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生まれ変わったら曹昂だった。 前世の知識を活かして宛城の戦いで戦死しないで天寿を全うします  作者: 雪国竜
第十四章

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こんな時にでも

 宴が終わり、単福達は客舎に泊まった。

 客舎に入るなり、単福は張飛の部屋へと向かった。

 部屋に入ると、酒の匂いが部屋に漂っていた。

(この方はどのくらい飲まれたのだ? 酒豪とは聞いていたが、此処までとは)

 使っていない部屋である筈なのに、部屋に入ると酒の匂いがするのだから、大量の酒を飲まねばこうはならない。

 単福は現状が分かっていないからこそ、これだけ酒を飲む事が出来たという事だと思い、張飛に話がある為、身体を揺らす。

「将軍。張飛将軍。起きて下され。御話しがございます」

「ん、んん・・・」

 身体を揺らすが、張飛は起きる気配を見せなかった。

「・・・・・・・うるせえええぇぇぇ⁉」

「へぶっ」

 張飛の裏拳が単福の頬を直撃した。

 酔っていた所為か、寝ぼけていたのかあまり力は入っていなかったが、それでも単福は後ろに飛ばされた。

 飛ばされた先は何も無い所であったので、背中をしたたかに打つだけあった。

「くっ、これでは話が出来んな」

 起こそうとすれば攻撃されるので単福はどうしたものかと悩んでいた。

 其処に客舎の外から騒がしい声が聞こえて来た。

「しまった。蔡瑁め。襲撃を掛けて来たなっ」

 劉備が来なかったので、代わりに義弟の張飛を捕まえ、人質にして劉備を呼び出すつもりだと直ぐに分かった。

「張飛将軍、起きて下され。一大事にございますっ」

 もうどれだけ殴られても構わないと思い単福は張飛が起きる様に身体を揺らした。


 同じ頃。

 蔡瑁が手勢を率いて客舎に突撃していた。

「上意である。張飛とその一行は抵抗せず大人しくせよ。さすれば、我が殿から温情を与えられようぞ」

 蔡瑁が周りに良く聞こえる様に大声で叫んだ。

 張飛が連れて来た兵達はどうするか迷っていた。

 張飛の部下の扱いはかなり悪かった。その為、人望があるとは言えなかった。

 それでいて劉備の義弟で武勇に優れているので質が悪いと言えた。

 兵達は命だけは助かりたいと思っていた。

 だが、此処で簡単に降伏したら、張飛にどんな目に遭うか分からなかった。

 兵達は逡巡していると、答えが無い事に苛立った蔡瑁が声をあげた。

「ええい、面倒だ! この場に居る者達全員捕らえろ! 抵抗するのであれば殺しても構わんっ」

 蔡瑁が命じると手勢の兵達は張飛の兵達に襲い掛かった。

 手勢の兵が多い為、手すきな者達は客舎の至る所に入り捜索していた。

 四半時ほどすると、張飛の兵達は何人かは逃げたが、殆どの者達は捕縛された。

 そして、捜索をしていた兵達の報に蔡瑁は耳を疑った。

「なにっ、張飛の姿が無いだと⁉」

「はい。何処を探しても影一つ見当たりません」

「ぬううっ、逃げ足が速い奴っ」

 張飛を捕まえる事が出来なかった蔡瑁は捕縛した張飛の兵達に尋問して、張飛の行きそうな所を尋ねた。

 尋問と言うが、実際は拷問に近く棒で叩くか、鞭打ちをしていた。

 捕縛される兵達は知らないと叫んでも、聞き入られなかった。

 蔡瑁から喋るまで尋問しろと言われている為、兵達は尋問の手を緩めなかった。

 捕縛された際の傷の治療を受けずに、過酷な尋問を受けた為兵の半数が命を落とした。

 その間、蔡瑁は市内を逃亡している張飛の兵達の捕縛の指揮を執っていた。


 張飛の兵達が尋問を受けている頃、単福は逃げる事が出来た兵達に張飛を背負わせて、ある所へ向かっていた。

 単福達は周りを警戒しながら進んだ為、蔡瑁の兵達に見つかる事は無く目的の場所に着いた。

 其処は家であった。

「此処で合っている筈だ」

 単福は兵の一人を顎でしゃくると、兵は門を叩いた。

『どなたです?』

「皇叔の義弟張飛将軍の部下にございます。どうか、中に入れて下され」

『し、少々お待ちを』

 門の向こう側に居た者が慌ててそう言って、門から離れて行った。

 少しすると、門が開けられた。

 開けられた門には使用人と向郎の姿があった。

「単福、いったいどうしたのだ?」

「すまぬ。この様な時刻に参った無礼は謝る。兎も角中に入れてくれ」

「分かった。兎も角中へ」

 向郎は一目で何か遭ったと分かり、詳しい話を聞く為に家の中に入る様に促した。

 単福は友人の家に入り、ようやく安堵する事が出来た。

 そして、未だに目を覚まさない張飛を別室に預け、事の仔細を向郎に話した。

 話を聞いて、どうして宴の主人が劉琦である事に納得する事が出来た向朗。

 そして、友人の無事を喜んでくれた。

 

 翌日。


 ようやく酔いから目を覚ました張飛に単福は昨日の一件を話した。

「なにっ! すると今回の宴は兄者を暗殺する為に開いたのか⁉」

「恐らくそうでしょうな」

「くそっ、俺が連れて来た部下達は?」

「何人かは逃げた様ですが、殆ど捕まったそうです」

「っち、この家には十人程度しかいないのだろう。これでは門の突破も出来ないぞ」

「はい。どうしたものか」

 張飛と単福は頭を抱えた。

 其処に政庁に赴き情報収集してくれた向郎が慌てて戻って来た。

「単福、張将軍。大変な事が起きたぞっ」

「何事だ?」

「江夏郡に孫権軍が侵攻して来たと先程早馬で連絡が来たぞっ」

 向郎の話を聞いて、これは大変な事が起きたと二人は思った。

 単福こと徐福ですが、本作では最終的には徐庶と名乗ります。

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― 新着の感想 ―
[一言] そもそも、徐庶が知恵者なら、曹操の二将を討てば問題になるのは分かるはず 二将を討てば、劉備の命が狙われるのは予測できたと思うけど 張飛は、トラブルメーカーだからなぁ
[一言] 長耳山賊団の所業を知ったら、人質にした脅迫をわざわざしなくても、母親の方から自発的に徐庶に対して「さっさと出奔しろ」と言いそうなのがなんとも…^^;
[一言] 徐庶もこれ以上ついていけないと思い、去って行くかもしれない。 しかし、兎耳の悪運の強さが厄介、ここまでくると豪運。 江夏に孫権がね。 甘寧がいないから、どうなることやら。
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