおります」

「そうか。その割には」

 曹操は曹叡の顔を覗き込んだ。

 目があった曹叡はジッと見るだけで、笑みを浮かべるでもなく顔を綻ばせる事もしなかった。

「喜んでいるのか? それとも儂を祖父を認識しているのか分からんな」

「そんなに顔を合わせていないので、旦那様の事を祖父と思ってないのではないでしょうか」

 曹叡の反応を見て、曹操は首を傾げていると丁薔が苦笑していた。

「それもそうか。良し、子脩。これから頻繁に叡を儂の元に連れてくるのだ」

「領地が離れているので、頻繁には無理です」

 曹操が無理難題を言うので、曹昂はやんわりと拒否した。

 そう言われた曹操は不満そうに唸った。

「まぁ、折を見つけては叡を連れて、鄴に参ります。わたしも弟妹達に会えるのは嬉しいですから」

「その時はお主の妻達も連れて来るのだぞ」

「・・・・・・まさか、わたしの妻にも粉を掛けるつもりで?」

 曹操の一言を聞いて、曹昂が思わず述べた。

 すると、隣に居る丁薔が曹操を無言で睨みつけていた。

「馬鹿者! 儂が息子の妻に手を出す訳がなかろうっ⁉」

「はははは、冗談ですよ。父上も部下の妻には手を出していませんから、わたしの妻に手を出す事はしないでしょう」

「当然だ。それで恨まれて何かされても敵わんからな」

 曹昂が笑いながら言うと、曹操が鼻を鳴らしながら答えた。

「そう思うのなら、他人の妻に手を出すべきではないでしょう」

 丁薔は溜息を零しながら述べると、曹操は咳払いをしだした。

「そんな事よりも、儂がこうして来たのだから料理の方は期待して良いのだろうな?」

「ええ、勿論です。父上が食べた事がない料理を出します」

「ほぅ、大きく出たな。儂が食べた事がない料理とは楽しみだ」

 曹操は楽しそうに笑っていた。

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― 新着の感想 ―
シモの話で親子団らんw曹昂以外の誰かが口にしたら首と胴はグッバイやろけどw
軽口を叩けるのは仲の良い証拠ですな。
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