表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
生まれ変わったら曹昂だった。 前世の知識を活かして宛城の戦いで戦死しないで天寿を全うします  作者: 雪国竜
第十四章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

666/1088

劉備、軍師を得る

 数日後。


 呂曠と呂翔率いる五千の兵は穣県を出陣した。

 劉備が居る新野へと進軍する中、呂曠は馬を呂翔の横づけて話をしていた。

「劉備はどう出ると思う?」

「どうせ、城に籠り援軍を要請するに決まっている。その時は援軍が来る前に城を落えば良いだけだ」

「丞相に新野を攻撃すると報告していないが、城を落した後で報告しても良いだろうな」

「そうだな」

 二人は笑いながら進軍し続けた。

 既に二人の中では、劉備はもう討ち取られる事が決まっている様であった。

 

 暫く進み続けた呂曠と呂翔率いる軍勢は船に乗り換え河を渡った。

 渡し場に着くと、板を置き船から陸地へと降り立つ兵達。

 全軍が船から降りると、呂曠達は進軍の為、陣形を整えようとしていた。

 其処に南から砂煙が立つのが見えた。

「南から、何か来ますっ」

 周囲を警戒していた兵が呂曠達に警戒を促した。

 少しすると、砂煙から旗が見えた。

 その旗には廖の字が書かれていた。

「廖の字。確か劉備の部下に廖化という者が居たな」

「という事は敵かっ、敵襲! 迎撃せよ!」

 呂曠達は慌てて兵達に命を下した。

 その間も廖化率いる部隊が進み続けていく。

「劉備軍先鋒、廖化見参っ」

 名乗り上げた廖化は手に持つ得物を振るい近くにいる敵兵を倒した。

 麾下の兵達も敵兵を攻撃していく。

「防げ、防げっ」

「敵兵は少ないぞっ。反撃しろ!」

 最初は攻撃を受けていた呂曠達であったが、徐々に兵達は落ち着き抵抗しだした。

 敵兵の抵抗が強くなっているのを見た廖化は頃合いと判断した。

「退けっ、退けっ!」

 大声でそう告げた後、廖化は馬首を返して離れて行った。

 廖化の部隊が離れて行くのを見た呂曠達は声をあげた。

「敵が退いたぞっ。やられっぱなしにするな。追い駆けよ!」

「このまま、敵を逃がすは恥辱ぞ。追え‼ 追うのだ‼」

 呂曠達に命じられ兵達は動き出した。

 先陣は呂曠が、後詰は呂翔が率いて廖化の部隊を追い駆けた。


 撤退する廖化の部隊を追撃する呂曠と呂翔の軍勢。

 追い駆ける事に集中している為か、今自分達がどの様な地に居るのか分かっていなかった。

 その様子を岩陰から覗いている者達が居た。

 張飛と部下の兵達であった。

「将軍。敵は脇目を振らずに廖将軍の隊を追い駆けておりますっ」

「ああ、そうだな。良し、後続が見えたら、俺達は攻撃する。攻撃の準備を整えろっ」

「はっ」

 張飛の命令を伝えるべく、兵は一礼し離れて行った。

 兵が離れて行くのを見送った張飛は周りには護衛の兵がいる中で呟いた。

「これは軍師の策通りにいくな。・・・・・・これは、賭けは俺の負けか?」

 久しぶりに勝てそうだなと思ったが、直ぐに単福とした賭けを思い出し張飛はしょんぼりしていた。

 勝利して気持ち良く酒を呷る事が出来ると思っていたが、勝てば酒を飲まないと誓った為、楽しみが半減するからだ。

「将軍?」

「・・・ああ、何でもない。気にするな」

 張飛の顔色が優れないのを見て、兵達が尋ねたが張飛は手を振って誤魔化した。

 兵達は気になりはしたが、本人が気にしなくても良いと言うので兵達も気にしない事にした。

 其処に張飛の命を伝えるべく離れて行った兵が戻って来た。

「将軍。攻撃の準備が整いましたっ」

「そうか。良し!」

 張飛は近くにいる馬に跨り蛇矛を軽く振った。

「後続が見え次第攻撃するっ。奮えよ。お前等っ」

「「「はっ」」」

 張飛が檄を送ると兵達は大声で応じた。

 暫くすると、後詰の呂翔の軍が見えた。

「続け!」

 張飛が馬を駆けさせると、兵達は喊声をあげてその後ろに続いた。

 喊声が聞こえたので足が止まる呂翔軍。

 回りを見ると、張の旗を掲げた軍が向かって来るのが見えた。

「なっ、伏兵だと!」

「劉皇叔が義弟燕人張飛が相手をしてやるっ。覚悟しろ!」

 張飛が蛇矛を振るいながら呂翔軍に突撃して交戦した。


 同じ頃。

 逃げる廖化の部隊を追い駆ける呂曠軍。

 後少しで追いつくという所まで来たが、兵に足を速めろと命じようとした呂曠は後ろを振り向いた

 其処で後方に砂埃が立っているのが見えた。

「何だ? どうしたのだ?」

 呂曠は足を止めて、後方を見ていると騎兵が駆け寄って来た。

 騎兵の身体には矢が幾つか突き刺さっていた。

「申し上げます! 後詰の呂翔将軍率いる軍が隠れていた張飛の部隊と交戦しておりますっ」

「なにっ、張飛だと!」

「呂翔将軍が敵の勢い激しく援軍を乞うとの事です」

「承知した。直ぐに」

 騎兵の報告を訊いて呂曠の援軍に向かおうとしたが、視界の隅に砂埃が立つのが見えた。

 呂曠はその砂埃が立つ方向へ目を向けた。

 砂埃が立てているのは騎兵の部隊であった。

「なっ、あれはっ⁉」

 呂曠はその騎兵の部隊を見るなり、自分の目を疑った。

 自分の目に映る騎兵部隊。

 ただの騎兵部隊では無く、白馬で編成された騎兵部隊であったからだ。

「あ、あれは白馬義従⁉」

 白馬で編制された騎兵部隊であった為、直ぐに分かった。

 嘗て公孫瓚が率いていた白馬だけの精鋭弓騎兵部隊。

 公孫瓚亡き後は息子の公孫続が生き残った白馬義従を編制し直し、袁紹との戦いで活躍していた。

 界橋の戦いでは地形と対策を駆使したお蔭で壊滅させる事が出来たが、強力な弓騎兵部隊である事には変わりなかった。

 公孫続率いる白馬義従は袁紹軍との戦いで何度も煮え湯を飲まされる事があった。

 嘗て袁紹軍に所属していた呂曠はその時の恐ろしさを思い出し顔を青くしていた。

「劉皇叔配下の公孫続、推して参るっ」

「ふ、防げ‼」

 迫りくる公孫続率いる白馬義従に呂曠は迎撃した。

 

 呂曠と呂翔の軍勢が張飛、公孫続の部隊の攻撃を受けていた。

 其処に劉備率いる本隊が廖化の部隊と合流していた。

「殿、今が好機にございます。総攻撃の命を」

「うむ。全軍掛かれ!」

 劉備の側にいる単福が総攻撃を進言すると、劉備は剣を掲げ振り下ろした。

 兵達は喊声を上げて呂曠と呂翔の軍勢に突撃した。

 挟撃された呂曠と呂翔の軍勢の兵達は怯えて士気が低下した。

 其処に呂曠は公孫続に、呂翔は張飛に討たれた。

 率いる将が討たれ呂曠と呂翔の軍勢の兵達は混乱しだした。

 劉備は容赦なく追撃を命じた。

 数刻後。

 大地に立っているのは劉備軍の旗と兵達であった。

 勝鬨が挙げられ、将兵皆喜んでいた。

 そして、兵達は生き残りが居るかの確認と戦利品の略奪を始めた。

 兵達が略奪しているのを単福は黙って見ていた。

「単福殿」

 声を掛けられたので振り返る単福。其処に居たのは劉備であった。

「久しくない大勝利を挙げる事が出来た。礼を言う」

「いえ、わたしは知恵を出したにすぎません」

「貴殿の程の知者とこうして会えた幸運に、ただ頭を下げる思いだ」

 劉備は単福の智謀を称えるが、単福は首を振った。

「いえいえ、わたしなどそれほど大した者ではありません。臥竜や鳳雛比べたら、とても」

「臥竜? 鳳雛?」

 劉備がオウム返しの様に言うのを聞いて単福は手で口を抑えた。

「・・・・・・失礼しました。臥竜と鳳雛と言うのは渾名のようなものです。ですが、その二人に比べたら、わたしなどとても歯が立ちません」

「何と、貴殿が其処までいう人物とは。その二人は何処に?」

「申し訳ございません。臥竜は友人なのですが、世に名が出るのを嫌う者でして名前を教える事が出来ません」

「そうであったか・・・」

「それに鳳雛は既に何処かに仕えていると聞きます。名を知っても意味がないでしょう」

「その通りだな。残念だ・・・・・・」

 劉備は溜め息を吐くのであった。

(単福が其処まで言う臥竜や鳳雛。どの様な人物なのであろうか?)

 劉備は頭の中で臥竜や鳳雛の事を考えていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] そもそも、龐統が徐庶に手を回していないといつ言った? な展開の可能性はもちろん、家柄や昔の事もあるので、保険として耳長一行を内部分裂なり乗っ取ってその実績を手土産にする様に水鏡先生が助言して…
[一言] 連載666回おめでとうございます♪ お体に気をつけて執筆頑張って下さいね!
[一言] 三国志だと、臥龍、鳳雛の存在を劉備に教えたのは司馬徽。 臥龍が諸葛亮、鳳雛が龐統だと劉備に教えたのが徐庶。 ここで、徐庶が臥龍、鳳雛の実名を劉備に教えなかったら、劉備は諸葛亮を知ることができ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ