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とりあえず、する事は

 報告を聞いた曹操は直ぐに主だった家臣を招集した。

 少しすると、城内の大広間にて集まった。

 上座に座る曹操は家臣達を見回したが、曹昂の姿が無い事に気付いた。

「子修はおらんが。どうした?」

「まだ来ていない様ですな」

 曹操の問いに程昱が答えると、部屋に曹昂が入って来た。

「父上。遅れてしまい、申し訳ありません」

「良い。それよりも、早く並ぶがよい」

「はい」

 曹昂は言われるがままに、家臣の列の中に加わった。

「皆集まったな。既に聞いているだろうが、周瑜が反乱を起こし、孫権は幽閉されているそうだ。それにより、揚州では混乱が起こっている。これをどうするべきだと思う?」

 曹操が訊ねると、荀攸が前に出てきた。

「丞相。揚州の混乱は時が立てば治まります。ですので、この混乱している時に攻め込むのが良いと思います」

「荀攸殿の申す通りです。荊州の足場は固まりましたので、長期戦となろうと問題ありません。この混乱の最中を攻め込み周瑜を討つべきです」

 荀攸の意見に程昱が賛同した。

 曹操もそう思ったのか、頷いていた。

 其処に曹昂が口を開いた。

「父上。揚州は混乱しておりますが、周瑜もそれを見越しているでしょう。ですので、迂闊に攻め込むのは待った方が良いと思います」

「そうか? 周瑜が打てる手など無いであろう」

「丹陽郡の劉備と手を組む事が考えられます」

 曹昂の予想を聞いて、場がざわついた。

「静まれ。子修。そう申す根拠はあるのか?」

「他に手が無いというのもあります。劉備も独立こそしましたが、単独では我らに勝つ事は出来ません。孫権に成り代わった周瑜も現状では兵力が足りません。それらを考えて、手を組むと考えられます」

「ふむ。呉越同舟という事か。それで、お前はどうするべきだと思う?」

「まずは呉郡の孫暠を説得しましょう。孫権を倒した後に、揚州の刺史にでもすると言えば、我らに従うでしょう」

「呉郡を手に入れて、何に使うつもりだ?」

「徐州の韓綜に兵を出してもらい、丹陽郡と会稽郡を牽制させるのです。韓綜も揚州に長くいた為、土地勘はあるでしょう。同時に陳登に揚州に調略を掛けさせましょう」

 曹昂が策を聞いて、郭嘉が頷いた。

「良き策ですね。呉郡はこちらの調略で独立こそしましたが、完全に支配下に入っておりません。この時に、朝廷に従属させれば、周瑜は混乱します。同時に揚州の各地に調略を掛ければ、混乱が長引くでしょうね」

 策の見事さを褒められて、曹昂は微笑んだ後、此処からが本題と顔を引き締めた。

「そして、江夏郡に兵を差し向けましょう。廬江郡に接しておりますので、牽制させるのに良いでしょう」

「牽制か。その軍は誰が率いる?」

「荊州の土地ですので、此処は荊州の兵を動かしましょう。率いるのは・・・・・・文聘殿が良いと思います」

「文聘か。劉表の家臣は降伏したばかりだから、此処で功績を立てようと躍起にならんか?」

「其処は、江夏郡の太守である厳幹に上手く手綱を取らせましょう。無理であれば、兵を駐屯させる様に厳命させましょう」

「それでよいか。他に何かあるか?」

「いえ、ありません」

 曹昂がそう答えるのを聞いて、曹操はある事を思い出した。

「そう言えば、使者として来た魯粛はどうした?」

「あの者は別室にて待機しております」

「ふむ。あの者をどうするべきだと思う?」

「父上。あの者については、わたしにお任せを」

「お前がか?」

「はい。良い手を思いつきましたので」

「・・・・・・お前に任せる。好きにしろ」

「お聞き届け下さりありがとうございます」

 曹昂は一礼する。

 その後、会議が終わると、曹昂はある人物に近づいた。

「陳琳殿。ちょっとお話が」

「何でしょうか?」

 声を掛けられた陳琳は何事だろうと思いつつ、別室にて曹昂の話を聞いた。

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― 新着の感想 ―
腹黒御曹司とプロ煽りマンが組んでなにかろくでもないことを(楽しみw
檄文を(母親に)だすんですねw人妻好き対策に
もう呼ぶ人から煽りと分かる。
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