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生まれ変わったら曹昂だった。 前世の知識を活かして宛城の戦いで戦死しないで天寿を全うします  作者: 雪国竜
第二十章

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非常に気になっていた

 曹昂は襄陽にて年を越した。


 情勢も落ち着きだしたので、そろそろ陳留に帰るべきだと思い、曹仁に帰還する旨を告げた。

 曹仁も問題ないと言うので、帰還の準備を整えた。

 その最中、曹昂はある事を思い出した。

(そう言えば、諸葛亮の奥さんと会ってないな)

 結婚の話を聞いた時から、どのような女性なのか気になっていたので、諸葛亮に会えるかどうか訊ねる事にした。


 翌日。


 諸葛亮に妻に一目会いたい言うと、快く承諾してくれた。

 用意されている屋敷に赴くと、使用人が居なかったが女性が出迎えてくれた。

 年齢は二十代ぐらいであった。

 肌は日に焼けた様に小麦色で、髪色は赤かった。

 顔立ちは、綺麗とは言えないが醜くもないという平凡な顔つきであった。

 身長も女性にしては高く、七尺五寸(約百七十センチ)はあった。

 諸葛亮も身長が高いので、二人が並ぶと身長差が無かった。

「お、お初にお目にかかります。諸葛亮の妻の黄月英と申します」

 女性はそう名乗り頭を下げた。

「おお、あなたが奥方か。初めてお会いする」

 女性こと黄月英が挨拶するのを聞いて、曹昂も返礼する。

(醜女でも無く綺麗とは言わないが、普通の女性だな)

 これでも、この時代の価値観で言えば黄月英は醜女に入るのであった。

 この時代の女性の綺麗の基準は、色白で髪は黒であった。

 肌は小麦色で赤毛なので、この時代では美人とは言えなかった。

 曹昂がジッと黄月英を見ていると、当の本人は身体を震わせていた。

 その震える姿は、まるで栗鼠の様であった。

「申し訳ありません。妻は人見知りですので」

 諸葛亮は黄月英の傍に来ると、肩に優しく手を置いて述べた。

「そうか。では仕方がないな」 

 黄月英の反応を見ても、曹昂は気にした素振りを見せなかった。

 その後、屋敷に休憩させてもらった。

 屋敷に入ると、茶を飲みつつ雑談に興じていた。

 長く話していたのだが、不意に腹の虫が鳴りだした。

「むっ、もう昼か」

「これは気付くのが遅れてしまい申し訳ありません」

「良い。では、これで」

「お、お待ちを」

 曹昂は席を立とうとした所で、雑談に興じている間、黙っていた黄月英が口を開いた。

「直ぐに用意しますので、す、少しお待ちください」

「そうか。では」

 用意すると言うのを聞いて曹昂は座り直すと、黄月英が部屋を後にした。


 四半刻(約三十分)後。


「お、お待たせしました」

 黄月英が盆に乗せて来たのは、深い器であった。

 それを曹昂と諸葛亮の前に置いた事で、器の中に何が入っているか分かった。

 湯気が立つ透明な液体の中にあるのは、雪の様に白く小指ぐらいに太く長い物であった。

「これは饂飩(うどん)か」

「思っていたよりも、早く出てきましたな」

 曹昂達はもう少し時間が掛るだろうと思っていたので、思っていたよりも早く出来て少々面食らっていた。

 湯気が立っているので、早速頂こうと思い用意された箸を取り饂飩を掴む前に、器を持ち液体を啜った。

「・・・・・・美味しい(タン)だな。肉で取ったのだな」

 味付けは塩味であったが、その分スープの味が良く分かった。

 肉を良く煮込む事で味に深みを出していた。

 湯を十分に味わった後、曹昂は箸で饂飩を掴み口に運び咀嚼すると、この饂飩は腰があるなと思っていた。

(歯ごたえがあるな。でも、美味いな)

 黄月英は思っていたよりも料理上手なのだなと思いつつ、饂飩を味わっていた。

 やがて、器の中にあった饂飩を全て平らげてしまった。

「済まぬが。お代わりを貰いたい」

「は、はい。ただいま」

 曹昂はお代わりを所望すると、黄月英はお盆に器を乗せて部屋を後にした。

 お代わりを待っていると、諸葛亮が席を立った。

「どうしたのだ?」

「厠に」

 そう言って諸葛亮が部屋を後にすると、少しして戻って来た。

 戻ってくるなり、何かに納得したような顔をしていた。

「どうかしたのか?」

「いえ、気になさらずに」

 曹昂の問いに諸葛亮は微笑んでいた。

 その後、黄月英が饂飩のお代わりを持ってきてくれた。

 

 昼食を食べた後、曹昂は屋敷を後にした。

 曹昂を見送ると、諸葛亮は傍にいる黄月英を見た。

「饂飩の作り置きなど用意してないのに、饂飩が出てきたので驚いたが、まさかあのような方法で作るとは」

「や、屋敷にお招きした客人に何もせず帰すのは、失礼ですから。急な来客が来た時に作れるようにしました」

 そう述べる黄月英に諸葛亮は微笑んだ。

「貴方を妻に迎える事が出来て、わたしは嬉しく思う」

「あ、ありがとうございます」

 諸葛亮の顔を見て、黄月英は頬を赤く染めるのであった。

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― 新着の感想 ―
いったいどんな方法で作ったんだろう…?
おどおどする月英さんかわヨ w 丸kmならぬ黄月うどん
オオゲツヒメ したはいくらなんでも無いか
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