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生まれ変わったら曹昂だった。 前世の知識を活かして宛城の戦いで戦死しないで天寿を全うします  作者: 雪国竜
第二十章

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思わぬ事を

 友人の崔州平が来たと聞いて、徐福は話を切り上げている部屋へと向かった。

 部屋に入ると、席に座る崔州平がいた。

「徐福。また来たぞ」

「友よ。今日は何をしに来たのだ?」

 徐福も対面の席に座るなり、そう訊ねてきた。

「今日来たのは他でもない。これだ」

 崔州平がそう言い、手に蓋つきの小さな甕を見せた。

「今日は美味しい酒が手に入ったのでな。一緒に飲もうと持ってきたのだ」

「酒を? どういう風の吹き回しだ?」

 徐福は何かあるのではと思い訊ねたが、崔州平は手を振った。

「他意はない。次こうして気軽に会えるか分からないからな。だから来たのだ」

「そうか。では」

 徐福は盃を受け取り、崔州平と酒を酌み交わした。

 楽しく酒を酌み交わして、程よく酔うようになった。

 その際に、崔州平がある事を話し出した。

「しかし、此度は揚州に行くのも大変であったわ」

「そうなのか?」

「うむ。わたしは今は南陽郡で暮らしているのだが、騒動が起こっていてな。出るのに時が掛ったのだ」

「騒動? 何かあったのか?」

「新しく太守になった者が郡内の民に過酷な軍役を課していてな。太守に反発している者が暴動を起こしたのだ。お陰で此処まで来るのに時間が掛ったわ」

「暴動が起こる程の軍役を課すとは。何故其処までするのだ?」

「何でも、襄陽に居る曹操の親族に媚びを売る為に、重い税を課しているそうだ」

「搾り取った税を使い、機嫌取りか。とんでもない太守だな」

 話をしていた徐福は呆れていたが、直ぐにこれは使えると思った。

 そして、酒が尽きたので酒盛りは終わりとなった。

 徐福は崔州平を城外まで見送ると、その足で馬順の元に向い、崔州平から聞いた事を話した。

「成程。新しく南陽郡の太守になった者が悪政を敷いていると」

「そうだ。其処でだ。南陽郡に居る豪族の中には、この太守に対して思う所がある者もいるはずだ。その者達を唆して、南陽郡で反乱を起こすと言うのはどうだ?」

「良い手です。混乱している間に、我らは南陽郡を通り益州に入れば良いのですから」

「後は江夏郡をどうやって通り抜けるかだな」

「其処は問題ありません。既に手は考えております」

「ほぅ、それはどんな手だ?」

 徐福は気になり訊ねると、馬順はすんなり答えた。

「南陽郡で反乱が起これば、江夏郡の郡境も騒がしくなるでしょう。その隙に、太守の厳幹に刺客を送ります」

「暗殺するという事か?」

「上手くいけばそうなるでしょう。ですが、真の狙いは敵の兵糧を焼く事です」

「兵糧を焼かれれば、我らが江夏郡に入っても追撃するのも容易ではなくなるな」

「ええ、兵を動かせば兵糧を消費しますから」

 これならば、江夏郡を通り抜ける事が出来ると思えた。

 そうと決めた二人は直ぐに行動した。

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― 新着の感想 ―
いろいろ耳長、曹操陣ともに謀略の臭いが充満してきた感
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