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生まれ変わったら曹昂だった。 前世の知識を活かして宛城の戦いで戦死しないで天寿を全うします  作者: 雪国竜
第二十章

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二者択一

 曹昂の予見どおり、賀斉率いる軍が丹陽郡に攻め込んできた。

 攻められる事を予想していた劉備は兵を多く配備したのだが、それでも数日程しか守れなかった。

 於潜県(おせんけん)歙県(しょうけん)黝県(ゆうけん)が落とされ、陵陽県(りょうようけん)にも攻め込む気配を見せていた。

 丹陽郡が攻め込まれたという報を聞いた劉備は直ぐに撤退を命じた。

 占領していた土地を放棄した。

 ただ、放棄する際にその土地に暮らしていた者達を強引に連れて行った。

 そして、丹陽郡に帰還するなり、休む間もなく賀斉軍の迎撃に向った。

 賀斉は自軍だけで劉備軍に戦うのは不利と判断した様で、劉備が帰還するという報を聞くなり豫章郡へと撤退した。

 賀斉が撤退したという報を聞いた劉備は地団駄を踏んだが、追撃をするのは止めた方が良いと徐福達が進言するので止めて、奪われた県に関しては公孫続や廖化に任せて、本拠地にしている宛陵県に帰還した。

 帰還するなり、劉備は徐福を呼んだ。

「軍師。此度の戦で多くの民を手に入れたが、どうするつもりなのだ?」

「此度の戦で土地を得る事は出来ませんでした。ですので、その代わり人を得る事にしたのです」

「攻めた土地に暮らしていた者達をこの地に連れてどうするのだ?」

「土地の開墾、兵として用いるなど色々と出来ます。そして、力を蓄えましょう」

「少しずつでも力を蓄えるか。悪くないな」

 民を連れて来た理由が分かった劉備は頷いた。

 これで暫くは内政に励むだけの余力が出来たからだ。

 其処に馬順が部屋に入って来た。

「殿、徐福殿。丹陽郡に連れて来た者達の数を数え終えましたので、報告に来ました」

「ご苦労であった。それで、どの位いるのだ?」

「老若男女合わせて三千二百ほどですね。半分は土地の開墾をさせましょう」

「開墾の成果は何時頃でる?」

「早くても来年ごろになりますね。残りの半分の男は兵として用いましょう」

「いや、連れて来た者達は全て開墾をさせるべきであろう」

 馬順の意見に徐福が口を挟んだ。

「しかし、先の戦いで兵もそれなりに失いました。また賀斉の侵攻で兵も多く失いましたので、その補充の為に兵は一人でも多く必要だと思います」

「だが、土地を開墾させて税収を増やした方が兵糧と武具を用意する事が出来る。それらを使い財を成して兵を募る方が良いであろう。開墾には時間が掛るが、その分多くの物を得る事が出来る」

 馬順は直ぐに軍備の増強に掛りたいので、兵の補充を述べた。

 一方徐福の方は今は開墾に力を入れ、内政の充実を図るべきと述べた。

 二人の意見がぶつかった為、二人は劉備を見た。

 劉備はどちらを採択するべきか、暫し考えていた。

「・・・・・・今は一人でも兵が欲しい。此処は連れて来た男達は兵として用いよう。直ぐに調練に取り掛かれ」

「はっ。承知しました」

 劉備の決断を聞いて馬順は頷いた。

 徐福も今の情勢では仕方がないと思い、その命に従う事にした。

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― 新着の感想 ―
連れてきた民を兵にしても、簡単に裏切るのでは?
人狩りとかいよいよ山賊っぽくなってきた耳長団w
これは馬順の方が情勢を理解してるな。丹陽しか治めてない劉備は今の地盤だけ固めても中原相手には焼け石に水なわけだし。
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