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生まれ変わったら曹昂だった。 前世の知識を活かして宛城の戦いで戦死しないで天寿を全うします  作者: 雪国竜
第十七章

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対応を考えていたが

蒼梧郡で反乱が起きたという報告を聞くなり、劉表は直ぐに軍議を開いた。

 軍議には、蒼梧郡の太守である呉巨と頼恭の姿があった。

 家臣が全員集まったのを見て、劉表は上座に座りながら、周りを見る。

「既に皆は聞いていると思うが、蒼梧郡にて反乱が起きた」

 その言葉を聞いて、家臣達はざわつきだす。

 劉表が手を掲げると、ざわつきがピタリと止まる。

「報告した者の話では、蒼梧郡の殆どの県が反乱に同調し反乱に協力しているそうだ。呉巨よ」

「は、はっ」

「お主が蒼梧郡に居た時は、反乱が起きる気配は無かったのか?」

「・・・全くありませんでした。わたしが蒼梧郡を出る時は、信頼している部下の区景に任せてきました」

 呉巨は青い顔をしながら言うが、それを聞いた頼恭は鼻で笑っていた。

「はっ、あの蒼梧郡出身で武勇は優れていたが卑しい男か。わたしは常々言っていただろう。あの男を重用するのは止めた方が良いと」

「ぬうっ、この反乱は区景が起こしたと言いたいので?」

「まだ分からないので、そうとは言い切れんが。あやつは嘗ての主である張津を殺し、その首を持ってお主に降伏したのだぞ。誰かに唆されで反乱を起こしたのかも知れんぞ」

 頼恭の話を聞いて、ざわつきだした。

「張津だと。前の交州の刺史では無かったか?」

「州牧では無かったか? まぁ、どちらでも良いか」

「部下に斬られたと聞いたが、それが区景だったとはな」

 話を聞いて、家臣達は思い思いに話していた。

 呉巨はその話を聞いて、奥歯を噛んでいた。

 其処に蒼梧郡から兵が参り、新しい報告が齎された。

 反乱を起こしたのは区景で蒼梧郡は完全に掌握された事と、区景は勝手に蒼梧郡太守と称したと分かった。

 その報告を聞くなり呉巨は青い顔から、土気色の顔になっていた。

 日頃から鬱憤が溜まっていたのか頼恭はここぞとばかりに、日頃の行いを責めるのであった。

 頼恭が責めるのが治まると、劉表は兵を出すべきかそれとも様子見をするか話し合った。

 劉表としては、兵を出して蒼梧郡を奪還したかったが、先の戦で失った武具と兵の補充がすんでいないので、家臣達は出兵は無理と言うのであった。


 同じ頃。


 交州交阯郡龍編県の城内の一室。

「ははは、これは上手くいったな」

 士燮は手に持つ文を読むなり笑っていた。

 文には区景が蒼梧郡で反乱を起こし掌握した事、そして蒼梧郡太守と称した事が書かれていた。

「間者からの報告で呉巨が苛政をしている為、蒼梧郡の民達は不満と怒りを抱いていると聞いていたが、此処まで早く掌握するとはな」

 士燮は予想以上に早く区景が蒼梧郡が支配したが、これも想定していたのか驚く様子も無かった。

「さて、あやつはこの後どうするのであろうな。独立するか? それとも、文に書いたとおりにするであろうか?」

 笑みを浮かべる士燮。

 まるで、この後、何が起こるのか分かっているかのようであった。

 その数日後。

 蒼梧郡太守と称している区景は、士燮に降伏を申し出てきた。

 家臣が驚く中、士燮はその降伏を受け入れた後、改めて区景を蒼梧郡太守に任命した。

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― 新着の感想 ―
[一言] 妖怪の手が着々とwこれは是非陳留の妖怪とも伝手もってほしいところw交州からだと孫権へのトゲにもなるし
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