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策を練る

 郭嘉の提言により、袁紹との対決の為に呂布を除く事となった曹操。

 どのように追い詰めるかどうかを話し合う為、荀彧、荀攸、郭嘉、程昱、曹昂の五人を呼んだ。

 荀彧達が部屋に来ると、曹操は早速とばかりに呂布をどう追い詰めるべきかと話した。

 五人は暫し考え込んだ後、荀彧が語りだした。

「此処はかねてより、誼を通じている陳珪、陳登親子を使い、呂布を自滅させるのが良いと思います」

「具体的には?」

「陳親子に、臧覇か劉備に不審な動きがあると呂布に進言して軍を出させるのです。その隙に我等は徐州に侵攻し、各地を占領し呂布を追い詰めるのです。さすれば呂布を討ち取る事も可能でしょう」

 荀彧の献策は臧覇か劉備を囮にすべきだと言う。

「ふむ。そのどちらかに呂布が攻め込んだ時に兵を出すか。名目は攻め込まれた者の救援か」

 大義名分としては悪くないなと思う曹操。

「その策で行くか。後はどちらに呂布を攻め込ませるかだな」

 郯県に居る劉備か。琅邪国の臧覇。

 どちらを呂布に攻め込ませるか考える曹操。

「臧覇は我らに与して味方です。此処は何時敵になるかどうか分からない劉備にした方が良いと思います」

 程昱がそう提案すると、他の者は反対しなかったが、曹昂だけ反対というよりも意見を述べた。

「しかし、その場合だと、どの様な手段で呂布を劉備に攻めさせるのです。劉備は、我等が袁術討伐の時に助力した後、何の交流もありませんよ」

 曹操が寿春の戦いを終え許昌に帰還した際、劉備に呂布から独立するのであれば手を貸すと話したと言っていた。

 しかし、劉備はその気が無いようで、一向に連絡を取る様子を見せなかった。

「若君、それだけで十分です。あの時の戦では、呂布は別の地で戦っていました。ですので、我等と劉備がどれだけ親しくしていたか分かりません。其処へ共に呂布を討つために準備をしていると文を読めば、呂布は激怒し劉備へ攻め込むでしょう」

 程昱の説明を聞いたが、其処まで単純かな?と思う曹昂。

「だが、敵の下には陳宮が居る。あの者は中々の知恵者と聞く。この程度の策など見破るのでは?」

 曹昂が陳宮の名を上げると、荀攸が答えた。

「私が調べましたところ、陳宮という男は智謀こそ優れておりますが、優柔不断なところがありますので大丈夫でしょう」

 荀攸の分析を聞いた曹昂は何時の間に調べたのだろうと思いつつ、其処まで言うのであれば大丈夫だろうと判断した。

「分かりました。しかし、間者を送っても都合良く捕まるでしょうか?」

「そんなの決まっておろう。捕まるまで送るのだ」

 ようは、その文を持った間者は死ぬ事前提に送るという事であった。

 本人は死ぬために送られる事も知らずに。

 曹操がそう言うのを聞いた曹昂は自分の配下の『三毒』からは出さないで、別の者を送ってもらおうと思った。

「我等の文を読んだ劉備はどうするでしょうね」

「あやつの事だ。時期尚早とか、いずれ時が来ればとか書いて、返答を伸ばすに決まっておる」

 以前、劉備に送った文の返答から、今回も文を読めばそう返答すだろうと断言した曹操。

 荀彧は以前、劉備が徐州の州牧であった時に送った文の事を言っているのだと察した。

「殿がそう言うのであれば、そうなのでしょう」

 曹操と劉備のやり取りを知らない荀攸は曹操がそう言うのであればそうなのだろうと思い、特に何も言わなかった。

「では、早速。人を遣ると」

「失礼しますっ」

 曹操が話している最中に、部屋の前に居る兵が一声掛けて入って来た。

「何事だ?」

「ただいま、城門前に孔融という者がおり、殿にお会いしたいと申しております」

「なにっ、孔融がっ?」

 袁譚に攻め込まれて行方知れずであった者が会いたいと言うので、曹操は目を丸くしていた。

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