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生まれ変わったら曹昂だった。 前世の知識を活かして宛城の戦いで戦死しないで天寿を全うします  作者: 雪国竜
第二十一章

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決断の時

 翌日。


 大広間に孫権の家臣達が集められた。

 家臣達の列の間には、朝廷の使者の姿があった。

 使者は平然としている中、家臣達は落ち着かなそうにしていた。

 そんな中で、凌統が一番ソワソワしていた。

 此度の問題は自分の行動により起きたので、孫権の言葉一つでどのような処分が下されるのか分からないので、落ち着かない様であった。

 張り詰めた空気が漂う中、部屋の外に居る兵が声をあげた。

「殿が参られました」

 部屋の外に居る兵が大声で告げるのを聞いて、家臣達は頭を下げる。

 使者も礼儀として、頭を下げた。

 皆頭を下げている中、孫権は上座へと進み直ぐに座り込んだ。

「面を上げよ」

 上座に座る孫権の声が響くと、家臣達は頭をあげた。

 使者は顔を上げるなり、孫権に訊ねて来た。

「孫権殿。今日は昨日の返事を聞かせて頂けると聞き参りました。して、如何なる返答をするおつもりで?」

 使者としては恐らく、凌統を渡すだろうと思っての発言であった。

 だが、その予想は大きく外れるのであった。

「その事だが、わたしは雷薄が凌統に討たれた事を不思議に思っている」

「不思議ですか?」

「うむ。凌統の報告では、廬江郡を襲っていた盗賊を追い駆けて見つけたので交戦したが逃げられたと聞いている。その集団は雷の字が書かれた旗を掲げていなかったそうだ。なのに、どうして雷薄が凌統に討たれたと断言できるのだ?」

「それにつきましては、分かりかねます」

 孫権の疑問に、使者は答える事は出来なかった。

 というよりも、答える程の情報も与えられなかったので答えられなかったというのが正しいと言えた。

「であれば、雷薄は別の者に討たれたのではないのか?」

「しかし、共に付いて行った兵の報告では、凌統と名乗った者の襲撃を受けたとしか」

 使者は話している最中、孫権は肘置きを叩いた。

「では、其方はわたしの家臣である淩統が雷薄を殺す為に襲ったと言うのかっ⁉」

「いえ、わたしは其処までは言っておりません。ですので、朝廷は事の真偽を明らかにしたいのです」

 使者は真偽を明らかにすべきだと言うが、孫権は鼻で笑うのであった。

「ふっ、今の朝廷は曹操のくしゃみ一つで臣下達が狼狽えるではないか。そんな所に家臣を送ったとしても、あらぬ疑いを掛けられて処罰されるだけであろうっ」

「な、何という事をっ⁉」

 孫権が曹操の事を官位である丞相と呼ばず、名を呼ぶのを聞いて驚いていた。

 驚く使者に孫権は告げた。

「帰って曹操に伝えよ。揚州が欲しいと言うのであれば、このような(はかりごと)など用いず、力を持ってわたしを打ち倒し奪うがいいと」

「む、むうう、後悔しても知りませんぞっ」

 使者はそう言って、大広間を後にした。

 使者が出て行くのを見送ると、孫権は息を吐いた。

「・・・・・・魯粛」

「はっ」

 呼ばれた魯粛は列から前に出て、一礼する。

「曹操との戦は避ける事は出来なくなった。急ぎ戦支度をさせよ」

「はっ。・・・・・・・殿、見事な返答でした。ご立派です」

「そうか。お前に相談せずに決めてすまんな」

 孫権がそう言うと、魯粛は首を横に振った。

「何を仰るのです。もし、殿が使者の言う通りに凌統を送れば、それこそ皆殿を見捨てて、曹操に走ります。家臣を守れない主君など、誰も守ろうと思いません」

 魯粛が微笑むのを見て、孫権は周りの家臣達を見た。

 何人か不満そうであったが、殆どは孫権の決断に反対する様子は見せなかった。

「曹操何するものぞ。我ら孫家の武勇を見せつけ、追い返してくれるわっ⁉」

 孫権が気炎を吐くと、家臣達も同調する様に声をあげた。

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― 新着の感想 ―
先を読む目がない奴は 滅びる定めよ
先の大敗で周瑜もろとも水軍の船に大打撃なのでは…曹操軍の水軍も多少被害とはいえ再建のリソースが史実よりも差がついているのに。領主としての孫家を終わらすつもりやな
魯粛だけでは、
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