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生まれ変わったら曹昂だった。 前世の知識を活かして宛城の戦いで戦死しないで天寿を全うします  作者: 雪国竜
第二十章

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それぞれの決断

劉備が味方を斬り捨てる決断をしている頃。


 分断された味方は曹純軍の攻撃を受けて、血と土の匂いが風に乗って悲鳴と怒号が響いていた。

「くそっ、兄者と分かれたかっ」

 後続に居た張飛は敵の攻撃を受けつつも、何とか指揮を取っていた。

 迫りくる敵兵を切り倒しながら、妻が乗っている馬車を守りつつ、声が嗄れそうになる程に大きな声で指揮していると、騎兵の集団が近づいてきた。

「張飛殿っ」

 近づいてきたのは、公孫続と麾下の白馬義従であった。

「おお、続か。無事だったか」

「ええ、それよりも殿は?」

「分からん。だが、兄者の事だからそう簡単に死にはしないだろう」

 張飛は自信ありげに述べた。

 今まで何度も死の淵に立ったが、死ぬ事なく生き続けた。

 なので、生きているだろうと出来たのだ。

「それよりも、廖化と徐福はどうした?」

「廖化殿は殿と孫乾殿と共にいたと思います。徐福殿は探しているのですが、見つかりませんっ」

「この混乱状態では仕方がないか」

 張飛はどうするか考えた後、公孫続を見た。

「続、このままでは囚われるか討たれるかのどちらかだ。包囲の一角を突破するぞっ」

「張飛殿の武勇があれば出来ると思います。ですが、徐福殿はどうしますか?」

「見つける事が出来ないのだ。悪いが、見捨てる」

「ですがっ」

 公孫続が言葉を続けようとしたが、張飛が大声をあげた。

「探している間に、敵の包囲がきつくなるっ。そうなれば、我らは敵に捕まってしまうだけだっ! そうなる前にこの包囲を突破する!」

「・・・・・・分かりました」

 張飛の言い分も間違いではないと思ったのか公孫続は悩んだ後に、張飛に従う事にした。

「よしっ、全軍、密集して俺に続け!」

 張飛は周りに居た兵達に集まる様に命じて、真ん中に妻が乗っている馬車を置いて、張飛は先頭に立つと駆け出した。

 駆け出した張飛の部隊を公孫続が率いる部隊が続いた。

「おりゃああああっ、どけええええっ」

 張飛が獣のような咆哮をあげつつ突撃してくるので、曹純軍は矢を放ち近づかせない様にした。

 だが、張飛が蛇矛で矢を打ち払いながら進み続けた。

 何本か肩などに刺さるが、張飛は構う事なく突き進んでいく。

 やがて、張飛の部隊が曹純軍とぶつかると、直ぐに攻防が始まった。

 怒号と共に干戈を交えていたが、張飛の豪勇の前には如何に虎豹騎といえど防ぐ事が出来ず突破を許してしまった。

 そして、突破した張飛の後を公孫続が続いていくと、その後に僅かながら民も続いたが、曹純軍が逃がさないとばかりに矢を放った為、何人か大地に倒れた。


 張飛が曹純軍を突破している頃。


 徐福は僅かな兵を率いつつ守りを固めていた。

「今に殿が助けに来るっ。それまで耐えよ!」

 徐福は鼓舞しつつ、劉備が助けに来るのを待っていた。

 今は混乱しているが、その内張飛と公孫続が助けに来るだろうと思っていた。

 そうすれば、協力してこの状況をどうにか出来るだろうと思っていたのだが。

「申し上げますっ」

「どうした?」

「張将軍と公孫将軍が部隊を率いて、敵の包囲を突破しました!」

「なにっ⁉」

 兵の報告を聞いて、徐福は信じられないという顔をしていた。

 その内合流できると、思っていたので余計に衝撃を受けていた。

「何故だっ。此処に居る民を助けないというのか⁉」

「わ、わたしには分かりませんっ」

 徐福が兵に詰め寄り尋ねたが、首を横に振るだけであった。

 徐福もそれが分かっているからか、頭を抱えていた。

「・・・・・・これ以上の抗戦は、徒に兵と民を死なすだけだな」

「では」

「白旗を掲げろ。我らは降伏する・・・」

 徐福は周りを見て、もう包囲は厚く突破する事は無理であった。

 助力する味方も居ないので、このままでは討たれるか捕縛されるのを待つだけであった。

 徐福は降伏して、少しでも兵とその家族を倒れる事を避ける事にした。

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― 新着の感想 ―
徐福、お疲れ様。 諸葛亮、龐統の説得が待っている。 諸葛亮、龐統、張燕、曹純、司馬懿らの包囲網を突破しても、更に包囲網が構成されとると思う。 文聘も姿を消しているし、曹仁が長沙に行ったかどうか。 …
公孫瓚推しとしては、公孫続が助かりそうで一安心。 徐庶さんも降伏して生き残りそうでなお安心。お母さんがはぐれてたら、話が変わりそうな嫌な予感は残ってるが。 張飛嫁は旦那が守ってた馬車の中だから、戻れそ…
ここで徐庶さんの山賊団生活も終わりかな?余計にひねくれた余生になりそうだけれどもw
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