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生まれ変わったら曹昂だった。 前世の知識を活かして宛城の戦いで戦死しないで天寿を全うします  作者: 雪国竜
第十七章

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854/1043

同じ頃、河北では

 時を遡り、曹操が許昌から鄴への帰還の途に着いている頃。


 冀州魏郡鄴県。

 その県には、父の曹操から留守を任された曹丕が居た。

 曹丕の下に河間郡で起きた反乱の報告が齎された。

「河間郡からの報告ですと、反乱は依然勢力が衰える気配は無いとの事です」

 報告を聞いた曹丕は唸っていた。

「ぬう、これは父上がお戻りになる前に強大になるかも知れないな」

 そうなっては、反乱の鎮圧に時が掛かるかも知れなかった。

 曹丕は何かを決意した顔で立ち上がった。

「最早父上の御帰還を待つ事が出来ん。一刻も早く、反乱を鎮圧する必要がある。兵を集めよ。わたしが率いる!」

 曹丕が宣言したが、側に居た二人の男が止めた。

 二人共、五十程であったが、一人は顎に髭を生やし優しそうな顔立ちをしており、もう一人は整った口髭を生やし、立派な風采を持っていた。

 最初の男の名は国淵。字を子尼と言い、もう一人は常林。字を伯槐という者達であった。

 曹操の招聘に応じて、国淵は居府長史(丞相に就任した曹操が設置した官職で、出陣中の政務を代行などを行う)に、常林は功曹に任命されていた。

「お待ち下され。丞相は曹丕様に留守を任せられました。反乱を鎮圧する為とは言え、この鄴を空けてはなりません」

「国長史の申す通りです。曹丕様はこの地における要にございます。どうかご自重を」

 と言い、二人は曹丕の出陣を思い留まらせた。

 常林は更に意見を述べた。

「わたしは功曹に任命される前は、幽州にて刺史をしておりました。ですので、河北については知っております。此度の反乱は大した事はできません。将軍に任せれば十分に鎮圧出来ます」

「そのとおりにございます。鄴には高覧、路招と二人の百戦錬磨の名将がおられます。この二人に任せれば、十分でしょう」

 国淵達の意見を聞いて、曹丕は冷静になったのか、椅子を座り直した。

「そうか・・・うむ。では、二人を此処に」

「「はっ」」

 男達は一礼し、高覧達を呼ぶ様に命じた。

 そして、呼び出された高覧達に曹丕は、鄴を守る為の兵を除いた全ての兵を与え反乱の鎮圧を命じた。

 高覧達はその命に従い、準備を整えるなり直ぐに河間郡へと向かった。


 十数日後。

 高覧からの使者が鄴に参った。

「高将軍と路将軍の活躍により、反乱軍は壊滅。首謀者である田銀と蘇伯は討ち取りました。また、多くの捕虜を得ました」

 使者の報告を聞いて、曹丕達は歓声をあげた。

 そして、後の事は太守に任せて、両将軍は鄴に帰還する様に命じた。

 命を受けた使者は直ぐに立ち、高覧達の下に戻って行った。

 数日後、高覧軍は鄴に帰還した。

 

 それから暫くして、曹操軍が鄴に帰還した。

 曹操は帰還するなり、反乱が鎮圧された事を聞いて、顔を顰めていた。

「忌々しい事だ。直ぐに鎮圧されるのであれば、曹丕に任せておけば良かったわ」

「これも高覧と路招の両名のお蔭にございます」

 曹丕は当初は自分が出陣しなければ、鎮圧出来ないと思っていたが、国淵達が高覧達を派遣するだけで十分という進言をきいて従っただけであったので、高覧達のお陰だと述べた。

「そうか。両名には後で、褒美を渡すとしよう。それで、反乱に参加した者達はどうしている?」

 曹操が頷きながら尋ねると、国淵が答えた。

「既に首謀者である田銀と蘇伯は討ち取り、一族の者達も処刑しております。残っているのは反乱に参加した者達とその一族の者達です」

 その報告を聞いた曹操の目が光った。

「反乱に参加した以上、誰であろうと殺すしかない。全員処刑せよ」

 曹操は厳酷といえる命を下したが、其処に国淵が意見を述べた。

「丞相。反乱を起こした者達は処断いたしました。ですので、残った者達の処刑をお止めください」

「何を言う。反乱を起こした者達を生かせば、また反乱を起こすかも知れんのだぞ」

「恐れながら、河間郡は我らの領地の中にあります。此度の反乱で田畑が荒れ、民心は乱れております。此処は残った者達を生かし荒れた田畑を耕させましょう。さすれば、丞相の温情を知り、民心も落ち着くでしょう」

「・・・・・・成程な。良し。そうするが良い」

「丞相の寛大な処置に感謝を」

 国淵の意見を聞き入れ、曹操は反乱で捕虜になった者達に労役をさせるが、処刑はしない事にした。

 その後は、冀州と幽州の慰撫し、民心を落ち着かせていった。

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本気で怒っているのか、ポーズとして怒っているのか見極める技能も側近には必要なんだろな
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