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生まれ変わったら曹昂だった。 前世の知識を活かして宛城の戦いで戦死しないで天寿を全うします  作者: 雪国竜
第十八章

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対処ができない

新年あけましておめでようございます。

 今年も拙作をお楽しみください。

 曹昂率いる軍勢が江夏郡に侵攻するという報は直ぐに孫権の耳に入った。

「おのれっ、曹操の南征が中止になったから、暫く戦はないと思っていたというのに」

 内政に勤めようと考えていた所に、曹昂軍の侵攻を聞き孫権は怒気を発していた。

「劉備殿は江夏郡を手に入れたばかり、まだ何も基盤も作っておりません。攻める時期としては、まさに好都合と言えますな」

「確かにな。敵ながら良い時に攻めたと言えるっ」

 魯粛が江夏郡に攻め込むと聞き、敵の抜け目の無さを称えると、孫権も怒りながら同意した。

「本来であれば、劉備に援軍を送りたいのだが。周瑜からの連絡は届いたか?」

「未だに届きません。丹陽郡に居る事は確かです」

 魯粛の報告を聞き、孫権は溜息を吐いた。

 曹昂軍の侵攻する少し前、九江郡の合肥にいる劉馥が兵を教練していると聞いた周瑜が兵を率いて丹陽郡に向かっていた。

 昔から兵の教練を行うと見せかけて、進軍するという事がある為警戒の為に向かったのだ。

「それに殿、劉馥に加えて長沙郡の劉磐が兵を動かす気配があると、海昏にいる程公から報告がきております」

「ええいっ、忌々しい。あやつがいるせいで、碌に兵を動かす事が出来んっ」

 劉磐の名を聞き、孫権は肘置きを強く叩いた。

 その所為で、室内に大きな音が響いた。

「殿、我らには出来る事はありません。此処は劉備殿が曹昂の軍勢を撃退する事を祈りましょう」

「出来ると思うか?」

 孫権の疑問に、魯粛は唸る事しか出来なかった。

 今の劉備の状況と曹昂の配下の多さと兵力の差を考えると、九割負けると思っているからだ。

 だが、それを口に出せば、孫権の機嫌が悪くなるだけなので唸る事しか出来なかった。

「・・・・・・意地の悪い事を聞いたな。では、聞き方を変えよう。もし、劉備が揚州に逃げて来た時は、どうするべきだと思う?」

 魯粛の顔を見て、孫権は劉備は負けると悟り、もう劉備が負けて江夏郡が奪われる事を前提に行動するべきと判断し訊ねた。

「殿が援軍を送る事が出来なかったのですから、此処はまた食客として迎えるのが良いと思います」

「そうするしかないか。はぁ・・・」

 孫権は気が重いのか、溜め息を吐いていた。


 数日後。


 城内にある劉備が使っていた屋敷で療養中であった麋竺が金で兵を雇い、劉備の下に赴くという事をした。

 麋竺が勝手に兵を集めたという事を聞いた孫権の家臣達は、麋竺を処罰するべきと孫権に直訴した。

「主人の力になろうと、私財を使い兵を用意したのだ。その忠義を褒めこそすれ、処罰するなど以ての外」

 と言い、処罰しない事にした。

 本当の所は、援軍を送る事が出来ない代わりに目を瞑るだけであった。

 家臣達もそれが分かっているからか、何も言う事が出来なかった。


 それから、十数日後。

 ボロボロの姿になった劉備達が、孫権の下に来た。

 訪れるなり、曹昂との戦に負けた事と、麋竺が囮になったお陰で逃げる事が出来たと話した。

 話を聞き終えた孫権は劉備を再び食客として迎えると告げて、劉備達を安堵させた。

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― 新着の感想 ―
明けましておめでとう。 孫権にとってはおめでとうではないか(笑) まるで桃○郎電鉄の電車の後ろについて回る貧乏神の如く引っ付いて回っているようだ。
おめでとうございます。 あーあ…w厄介払い、壁用に雇ったのに母屋に戻ってきやがったw今年も孫権の運をgkgk吸い取って生き延びるんやろなぁ耳長団
あけましておめでとうございます
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