表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
生まれ変わったら曹昂だった。 前世の知識を活かして宛城の戦いで戦死しないで天寿を全うします  作者: 雪国竜
第二十章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1013/1020

動き出したので

 許昌に赴いてから十数日が経った。

 曹昂は陳留に帰り政務を行うか、それとも劉備が動くのを待つか考えていた。

 其処に揚州に居る密偵からの報告書が届けられた。

「劉備が兵を動かしたか」

 報告書には劉備が呉郡方面に兵を配備している事と、各県にも兵を配備している事が書かれていた。

「遂に動いたか。こちらも動くとするか」

 報告書を読み終えた曹昂は直ぐに荀彧の元を訪ねた。

 訪ねるなり、報告書と共に劉備が何をするつもりなのか、自分達なりに考えた事を伝えた。

「成程。つまり、劉備は荊州を通り益州に逃げると」

「まぁ現状を考えると、孫権や我らと戦うよりも益州に逃げ込んだ方が生き残る可能性が高いと分かったのだ」

「ふむ。丹陽郡に籠れば、討ち死にするだけですからな。交州に逃げるという事も考えましたか?」

「わたし達の中では、逃げても士燮がこちらに突き出すだろうから、多分逃げ込まないだろうという結論になりました」

「・・・・・・確かにそうですな。それで、陳留侯はわたしに何をしろと」

「父上にこの事を報告を。それと、陳留に居るわたしの部下にも兵を出す許可を」

「分かりました。少々お時間が掛りますが、暫くお待ちを」

「お願い申し上げます」

 荀彧が承諾するのを聞いて、曹昂は頭を下げた。

 その後、陳留に居る劉巴に向けて、兵の準備をする旨を書いた文を送った。


 数日後。


 陳留に居る劉巴の元に、曹昂の文が届いた。

 文を読むなり、直ぐに同僚を呼んだ。

 全員集まると、曹昂の文が届き内容を伝えた。

「劉備が動きましたか。では、荊州へ向かうべきだな」

「兵はそうだな。二万ほどで良いか?」

「それぐらいで良いだろう。あまり多いと行軍に時が掛り過ぎる」

「では、軍を率いるのは誰に」

 劉巴達が話していると、龐統が手を挙げた。

「わたしが赴こう。荊州は我が故郷。土地鑑はこの場に居る皆の中で一番あると思う」

「では、お願いしよう。後補佐として誰かつけるべきだが、誰か良いか?」

「そうだな。此処は・・・孔明」

 趙儼の問いに龐統は目だけ左右に動かした後、諸葛亮を見た。

「お主に頼みたい。頼めるか?」

「勿論」

 諸葛亮の返事を聞いて、龐統は満足そうに頷いた。

「後、張燕殿も連れて行きたい」

「問題ない。では、各々準備を」

 劉巴がそう言うと、皆戦の準備に取り掛かった。



 それから更に数日後。


 冀州魏郡鄴県。

 城内にある丞相府にて、曹操は荀彧からの文を読んでいた。

「劉備が益州に逃げるかもしれないか。ふむ、あいつは生き汚いからな。あり得ないとは言い切れんな」

「どうされます?」

 曹操の傍にいる郭嘉が尋ねて来た。

「息子も兵を出すと書かれているからな。襄陽にいる曹仁に警戒を促すだけでいいだろう」

 荊州の事は曹仁に任せているので、曹仁に対処させる事にしようとした。

 其処に郭嘉が意見した。

「曹将軍の知勇は優れておりますが、相手はあの劉備です。どのような方法で逃げるか分かりません。こちらからも援軍を送りましょう」

「援軍か。誰を送るべきだと思う?」

「曹純殿が適任です」

「曹純か。という事は虎豹騎を出すか。それならばよかろう」

 郭嘉の進言を聞いて、曹操は曹純率いる虎豹騎を送る事を決めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
カイジを追いかける黒服達がふと思いつきました
この世界では起こらなかった長坂の戦いっぽい?曹操軍の軽騎兵が逃げる耳長を猛追。阿斗ちゃんのピンチに…趙雲さんこっちにいるやんけ()
曹純が史実で劉備の娘を捕虜にした話があるので、劉備の妻子が再度捕虜になりそうだな
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ