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生まれ変わったら曹昂だった。 前世の知識を活かして宛城の戦いで戦死しないで天寿を全うします  作者: 雪国竜
第二十章

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そんな事があったとは

 数日後。


 曹昂は帰還の準備を終えたので、曹仁に挨拶をし襄陽を後にした。

 曹仁が城外に出て見送りに出た事に感謝しつつ、率いて来た軍勢と共に許昌への帰路についた。

 

 襄陽を出立した曹昂軍は順調に帰路に着き南陽郡に入った。

 順路で言えば、曹休が居る宛県に寄る事が出来たので寄る事にした。

 全軍に宛県に向う事を指示すると、全軍は一路宛県に向った。

 数日程すると、宛県に辿り着いた。

 城門までくると、其処には曹休が居た。

「文烈。わざわざ、出迎えなどしなくても良いのだぞ」

「いえ、従兄上が会いに来てくれたのです。出迎えしなければ失礼です」

 曹昂が苦笑いしつつ言うと、曹休は当然の事だとばかりに答えるのであった。

 真面目な奴だなと思いつつ共に城内に入っていった。


 曹昂が用意されている屋敷で一息ついていると、韓嵩が訪ねて来た。

「遅ればせながら、赤壁での勝利にお祝い申し上げます」

「なに、父上が頑張っただけの事だ」

「いえいえ、曹車騎将軍もご活躍したと聞いておりますぞ。太守様もその話を聞いて我が事のように喜んでおりました」

「ははは、大げさだな」

「それと」

 韓嵩はそう言うと、深々と頭を下げた。

「この地にて郡丞として置いてくれた事で、恩人にお礼を申し上げる事が出来ました。感謝申し上げます」

「恩人?」

 韓嵩が言う恩人とは、誰の事なのか分からなかったので曹昂は首を傾げた。

 其処に韓嵩が教えてくれた。

「亡き劉表の奥方であられる蔡夫人にございます」

「蔡夫人が恩人とな。何かあったのか?」

「わたしが劉表を怒らせて牢に入れられそのまま処刑される予定だったのです。ですが、その話を聞いた蔡夫人が劉表を説得してくれたのです。お陰で処刑は無くなり牢獄生活となりました。まぁ、友人が助けてくれたので困る事はありませんでした」

「成程。それで恩人か」

 韓嵩の話を聞いて恩人の意味は分かったが、曹昂には腑に落ちない事があった。

「貴殿と蔡夫人とはどういう関係なのだ?」

「わたしの家と蔡夫人の家は昔から交流がありましてな。昔朝廷に居た張温という者が居たのですが、その者の妻は蔡家の者という事は知っておりますか?」

 韓嵩の問いに、曹昂は顔は思い出せないが朝廷に居た事は憶えていたので頷いた。

「二人の仲を仲介したのは、わたしの家なのです。わたしの家は荊州でも名門ですので、その縁で紹介したのです」

「成程な。その恩返しに助けたのか」

「だと思います。劉表の故郷による際、劉琦様一行がこの県に寄りましたので、太守にお願いして出来る限りの歓待を致しました。その際に夫人にお礼を言う事が出来たのです。正直な話、一生感謝の言葉を言えぬだろうと思っておりました」

 韓嵩が非常に喜んでいるので、曹昂は良かったと頷いていた。


 数日後。


 補給を済ませた曹昂軍は宛県を後にした。

 曹休に城外に出て見送られながら、許昌へ出発した。

 

 同じ頃。

 許昌に居る曹操の元にある報告が齎されていた。

「なにっ、小喬が懐妊がした為、子が生まれるまで送れぬだとっ⁉」

「は、はい。その通りです」

 孫権が送って来た使者の話を聞いた曹操は唸っていた。

(子が出来た以上、送るのは遅れるの仕方がないか・・・・・・待てよ)

 鄴に連れて行けないので、どうでも良いと思った曹操であったが、直ぐにこれは使えると思った。

(ふむ。悪くないかもしれんな)

 そう考えた曹操は口角をあげるのであった。

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― 新着の感想 ―
ヒトヅマスキー
また奥内の積乱雲が急速発達しそうな事を…w
曹操、死んでも治らん。 不治の病だ、これは。
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