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生まれ変わったら曹昂だった。 前世の知識を活かして宛城の戦いで戦死しないで天寿を全うします  作者: 雪国竜
第二十章

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まず先に片付けるのは

 柴桑を出陣した賀斉軍は一路、会稽郡太末県へと向かった。

 本来であれば、蔣欽がおり郡治所もある山陰県に向うべきなのだが、孫暠が軍勢を率いて会稽郡に向っていると聞いていた。

 まずは孫暠が率いる軍勢を撃退し、その後で山越を討伐するのが良いと判断した。

 だから、賀斉は蔣欽と合流せず率いている軍勢だけで戦うつもりであった。

 賀斉が率いて来た軍勢の数は五千ほどであったが、負けるつもりなど微塵も無かった。

 

 数日程すると、賀斉軍は太末県に到着した。

 其処から、孫暠の動きを探る為に方々に偵察の兵を出した。

 暫くすると、偵察に出した兵達が戻って来た。

「孫暠は富春県を出陣するなり、山陰県に向いました。現在蔣欽軍と刃を交えておりますっ」

「ふむ。そうか、ご苦労」

 偵察した兵の報告を聞いた賀斉は労いの言葉を掛けた後、下がらせた。

「蔣欽と戦っているか。という事は、敵はわたしが来た事は知らぬと見るべきか」

 報告を聞いた賀斉はこの状況をどう生かすか考えていた。

「・・・・・・これは奇襲を掛けれるな」

 そう呟いた後、賀斉は決断した。

 直ぐに率いて来た軍勢の一部を各地で暴れている山越の対処の為に、太末県に置き残りの軍勢で山陰県へと向かった。

 休憩など碌に取らない強行軍であった。

 あまりの強行軍で遅れる兵も出て来たが、賀斉は気にしなかった。

「列から離れた者達は遅くても良いから、山陰県を目指せ!」

 そう命じていたので、問題ないと判断したからだ。

 少なくない兵が軍列から離れ行くが、気にせず駆けて行った。

 賀斉が山陰県に到着した時には兵は三千を切っていた。

 だが、その強行軍が良かったのか、平野で蔣欽軍と孫暠軍が戦っている所であった。

 両軍は未だに賀斉軍に気付いていなかった

「将軍。兵が疲れております。それに蔣欽軍と孫暠軍の両軍は我らに気付いていません。此処は少し休み、攻めるべきです」

 副官がそう進言するが、賀斉は首を横に振った。

「敵も味方も気付いていないのであれば、今が好機だ! 者共っ、攻めるぞ‼」

 賀斉は大声でそう命じると、兵達は喊声をあげた。

 その喊声が聞こえたのか、蔣欽軍と孫暠軍の兵達は手を止めて、声がした方に顔を向けた。

「突撃せよ‼」

 賀斉の命により、賀斉軍の兵達は駆け出した。

 喊声をあげつつ駆け出した勢いのまま、孫暠軍に襲い掛かった。

 突然の強襲に、孫暠は対処が遅れた。

 其処に蔣欽の攻撃が加わった。

 挟撃を受ける事となった孫暠軍は軍の体をなさなかった。

 撤退するも、蔣欽軍の追撃が行われた。

 賀斉軍の兵達は疲労が極致であった為、追撃を行う事が出来なかった。

 執拗に追撃される孫暠は呉郡へ撤退する事が出来ず、会稽山に逃げ込んだ。

 余談だが、この会稽山は『会稽の恥』の故事が出来た土地である。

 会稽山に逃げ込んだ孫暠軍であったが、兵は五千を切っていた。

 その上、兵の殆どが負傷していた。

 追撃していた蔣欽は追いついて、会稽山に着くと直ぐに包囲した。

 其処に疲労が取れた賀斉軍も包囲に加わった。

 そのまま数日程包囲が続いたが、山から兵が白旗を持って降りて来た。

 兵は文を持っていたので、それを蔣欽に見せた。

 文には降伏するので、自分と将兵の命は助けて欲しいと書かれていた。

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― 新着の感想 ―
降伏するから「自分」と将兵ww降伏ノーリスクで草w 自分の首と引き換えにが当然と思ったらそうでもないのか
自分の助命が真っ先なのは儒教クオリティ、日本の自分は切腹でも城兵の命や家門の維持とは環境が違いすぎる
孫暠の一族は死罪だろうから、後に生まれる孫峻や孫綝の存在は失くなるのかな。
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