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生まれ変わったら曹昂だった。 前世の知識を活かして宛城の戦いで戦死しないで天寿を全うします  作者: 雪国竜
第十七章

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料理で一番美味しい食材は

 数刻後。


 大広間にて、宴が開かれた。

 反乱鎮圧の功労者である司馬懿、法正、龐徳の三人を皆、酒瓶を持って盃に注ぎ称えた。

 皆酒を飲みながら、膳の皿に盛られている物をツマミにして飲んでいた。

 それは淡い茶色の四角い形をしており、中に肉片が混じっていた。

「この四角の形をした物は面白いですな」

「箸で簡単に崩せて、口の中に入れ咀嚼していく内に溶けて汁となっていく。美味しいですな」

 皆、この四角い形をした物の味が酒に合うからか、飲んでは摘まみ飲んでは摘まみを繰り返していた。

 それが無くなると、お代わりを頼むのであった。

「殿、この酒のツマミにピッタリな物は何ですか?」

 孫礼が箸で摘まみながら、曹昂に尋ねた。

「それは豚の腿肉を煮込んだ羹を一晩寝かせて出来た物だ。肉はその羹を細かくしただけだ」

「羹が一晩置くとこうなるのですか⁉」

 孫礼が驚きの声をあげるが、他の者達も同じなのか目を丸くしていた。

 彼らにとって羹は汁であって、箸で摘まめる程に固まる事に驚いている様だ。

(豚の皮にはゼラチンが多いから、冷ました後スープは煮こごりになる事は知っている人はいないだろうな)

「この料理、名前は付けていなかったが、肉が入ってるし肴に持って来いだから、肴肉と名付けるか」

「丁度良い程に似合いな料理名ですな」

「・・・・・・同感です」

 張燕と高順が気に入ったのか賛同した。

 そのまま酒と肴肉を楽しんでいると、侍女達が皿を持って別の料理を運んで来た。

 家臣達の膳に皿が二つ置かれた。

 一つは赤茶色の四角い物が盛られていた。

 よく見ると、肉と言う事は分かった。

 もう一つは淡い黄色い色がついた四角い形をしており、中に何か挟んでいるのか淡いピンク色している物が挟まっていた。

「・・・おお、これは柔らかいな」

 虞翻が箸で赤茶色の肉を突っつくと、簡単にほぐれた。

 肉を摘まみ、口に運んだ。

「んっ、ん~、これは凄いな。噛むと簡単にほぐれるというのに、脂の部分にもしっかりと味が染み込んでいる。だと言うのに、後味がしつこくないぞ」

 虞翻がその肉を食べると、その柔らかさと甘辛い味を味わっていた。

 他の者達もその味を楽しんでいた。

「むぅ、この味は、豚肉の様だな。皮と白い脂身に肉という層になっている。煮込んでいるというのに、皮も脂身も噛めば簡単に噛み切れる程に柔らかいというのに、それでいて、脂が残っており口の中に溢れてくる。肉の部分もホロリと崩れながら味がしっかりとついている。味が濃いからか、脂身の脂をしつこくさせない。何時までも噛み続けていたくなる味だ」

 孫礼も肉を食べつつ、その味を批評していた。

 その批評を聞きながら呂布が箸で淡い黄色い色がついた四角い形の物を摘まみ口に運んだ。

「・・・おっ、柔らかいと思っていたら、サクサクとした食感がするな。そして、甘い味がするな」

 食べた呂布はサクサクした食感の後に、甘みを感じた。

 砂糖の様な強い甘みではないのだが、甘いと感じるのであった。

「甘い? 菓子という事なのか?」

「分からん。とりあえず、食べてみれば分かるだろう」

 呂布が料理の味を言うのを聞いて、他の者達も食べ始めた。

「・・・・・・確かに甘みを感じるな」

「砂糖みたいに強い甘みではないのだが、甘いな」

 食べた者達は皆、食べた事が無い甘みなのか不思議な顔をしていた。

「殿、この肉は煮込んだ物という事は分かりますが、こちらの淡い黄色い色がついた四角い形の物は何ですか?」

 食べた張松は何処かで食べた事がある味だなと思いながら、曹昂に訊ねた。

「肉の方はその通り穀醤(しょうゆ)で煮込んだ物だ。もう一つは川蝦のすり身をパオンで挟んで揚げた物だ」

「あっ、川蝦のすり身でしたか。成程」

 張松は、何処かで食べた事がある味という事が分かった。

 故郷である益州は海は無いが大きな河川が幾つも走っているので、幼い頃から河魚と川蝦をよく食べていた。

 故郷を離れてそれなりに経つが、懐かしい味だと思っていた。

 その後も、宴は和やかな空気に満たされたのだが。

「やはり、肉は美味いな。これだけで酒のあてに十分だ」

 酔っている呂布が煮込んだ肉を頬張りながら言いだした。

 出身が内陸の為か、魚よりも肉を多く食べる事が多いからそう言うのであった。

「いや、魚の方が良いだろう。この川蝦のすり身も美味いが、魚のすり身も十分に酒のあてになる」

 呂布の言葉に反する様に言うのは、徐盛であった。

 故郷である徐州琅邪国莒県(きょけん)は海と川も近くにあるので、魚が美味しいと思っていた。

「いや、肉が一番だろう」

「魚が一番美味しいでしょう」

 呂布と徐盛は酒が入っているからか酔っている様で、互いを唸りながら睨んでいた。

「わたしはどちらかと言えば、肉だな」

「わたしは魚だな」

 呂布達の口論を聞いてか、他の者達も自分の好みを語りだした。

 酒の酔いが入っている所為か、皆肉の良さと魚の良さを語りだした。

 曹昂は皆の口論に混じらず、酒を飲みながら食事を楽しんでいた。

赤茶色の肉の煮込みは角煮。

川蝦のすり身をパオンで挟んで揚げた物はシュリンプトースト又はパンロールの様な物と考えて下さい。

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― 新着の感想 ―
今更だけど、あの呂布が和気藹々とみんなの輪に入って楽しそうに過ごしてる光景っていいなぁ
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