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生まれ変わったら曹昂だった。 前世の知識を活かして宛城の戦いで戦死しないで天寿を全うします  作者: 雪国竜
第二十章

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遂に動き出す

 南陽郡にて反乱が起きた事は当然、劉備達の耳にも入った。

 その報を聞くなり、馬順は劉備の元に向った。

「殿。南陽郡にて反乱が起きました。今こそ好機ですっ」

「という事は、今ならば益州に向えるという事か?」

 劉備の問いに馬順は頷いた。

「そうか。では、家臣達を集めて直ぐに準備する様に伝えよう」

「はい。ところで、前に話していた呉巨の方はどうなりました?」

「ああ、人を遣って調べさせた所、あの者は曹操が荊州を手に入れた際に官職が剥奪されてな。それで故郷の長沙郡に帰ったそうでな。人を遣り文のやり取りをした所、協力は惜しまないという文が送られたぞ」

「それは重畳。我らが準備をしている時に、孫権が警戒して兵を出すかも知れません。其処で長沙郡に居る呉巨に文を送り反乱を起こさせましょう。そうすれば、孫権も攻め込んで来るかもしれないと思い、我らに兵を出すのに躊躇するでしょう」

「成程。それは良いな。早速文を送るとしよう」

 劉備はそう言って文を認めて、人を呼んで呉巨に渡す様に命じた。

 その後、家臣達を召集し南陽郡の反乱に乗じて益州に逃げ込む事を伝えた。

「皆は直ぐにでもこの地を出立できる様に準備せよ。準備が完了次第、行動するぞ」

 劉備がそう伝えると、其処に孫乾が口を開いた。

「殿。孫権の対処は長沙郡の呉巨が起こす反乱で動揺している隙に、廬江郡を通り抜ける事は分かりました。ですが、その先の荊州に入るのでしたら、江夏郡を通る事になります。これはどうするのです? 夏口の文聘が南陽郡の対処で郡境に行くでしょう。ですが、太守の厳幹がおります。その者が我らの行動を妨害する事も考えられます」

 孫乾の指摘に他の者達もあり得ると思っていると、馬順が答えた。

「それにつきましては既に手を打っております。厳幹が居る県に刺客を差し向けて兵糧の焼き討ちさせます。運が良ければ厳幹を討てるかもしれません」

「其処までお考えでしたか。であれば、問題ないかと」

 孫乾が頷くのを見た馬順は劉備を見た。

「殿。一刻も早くこの地を旅立ち、益州にて捲土重来を図りましょう」

「うむ。皆も聞いたな。急ぎ出立の準備をせよ」

「「「はっ」」」

 劉備の命に従い、家臣達は一礼した後、直ぐに準備に取り掛かった。


 数日後


 荊州長沙郡臨湘県。

 この県は長沙郡の郡治を行う県であった。

 県内にある屋敷。

 其処に呉巨が居た。

「そうか。ついに動くか」

 呉巨は手に持つ文を読んで笑っていた。

 文の送り主は劉備で、書かれている内容は荊州を通り益州に逃げ込み捲土重来を図る。貴殿にも助力して欲しい事が書かれていた。

「皇叔の頼みだ。答えるとしよう。それに、曹操に一泡吹かせる事が出来るからな」

 呉巨は文を処分すると、県内に居る友人知人に声を掛けた。

 二日後。

 呉巨の元に五十人ほどの男達が集まっていた。

 全員屈強な体を持っていた。

 その者達を前には、甲冑に身を包んだ呉巨が居た。

「この地に居る太守である韓玄を討ち、長沙郡を我らの物とするぞっ」

 呉巨が檄を発すると、男達は歓声をあげた。

 そして、呉巨がこの時の為に密かに用意していた武具を男達に渡した。

 男達が全員武装すると、呉巨は馬に跨っていた。

「行くぞっ。続け!」

 呉巨が馬を掛けさせると、男達もその後に続いた。

 馬を駆けた呉巨達は真っすぐに政庁へと向かった。

 政庁の門を強引にこじ開けて入ると、官吏や兵達は何事なのか分からず、ポカンとしていた。

 それを見た呉巨は剣を抜いて掲げた。

「攻め込め! 狙うは韓玄の首!」

 呉巨がそう言うと従っていた男達は喊声をあげながら、政庁に突入し目につく者達に襲い掛かって行った。

 少しして、政務を行っていた韓玄の元に兵が駆け込み、呉巨が攻め込んできた事を伝えた。

「ば、馬鹿なっ。反乱だとっ⁉」

「太守。とりあえず、此処は御逃げを。そして、何処かに県に逃げ込み兵を集めて呉巨を討つのです」

「そ、そうだな。良し逃げるぞっ」

 韓玄はわずかな部下を連れて逃亡した。

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― 新着の感想 ―
ここまでは三毒の目と耳は配されてないかw知っての上で放置なのかな?
曹昂が接触済かつ史実よりも荊州の曹家の支配率が高い、歴戦の黄忠も補佐に付いている点を考えれば劉磐が劉備に付く軽挙妄動をするとは考えにくいが。 黄忠と魏延(この世界線では文聘の麾下)も韓玄の配下じゃない…
史実での行動がよぎる黄忠魏延と降伏に不満だった劉磐の運命やいかに…
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