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生まれ変わったら曹昂だった。 前世の知識を活かして宛城の戦いで戦死しないで天寿を全うします  作者: 雪国竜
第十八章

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怪しかったので

 孫権が長沙郡の侵攻を決めた頃。


 荊州武陵郡漢寿県。

 県城内にある屋敷。その一室には劉表の家臣である蒯越が男と居た。

「報告を聞こうか」

「はっ。蔡瑁様は普段通り軍務を行っており、それが終わると御自分の屋敷にお帰りになっております」

「軍務の際、何か不審な事をしていなかったか? 何処かに文を送ったとか?」

「いえ、そのような事をしていませんでした」

 男の報告を聞いて、蒯越は唸りながら息を吐いた。

 今蒯越と話をしているのは、自分の部下でその者を使い密かに蔡瑁の行動を監視させていた。

 何故、そのような事をするのかと言うと、蔡瑁が曹操と通じているのかもしれないと思っていたからだ。

 前々から、曹操と知人であるという事を聞いてはいたが、大した交流もないので、敵に通じる事はないだろうと考えていたのだが、襄陽が攻略された頃から、疑い始めていた。

 最初籠城を決め込んでいたが、襄陽内にある兵糧が収められている倉が燃やされたが、その場所を知っているのは家臣だけであった。

 誰かが、敵に教えたとしか考えられなかった。

 それに加えて、襄陽から漢寿から移動する時も、進路に敵はおらず見つかる事無く逃げる事が出来た。

 まるで、敵にその道を通る事を教えたから逃げる事が出来た様であった。

 一つであれば偶然と言えたが、二つも重なれば偶然に片付けるのは、無理であった。

 そんな事があったので、蒯越は蔡瑁を疑い、部下に命じてその行動を監視させていたのだ。

(考え過ぎだったのか? しかし、他に曹操と通じて利益を得る者はおらんしな)

 蔡瑁と蒯越は同じ劉琮派であるので、疑いたくはないのだが他に曹操に通じそうな者が居ないので、疑うしかなかった。

 特に変な行動をとっていないので、そろそろ監視を止めるかと思っている所に、男が何か思い出したのか告げた。

「そう言えば、昨日ですが。城内にある店に入るのを見ました」

「店?」

「はい。膠飴(こうい)という屋号でした」

「ふむ。それは何の店だ?」

「飴を売っている様です。蔡瑁様はその店に入った後、城に戻るまでの間に懐から袋を取り出すと、その袋から飴玉を出して舐めておりましたので、どうやら定期的に飴玉を買っている様です」

「飴玉か。甘い物を食べたいだけであろう」

 店に入ったと聞いて、何かと思ったが飴を売っている店だと知るなり、蒯越は大した事ではないと思い首を横に振った。

「ご苦労であった。もう監視は止めてよいぞ」

「はっ」

 男は一礼し、その場を離れて行った。

「・・・・・・考え過ぎであったが? しかし、偶然がそうそう重なる事などないと思うが」

 蒯越の独白した。


 翌日。


 揚州にいる密偵から、孫権が兵を集めているという報告が齎された。

 報告を聞いた劉表はすぐに家臣を集め、評議を行うと共に長沙郡にいる劉磐に警戒を促す様に文を送る。

 その後、劉表も兵を集めていると、劉磐から文が届けられた。

 孫権、長沙郡に侵攻。

 と短いが、意味が直ぐに分かるように書かれていた。

 その文を読んだ劉表は直ちに援軍を送る様に指示を出した。 

「殿、全軍を送れば曹操が攻め込んでくるかもしれません。此処は文聘殿を出すか、蔡瑁殿を出すか決めましょう」

 蒯越は援軍の中核は歩兵なのか、それとも水軍なのか訊ねた。

 劉表も暫しどちらを中核にするか考えていると、蔡瑁が口を挟んだ。

「殿、襄陽には水軍はいない様です。此処はわたしを残して、文聘殿を送った方が良いと思います」

「そうだな。文聘」

「はっ」

「話は聞いていたな。二万の兵と共に劉磐を助けよ」

「はっ。承知いたしました」

 文聘は答えた後、その場を後にして準備に取り掛かった。

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― 新着の感想 ―
危ない危ない。 蒯越さんには悪いが、ここでバレたら面倒なので……
飴屋作戦大成功じゃないかw
思い込みって怖いね。ヒントがあっても正解に辿り着けなくなる
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