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生まれ変わったら曹昂だった。 前世の知識を活かして宛城の戦いで戦死しないで天寿を全うします  作者: 雪国竜
第二十章

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閑話 最悪の再会からの

 劉備が揚州から荊州へと移動している頃。


 涼州隴西郡枹罕。

 其処は漢王朝から独立した宋建が本拠地にしている土地であった。

 自分を河首平漢王と称して、独自の年号を定め、丞相以下百官を置き王朝を開いていた。

 その土地に朝命を受けた夏侯淵率いる軍勢が攻め込んでいた。

 最初、夏侯淵軍が攻め込んできたと聞いた宋建と百官達はまた来たのかと思っていた。

 宋建達が独立した際、漢王朝もそれを許さず何度も追討の兵を出したのだが、全て返り討ちになっていた。

 宋建達は何度も漢王朝の軍を撃退した事で、自分達が負ける事は無いという不遜な思いを抱く様になった。

 今回も同じように撃退できるだろうと思った宋建は迎撃を命じようとすると、家臣の列の中に一人前に出て来た。

「王よ。此度の出陣はわたしにお任せを」

 そう述べたのは、馬超であった。

 雍州の戦に敗れた馬超は追撃から逃れて、枹罕へと逃げ込んだ。

 宋建は馬超の勇名は知っていたので、家臣に迎えるかどうか決めた。

 その際、百官達が、まずは食客として迎えてから才能と器量を見込んでから、家臣に迎えても遅くないと進言した。

 その言葉に従い、宋建は馬超を食客に迎えた。

 ちなみに、百官達が馬超を家臣ではなく食客に迎える様に進言したのは、馬超を全く信頼できなかったからだ。

 独立しようとして失敗し逃亡。その際に一族を見捨てた事で、殆どが処刑されたと言われており、逃げ込んだ先の有力者達の支援を受けて反乱を起こしたが敗れて逃亡した。

 その反乱の際に、自分の妻子を見捨てて処刑されたと言われている。

 自分の野望の為に一族と妻子を見捨てた者など信用できる訳がなかった。

 だが、馬超の武勇だけは用いるべきだと思った。

 その勇名は涼州でも轟いていたので用いるべきだと思い、食客にするように進言したのだ。

 宋建は馬超の武勇がどれほどなのか見る良い機会だと思い、兵を貸し与えた。

 馬超は貸し与えられた兵を率いて、夏侯淵軍と対陣した。

 障害物など無い平原にて、布陣する両軍。

 空気が重くなっていく中、両軍は睨みあう中、今にも衝突しそうになっていた。

 そんな中で、宋建軍の中から一騎出て来た。

「あれは馬超!」

「まさか、宋建の元にいたとはっ」

 夏侯淵軍の兵達には馬超を見た事がある者が何人もいた様で驚いていた。

 夏侯淵軍がざわめくのを見て馬超は笑みを浮かべた。

「敵にわたしの武勇を見せてやるっ! 突撃‼」

 馬超がそう言って駆け出していった。

「あ、ああ・・・・・・馬将軍に続け!」

『おおおおおっっっ』

 馬超が突撃するのを見て、副官が慌てて突撃の命を出して、兵達もその後に続いた。

 夏侯淵も迎撃を命じた。

 両軍は喊声と共に突撃し、干戈を交えた。

 悲鳴と怒号が響き渡る中、馬超は馬を駆けさせて得物を振るっていた。

「はあああっ」

 馬超の槍が閃く度に、夏侯淵軍の兵達を切り裂いていく。

「夏侯淵軍などこの程度かっ。わたしの相手にならんな!」

 馬超は得物を振るいながら、大声で挑発していた。

 馬超の武勇に怯えてか、兵達も腰が引いていた。

 誰か行けと目で会話していた。

「どうした⁉ 我を殺せる者はおらんのか! はははは」

 馬超は笑いながら言うと、一騎近づいてきた。

「ここに居るぞ!」

「なにっ⁉ っと、お前は⁉」

 声を聞いて、馬超は驚いていた。

 自分の言葉に答える者が居る事と、それが従弟の馬岱という事に。

「馬岱⁉ 何故ここに居る⁉」

「曹丞相の恩義で生かされたので、その恩義に応えようと思っていた所に、夏侯将軍が涼州の宋建を攻め込むと聞いて、道案内役にして貰いたいと進言したのだ」

「それは分かったが、何故夏侯淵の軍にいる?」

 自分が独立した際に一族は皆処刑されたと思っていたので、従弟が生きている事に驚いている馬超が尋ねると、馬岱は顔を赤くし目から涙を流した。

「貴様の所為で、叔父上と一族の殆どが死んだのだ⁉ わたしが助かったのは叔父上のお陰よ!」

「そ、そうか。では、馬岱。わたしと」

「死ねえええっ、この親不孝者⁉」

 馬超が話しかけている中で、馬岱は怒声と共に迫って来た。

 そして、得物を振るい馬超の命を刈り取ろうとした。

「お、落ち着けっ、馬岱っ」

「黙れ! 愚か者‼ 貴様の所為で叔父上達が死んだのだ⁉ 死んで叔父上達に詫びてこい!」

 馬岱は感情のままに、得物を振るい続けた。

 純粋に武勇の腕は馬超の方が上なのだが、死んでいた従弟が生きていた事と自分の所為で父と一族の殆どが死んだと聞いて衝撃を受けており、思うように体が動かない様であった。

「ぬ、ぬうう、馬岱。この勝負は預けたっ」

「待て、逃げるな!」

 馬超は戦意を失ったのか、馬首を返して背を向けて逃げて行った。

 馬岱がどれだけ罵倒しても、馬超はとって返す事は無かった。

 それにより、宋建軍は士気が乱れ混乱状態となった。

 夏侯淵はその隙を見逃さず、全軍に総攻撃を命じた。

 士気が低下した宋建軍に夏侯淵は容赦なく襲い掛かり壊滅させてしまった。

 勝利した夏侯淵はその余韻に浸る事無く、枹罕へと進軍した。

 夏侯淵軍は枹罕を包囲し、攻撃を仕掛けた。

 一月後。

 枹罕は陥落し、宋建以下百官達を捕縛し即日処刑した。

 処刑された者達の首は晒されたが、馬超の首は無かった。

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― 新着の感想 ―
すっかり忘れていたヴァモーキw生きとったんかいワレェ。他の方が言及しているとおり、耳長団に加入コースかな…首は馬岱に取らせてあげてクレメンス(まだ早いw
呂布と馬超を比べ様にも、 この世界の呂布は弁が立ち(※) 挑発にも乗らない自制心を持ち(※) 使者を任される位の器量があるから、DQNナンバーワン候補からは早々に外れるでしょう。 ますます馬超の株が下…
こりゃあ漢中に落ちてそのまま益州で耳長と合流する流れかな。
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