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生まれ変わったら曹昂だった。 前世の知識を活かして宛城の戦いで戦死しないで天寿を全うします  作者: 雪国竜
第十六章

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やはり、〇か

 丞相府を後にした曹昂は、護衛の趙雲達と合流し私邸へと向かった。

 先触れを出さなかった為、私邸に着くと使用人達と家族全員に驚かれた。

 屋敷に入ると、そのまま丁薔の部屋へと足を向けた。

 廊下を歩いていると、曹昂が来た事を聞いたのか、弟妹達が姿を見せた。

 曹丕も姿を見せたので、少し立話をする事にした。

「夫婦の仲はどうだ? 上手くいっているか?」

「はい。ご心配をおかけしましたが、今は夫婦をしております」

 既に仲は良くなった事は知っているが、確認の為に訊ねる曹昂。

 訊ねられた曹丕は申し訳なさそうな顔をして、頭を下げた後、苦笑いしていた。

 その反応から、上手くは言っているのだと理解できた。

「それで、その妻はどうしているのだ?」

「申し訳ありません。今、病に罹っておりまして、部屋で休んでおります」

「そうか。では、会うのはまた今度にさせて貰おうか」

 まだ床上げ出来ていないのであれば、会うのは無理と思い、曹昂は手を振り曹丕と別れた。

 そして、丁薔の部屋の前に来ると軽く身嗜みを整えた。

 整え終わると、部屋の前に居る侍女に声を掛けた。

 侍女が部屋に入り、少しすると戻って来た。

「どうぞ。お入り下さい」

「うむ」

 侍女の後について行き、部屋に入って行く。

 部屋に入ると、室内には丁薔だけではなく卞蓮も居た。

 卓の上には茶器が置かれているので、丁度二人で茶を飲んでいる所だった様だ。

「母上。卞夫人。お久しぶりです。曹子脩、参りました」

 部屋に入り、曹昂は二人に一礼すると、二人は返礼してくれた。

「御二人共、昔とお変わりないご様子で、嬉しく思います」

「まぁ、何時の間に、そんな歯が浮く様な事を言える様になったの、この子」

「ああ、旦那様に似たのでしょうね。昔はあんなに可愛い子だったというのに」

 曹昂の言葉に、丁薔達は揶揄いはじめた。

(何故、わたしの親族は皆、わたしを揶揄うのだろう?)

 そう思いつつ、折角来たので雑談に興じた。

 そうして話していると、曹昂はふと思い出した事があった。

「あっ、そうだ」

「何かしら?」

「少し前に、貂蝉が懐妊しましたので、報告しますね」

 曹昂が話のついでとばかりに言うと、場の空気が凍った。

「あら~」

「・・・・・・子脩」

「はい?」

 今迄にこやかな顔で話を聞いていた丁薔の雰囲気が変わった。

 それを見た曹昂は何故か、昔怒られた事を思い出した。

「貴方は、・・・どうして、その様な大事な事を事前に伝えないのっっっ‼‼‼」

「え、今伝えたではありませんか」

「貂蝉が懐妊したのであれば、先に言うのが道理でしょう! 母に恥をかかせる気ですか⁉」

「いえ、そういうつもりではっ」

「お黙りなさい。大体、貴方という子は筆不精すぎるから、このような事になるのですよ!」

 其処から、丁薔の説教が始まった。

 その間、曹昂は謝る事しか出来なかった。

 

 数刻後。


 ようやく、説教から解放された曹昂は用意された部屋で休んでいた。

「・・・・・・理不尽だ。そりゃ、伝えるのを忘れていたけどさ」

 伝え忘れていただけで、説教を受ける事に不満を零していた。

「・・・・・・まぁ、わたしが筆不精すぎるのが悪いのだけどね」

 そう呟いて、溜飲を下げる事にした。

「しかし、今回は無駄足だと思ったが、母上達に貂蝉の事を報告できたから良しとするか」

 そう呟いた後、曹昂は考えた。

(今回の事で、情報の伝達が遅かったのが分かったな)

 今度の様に重要な情報を早く伝達する方法が欲しいと思う曹昂。

(今までは駅を使っていたが、もっと早く情報を伝達する方法が欲しいな)

 此処で言う駅とは、国の中央から辺境にのびる道に沿って適切な間隔で人・馬・車などを常備した施設を置き、施設から施設へと行き来することで逓送し情報を伝え、また使者が交通・通信する為の手段にして制度の事だ。

 伝馬制とも言い、この施設のことを「駅」又は「伝」と言われている。

 この制度は古く春秋戦国時代には既に出来ており、秦と漢の時代には国中に発達していた。

「馬よりも早いとなると、鳥か」

 軍用鳩を今後使う事を思案する事にする曹昂。

 陳留に帰った時に、劉巴達に相談する事にした。

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― 新着の感想 ―
[一言] どうして揶揄われるのだろう… そういうところですw何事もなくとはいかずにまっまのお説教wしかしそこから通信網整備と。ただでは怒られない
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