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生まれ変わったら曹昂だった。 前世の知識を活かして宛城の戦いで戦死しないで天寿を全うします  作者: 雪国竜
第二十一章

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これで安心

 李典の部屋を後にした劉馥は、その足で張遼の部屋に向かった。

 部屋に入ると、張遼は酒を飲んでいた。

「劉刺史。どうされた?」

「いや、少しお話をしようと思ってな」

 張遼の膳には、盃の他には皿が乗っているが、盛られているのは干し魚の様であった。

 実は張遼は甘い物よりも塩辛い物の方を好んでいた。

「話か。此度の丞相の命についてか」

 張遼の問いに、劉馥は頷いた。

 そして、李典達と話した事を伝えた。

「それは・・・二人は何か言っていたか?」

 張遼は気になり訊ねた。

 曹操に仕えて直ぐに、李典が戦って破った李乾の親族だと知った。

 直接討ち取った訳ではないのだが、仇と言われても別段変とは言えなかった。

 だが、同じ主に仕えているからなのか、それとも李典は理性的なのか突っかかられる事も、感情に任せて襲われるという事は無かった。

 関係の改善を求めるのは無理と思い、出来るだけ近づく事はしないようにしていた。

 楽進の方は一度揉めてから、そのまま仲直りする機会もなく、今に至っていた。

 だから、二人は公私を分ける事が出来るのか気になっていた。

「安心されるがいい。二人は張遼殿と協力すると申していたぞ」

「そうか。ならば、一安心だな」

 張遼は安堵の息を吐いた。

「お気遣いに感謝申し上げる」

 張遼は深々と頭を下げると、劉馥は手を振った。

「なんの、これも戦に勝つ為にしただからな。これで、協力して孫権と戦えるであろう」

「はい。どうか、お任せを」

 張遼が力強く返事をするのを聞いて、劉馥も満足そうに頷き部屋を後にした。


 翌日。


 劉馥は配下の将を一人呼んだ。

 名を朱光と言い、劉馥が合肥に赴任した頃に仕えた部将であった。

 廬江郡出身という事で、廬江郡の地理に詳しいと思い、侵攻の部隊を任せる事にした。

 参謀に一人と兵を二千ほど与えて、廬江郡を攻め込むように命じた。

「とりあえずは・・・・・・皖県を拠点にし、其処で守りを固めるのだ。もし、孫権が攻め込んできた場合、援軍は送るからそれまで死守するのだぞ」

「はっ」

 劉馥の命を聞いて朱光は頷き、直ぐに準備に取り掛かった。

 兵達が出陣の準備に走り回っている姿を、張遼は見ていた。

(廬江郡に攻め込めば、孫権は間違いなく兵を出すであろう。そうなった場合、援軍はどの程度出すべきか)

 合肥に駐屯している兵数から、どれだけ出すべきか考えていると、背後から足音が聞こえて来た。

「張将軍。少しよろしいか?」

 張遼に声を掛けて来たのは楽進であった。

「楽将軍。どうされた?」

「いや、此度の戦について少し話をしようと思ってな」

 楽進がそう言うのを聞いた張遼は、内心で劉馥が話していた通りだなと思った。

「承知した。此処では何なので、別室で」

「うむ」

 楽進は張遼と共に、別室に赴こうとしてる所を、偶々通りかかった劉馥が見た。

 それを見て、張遼達は問題ないと判断した。

(後は李典の方だけか。もう一度話をするか? いや、此処は少し様子を見た方が良いな)

 李典は時間が掛るだろうと思った劉馥は様子を見守る事にした。

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