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生まれ変わったら曹昂だった。 前世の知識を活かして宛城の戦いで戦死しないで天寿を全うします  作者: 雪国竜
第二十一章

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この流れは

 報告を聞き終えた孫権は沈黙していた。

 久しく聞かない吉報だが、それを喜ぶ事が出来なかった。

「・・・・・・呂蒙の武勇を見誤っていたのか。それとも、皖県を守っていた朱光という者はこちらの予想以上に弱かったのか?」

 どちらなのだろうと思いで、孫権は呟くと魯粛が答えた。

「恐らく両方だと思います」

「そうか・・・・・・しかし、これでは魯粛が立てた策の通りにいかなくなったぞ」

「はい。それに勝った事で問題も起きました」

 魯粛はこちらが問題という顔をするのを見て孫権も頷いた。

「分かっている。皖県を落とし勢いに乗って合肥を攻めようというであろうな」

 孫権がそう述べると、魯粛はその通りと頷いた。

「まず間違いなく、誰かしら言います。程公もその勢いを止める事は出来ませんでしょう」

「そうか。では、どうしたらいいと思う?」

 孫権に尋ねられた魯粛は深く息を吐きながら、頭をひねっていた。

「・・・・・・呂蒙と合流し、合肥を攻めるしかありませんな」

「それはするべきではないとお主が言っていたではないかっ」

 魯粛が考えた末の言葉を聞いて、孫権は大声を出してしまった。

「はい。ですが、今の状況では、濡須水に布陣し曹操を迎え撃つと言っても、皆反対するでしょう。そのような事を申せば士気が下がり、濡須水に布陣しても負けるかもしれません」

「確かにそうだが・・・・・・」

 魯粛の言葉に、孫権は同意する事しか出来なかった。

「ですので、ここはいっその事、被害を最小限に抑えつつ合肥を攻めるしか手がありません」

「他に手はないか?」

 孫権が尋ねたが、魯粛は首を横に振るのであった。

「・・・・・・仕方がない。此処は呂蒙と合流し、合肥を攻めるしかないか」

「はい。そう致しましょう」

「そうだな。それに、勝利した勢いに乗って合肥を落とせるかもしれんからな」

 孫権が冗談なのか本気なのか分からない事を言うと、魯粛は顔にこそ出さなかったが、それで落とせれば此処まで苦労しないと思っていた。


 孫権が魯粛と今後の方針を話している頃。


 九江郡合肥。

 城内の一室で張遼は劉馥、李典、楽進、薛悌と話していた。

「救援する為に向かったが、後もう少しで皖県に到達するという所まで来たのだが、その日の内に敵軍の攻勢に耐え切れず皖県が落城したと分かり、引き返してきた」

 張遼が援軍に向かったが、皖県が落城したので撤退してきた事を告げた。

 それを聞いて、劉馥は仕方がないという顔をしつつ述べた。

「救援がつく前に落城したのだ。将軍のせいではない。お気になさるな」

「うむ。その通りだ」

 劉馥の言葉に同意するように、楽進も頷いた。

 薛悌も同じように頷いた後、横目で李典を見た。

 李典が何も言わないので、何を思っているのか分からなかったが表情を見るに怒っているようには見えなかった。

「・・・・・・張将軍」

「李典殿。何か?」

 李典が何を言うのか分からないので、張遼は思わず体を固くするのであった。

 他の三人も、何を言うのだろうか気になり、生唾を飲み込むのであった。

「わたしは張将軍には恨みがある。この恨みは恐らく一生許す事はないだろう。だが」

 李典は其処で言葉を区切り、張遼の目を見た。

「国の大事の前に私情を挟む事などはせん。この戦、共に戦い勝利しようぞ」

「・・・・・・李典殿。感謝する」

 恨みがある自分に協力してくれるという李典に張遼は深々と頭を下げた。

「では、丞相の命令通りに、張将軍と李典は出撃し、私は薛悌殿達と共に合肥を守るとしよう」

 楽進が指示書の内容を確認するように言うと、全員頷いた。

「では、わたしが決死隊を募り、孫権を討つために攻撃する。李典殿はわたしの攻撃をする為の援護をお願いする」

「心得た。それとわたしに策がある」

 李典はそう言って、室内にある合肥周辺を描かれた地図に近づいて話した。

 その策を聞いて、全員反対する事無く受け入れられた。

 そして、全員すぐに行動した。

 劉馥も部屋を離れ、廊下を歩きながら安堵の表情を浮かべていた。

(張遼と李典が共に戦う。これほど心強い事はない)

 これならば勝てるだろうと、そう思いながら足取りを軽くしていった。

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