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生まれ変わったら曹昂だった。 前世の知識を活かして宛城の戦いで戦死しないで天寿を全うします  作者: 雪国竜
第二十章

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最後の奉公

 司馬懿が逃げ遅れた民を虐殺している頃。


 曹仁・曹純軍は浅瀬を探していると、蔡瑁率いる水軍が河を下っている所に出くわした。

 曹仁は丁度いいとばかりに、船に乗り込み河を渡る事が出来た。

 河を渡っていると、曹仁と曹純軍の者達はする事がないので、狭い船内の中でじっとしていた。

 曹純軍に属している曹休と曹真が暇なので雑談に興じていた。

「しかし、丁度いい所に蔡瑁の水軍と出会えたな」

「全くだ。これで劉備達に直ぐに追いつく事が出来るな」

 そう話していると、曹休が逸っている様に見えた。

 気になった曹真は尋ねた。

「文烈。やけに逸っている様だが。何かあったか?」

「ああ、・・・・・・子丹だからな。隠す事ではないからいいか」

 訊ねられた曹休は恥ずかしそうに赤面していた。

「実は、此度の戦いが終わったら、婚儀を挙げる事になってな」

「ほぅ、そうなのか。それはめでたいな」

「うむ。なので、出来れば功績を立てたいと思っているのだ」

 曹休がそう言ってウキウキしていた。

 逸っている理由が分かり、曹真は納得するのであった。

 

 暫くすると、向こう岸に渡り終えた曹仁・曹純軍。

 全軍岸に着くと、曹仁は蔡瑁に命じた。

「お主は司馬懿を迎えに行き、渡るのを手伝ってくれ。その後は河を下り江陵に向ってくれ。劉備が其処まで逃げるか分からんが、一応備えておく」

「承知した。では」

 曹仁に命じられ、蔡瑁は水軍を出陣し江陵に向った。

 そして、曹仁達は劉備の追撃に向った。


 同じ頃。


 劉備軍は公孫続と無事に合流する事が出来た。

 その際、公孫続は馬順と話していた。

「軍師殿。ご命令通りにした所、白馬義従を全員載せた所で船に乗せる余裕が無くなり、それなりの数の民を置いてきてしまったぞ」

「そうですか。ですが、これも仕方がない事です。どうかお気になさらずに」

「置いてきて良かったのか? 下手をすれば皆殺しになっているかも知れないのに」

「そうなるかも知れませんな」

 馬順は冷静に答えた後、言葉を続けた。

「最初からこうなる事を見越して連れて来たのですから、気にしても仕方がありません」

「では、囮にするつもりで連れて来たと?」

「はい。これも殿が無事益州に着ける様にするためです。被害は目を瞑るしかありません」

「むぅ、確かにそうかもしれぬな」

 公孫続は命令というのもあるが、これも仕方がないと思い割り切る事にした。

 そして、劉備軍は再び南へと向かった。

 

 数日後。


 兵も民も減ったとはいえ、それでも歩みが遅い事には変わりない劉備軍。

 足は棒の様になりながらも歩き続けていると、後方を警戒していた兵が砂塵があがるのを見つけると、劉備に報告した。

「砂埃が立っただとっ⁉ 敵か⁉」

「分かりませんが。かなりの数だと思います」

「殿。恐らく、敵軍だと思います」

「ぬぅ、もう追い付いてきたか」

 あまりに早く追い付いてきたので、劉備はどうするべきか考えた。

 其処に公孫続が声をあげた。

「殿。此処はわたしにお任せを。我が麾下の白馬義従を持って、敵を撹乱し足止めいたしますっ」

「いや、それは」

 劉備は止めようとしたが、馬順が先に口を開いた。

「殿。今はそれしか打つ手がありません」

「ぬうう・・・だが、続は伯圭殿の遺児。わたしは兄の様に慕っていた者の子を斬り捨てる等、わたしにはとても出来ん」

「ですが、現状では他に手がありません。このまま手をこまねいていては、我らは全滅しこの地に骸を晒す事になります」

 馬順にそう言われても、劉備は決断できずにいた。

「殿、わたしも死ぬ気はありません。敵を出来るだけ足止めして益州へと向かいます。先に行って下され」

 公孫続は笑みを浮かべながら述べた。

 その笑みを見た劉備は言葉を失った。

「分かった。だが、けして死ぬでないぞ」

「はっ」

 公孫続が一礼しその場を離れ、麾下の白馬義従の元に駆けていき、その場に留まった。

 その間に劉備軍は兵と民に出来るだけ急ぐように命じるのであった。

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― 新着の感想 ―
曹休と公孫続に死亡フラグが…… ま、まあ史実の曹休はまだしばらくは生きてるから、こっちの曹休も多分大丈夫さ! 公孫続?部下の白馬義従共々、民を見捨てるのは不本意なのが見て取れたし、本心ではここで死ぬ気…
曹一族に犠牲者が出たら…曹昂が今以上に闇落ちしそうであるw
なんでいきなりフラグ立てるの?ww
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